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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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もう怖くはない。窓の外を眺めながら、私は考える。何も恐れることはない。あの籠の中から私を救い出すものは、白い粒による化学反応ではなくて、知らないうちに自分を取り囲んでいる人間の優しさなのだ。私はそれに囲まれている。それが今も私を守っている。
― 218ページ -
それを与えてくれたのは、名も知らず会ったこともない部屋の先輩だった。男か女かすらもわからない。その人のおかげできっと私は、今日までゴム底の靴を履いて生きてゆくことができたのだ。そして、そのたった一枚のゴム底が、私をあの籠の中から生還させようとしてくれている。
もう怖くはない。
窓の外を眺めながら、私は考える。
何も恐れることはない。
あの籠の中から私を救い出すものは、白い粉による化学反応ではなくて、知らないうちに自分を取り囲んでいる人間の優しさなのだ。(「ソウルケージ」より)
― 218ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(89レビュー)
人間って難しい生き物だなあ、という本。ことばに縛られていきるのはちょっと辛いなあ、と思う。
もしかしたらことばを使わなければ差異が見えなくなるから、寂しさが減るのでは、としら思う。
でも読んだあと寂しくなかった!
大崎さんの作品は、
どれもこれも好きです。
人間誰しも経験する、
大なり小なりの“喪失”。
そこからの再起。
ミラクルなんて期待すんな。
瞬時に立ち上がれる人間なんて、
そうそういたもんじゃない。
ゆっくり、ゆっくり。
時間はかかるけど。
でも
確実に何かは変わっている。
それで、いいじゃない。
八月の傾斜がとっても好きです。
ピアス、、
あたしもなんかモヤモヤを吹っ切りたいときに
バッツリ開けてしまった記憶があります。
理に適ってたんだね笑
最後の4行。
主人公の語り掛けに
相当ヤラレてしまいました。
久しぶりに五つ星!
結構ハードでした。全編通して死を取り扱ったお話なのですが、感情的なのに淡々と描かれている風で、何とも言えない読後感です。文体もキレイです。場合によっては痛々しい感情に襲われるほど、作品世界に入り込めました。孤独かどうか分りませんが、ちゃんと生きていくのって難しいですね。
タイトルに惹かれた。
今の自分をストレートに言い表している気がして。
作品のほとんどに「死」を表現している。
人間は「死」に向かって歩んでいることを嫌でも知らされる。
はじめて大崎善生さんの本を読んだ。
いろいろな"孤独"を表現した短編集。"孤独"の程度が結構激しいものが多く、辛い場面もありましたが、なんだか読後は清涼感が残ります。作者のタッチと、少し前向きな終わり方からくるものかな。
個人的には「だらだらとこの坂道を下っていこう」が好きです。ある意味で一番”現実的”でラストがとってもいい感じ。疲れたときにまた読みたいな。
日常の中の繊細な心の動きを映し出した短編集。
「孤独か、それに等しいもの」というタイトルに惹かれて購入しました。
とても丁寧に主人公の心が描かれていて、繊細に切り出された切り絵のような印象を受けました。
個人的にはソウルケージが好きでした。
すごく絶望的なココロの一片を、すごく透明に抽出した短編集。
どうしようもない、逃げ場のない、自力で越えて行くしかないヤマを、
無理矢理に越えさせるわけでもなく、かといってアイロニックに書くでもなく、
非常にすっきりと、明るく、凍みるほど鋭利にまとめてある。
その刹那を「分かる!」と共鳴できてしまうことは、
果たして幸せなのか不幸なのか。
表題作よりも、「八月の傾斜」と「シンパシー」が印象大。
開けたピアスの穴はモルヒネのようなものだったのだろう。
卑近な例を挙げて申し訳ないが、鬼束ちひろの世界観と似ている。
「孤独か、それに等しいもの」大崎善生
「愛」の小説いろいろ集。透き通った青。
最近人気らしい、大崎善生さんの短編集。
軽い読み口、愛のかたち、裏に潜むシリアスさ。
一番印象に残ったのは『シンパシー』でした。主人公の彼の思うところがとても普通で、それなのに飽きなかった。
何故だか分からないけど・・・。
でもこういう作品を読むといつも思うのは、自分は決して綺麗な小説に全身が吸い込まれる ってことはないんだな、ということ。
あくまで本の中にあるストーリーを、テレビでも見ているような気になって読んでしまう。とても残念です。
もちろん嫌いな訳ではないですよ。でもそうなんだなぁと。(4)
大崎さんの短編集。 この人が書きたい方法・ものごとが少し分かった気がする。 そして、それが好きだと思う。 多分、何度か読み返すだろう本です。 なぜだか勝手に、この人は男性を書くと思っていたので、「八月の傾斜」の語り手が女性だと気づいたとき慌てて最初から読み直した。 「ソウルケージ」が凄く良くて、『ラバーソウル』を今すぐに買いに行きたいと思ったくらい。 これだけのページでこんなに... 続きを読む »
「八月の傾斜」「だらだらとこの坂道を下っていこう」
「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」「ソウルケージ」
の五編が収められている。
「だらだらと‥」以外の短編に共通するのは、
主人公の身近な人が事故死や自殺・心中等を遂げること。
喪失と回復。
悲惨な現実の中に注がれる一筋の光、つまり「希望」のようなもの。
大崎さんの視線はいつも温かい。
最初に読んだこの人の作品は、「聖の青春」だったから、
この人はずっと、聖の死によって感じたことを、手を変え品を変え
表現しているのだと、勝手に思い込んで読み始めました。
こうも「喪失感」みたいなものをテーマに、
書き続けるのは、それだけじゃないのかも。
さらにこれが続くのはちときつい。
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

