さまよえる湖 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 24)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043074020

作品紹介・あらすじ

井上靖氏の名作や椎名誠氏らの調査により注目を浴びている中央アジア、幻の都「楼蘭」。本書は、古来、幻の湖としてその姿を見せなかったロプ湖をつきとめ、楼蘭王国の存在を明らかにしたヘディン博士の苦闘の探険記録である。

感想・レビュー・書評

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  • 懐かしい

  • さまよえる湖 ロブ・ノール

  •  
    ── ヘディン/岩村 忍・訳《さまよえる湖 19680330 角川文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4043074026
     
     Hedin, Sven Anders 18650219 Sweden 19521126 87 /
     
    …… この非情なまでに冷静な探稜家は、これだげ褐望していた水に口
    をつける前にまず自分の脈搏を計った。脈搏は四十九。それからすこし
    ずつ喉に下した。そして一五分問に約三リットルの水を飲んだ。脈搏は
    たちまち五十六をかぞえた。背後の密林にトラの気配がしたが、気にも
    ならなかった。
     ヘディンがつぎにしたことは、両方の長靴をぬぎそれに水をみたして
    木の枝につるし。肩にかつぎ,カシムを救いに引き返すことであった。
    カシムは助かった。しかし他の三人を求めてふたたぴ砂漠に帰ることは
    意味がないと考えたヘディンは、ホータン川に沿い人家を求めて南に向
    かった。四月十日に八頭のラクダ、二匹のイヌ、四人の従者を率いて
    メルキットを出発した一行は、この日,五月六日にはヘディンとカシムの
    二人だげになっていた。(P29-30)
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/412400575X
    ── 岩村 忍・編《世界の歴史5 西域とイスラム 196104‥-19840830 中公文庫》
     
     水を飲む探険家。ヘディンの日記(18950410-0506)より
    http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7570861.html(No.2 20120704 04:17)
     水の迷信 ~ やたら水を飲む人々 ~
     
    (20120707)(201810125)
     

  • 中央アジアの奥地にある幻の湖“ロプ・ノール”。
    スウェーデン人の探検家、スウェン・ヘディンが何十年の歳月をも費やしてさまよえる湖と遭遇するまでの探検の過程を描いた探検記。
    かつて楼蘭の地にあったロプ・ノール、楼蘭が滅びるとともにこの湖も歴史上から姿を消したが、ヘディンが唱えた河の流れが変わってロプ湖も移動したとする学説は、彼自身がロプ湖を発見することで正しかったことを立証した。しかも、そのさまよえる湖はまさに楼蘭の地に帰ってこようとしているのである。
    19世紀の探検時代、世界大戦に見舞われるなど、世界が大きく動いてる時代であったということを思うと、何とも言葉で表すのは難しいが、混沌としたもののなかに夢やロマンが溢れており、羨ましく思える。
    まだまだ世界には長い年月眠ったままの発見があるかもしれない・・・。

  • ○感想

     旅の途中から記述がはじまるので、旅の全体像がつかみづらい。

  •  まさに、コロンブスの卵。中央アジアのロプノール湖は著者が初めて訪れた時は、満々と水をたたえていた。次の機会に同じ場所は茫漠たる砂漠の風景が・・・。

     いまでは、驚くに当たらない事であるが、当時この異境に行った人間には衝撃的事実であったろう。そしてこの謎を解明したスピリットに読者は賞賛をするのである。

  • 約80年も前に行われた研究のための冒険記です。
    学術的な事はよく判りませんが、今と違って、秘境を突き進んでいく冒険には命がけなシーンもあり、発見もありで、面白かったです。

  • スウェーデンの探検家、スヴェン・ヘディンの中国西域探検記です。

    小学生の頃、NHK「シルクロード」がリアルタイムで放送されており、石坂浩二さんのナレーションで「ニューヨーク」「シドニー」とも響きの違う地名がどんどん登場してくる不思議な雰囲気に憧れたものです。そして、これを親にねだって買ってもらいました。

    ヘディンの時代にはヨーロッパ諸国による極地や辺境探検が大ブームになっており、この旅行もその一端といえます。現地語で「生きては帰れぬ土地」を意味する「タクラマカン」砂漠をわたり、さまよえる湖「ロプ・ノール」を探す…インドア派の私でもハートをわしづかみにされてしまいました。

    基本的に旅行記なので、記述はほぼ正確ですが、異国へのロマン趣味もあってか、情緒的な記述も目立ちます。発見した女性のミイラを「楼蘭の美女」と形容しますが、子供の私にはカラカラのミイラを美しいと思える感性は乏しくて(副葬品はきれいだと思った)、不思議感を抱えながら読みました。ロプ・ノールがさまよう仕掛けはテレビで知っていたものの、改めて「なるほど!」と思い、ぜひ見てみたいと思ったものです。

    現在では現地の事情があまりにも変わってしまい、そういった現象を見るのは極めて難しいのですが。今の大人目線で読み返すと、当時の探検旅行というのは美術品の略奪にも似た収集と背中合わせであったりして問題も多いのですが、「知らない土地を見てみたい」というストレートな欲求のあらわれだったんでしょう。薄い本ですが、思い出の1冊です。

  • 読んでいる

  • 中央アジア、タリム盆地東端の塩湖ロプ・ノールは本当に移動するのか?

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著者プロフィール

1865年、スウェーデン生まれ。世界探検史上最大の人物。天性探検家の資質に恵まれ、その生涯を中央アジアの探検と調査にささげ、厖大な著作をのこした。著書に『さまよえる湖』など。

「2023年 『ゴビ砂漠探検記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スウェン・ヘディンの作品

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