生き残るメディア 死ぬメディア 出版・映像ビジネスのゆくえ (アスキー新書 173)
- アスキー・メディアワークス (2010年12月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048702294
作品紹介・あらすじ
丹精込めて作り上げたコンテンツもネットに乗れば限りなく価値がゼロに近づき、従来の「良い物を作って、適正な価格で売る」方法では利益を上げられなくなっている。自らもコンテンツプロデューサーである著者が、メディア転換期の今、新しい制作・流通体制に取り組む先駆者にそのメカニズムとあり方を聞き、今後の道筋を照射する。
感想・レビュー・書評
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コンテンツビジネスを読み解くには、
1.コンテンツが手元に届くまでのプロセスを整理するバリューチェーン
2.視聴するタイミングと価格を組み合わせるウィンドウウィングモデル
3.映像だけが商品ではないグッドウィルモデル詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テレビはオワコン!これからはソーシャル!そんなことは全く書いてないです。
ネットメディアのパラダイムシフトについて、前半は電子書籍、後半は映像コンテンツについて述べられている。
前半は電子書籍のフォーマットや、それが決まった経緯なんかが書いてあってちょっと難しかったけど、後半の夏野さんのニコ動の話とかは面白かった。
変化してない時代なんてないかもしれないし、陳腐な言葉だけど、時代は変わっていてそれに対応できることがとても大事だと再認識。 -
インタビュー集に付けるには大層なタイトル。こうして電子出版業者の言を一列に並べてみると、どこも「利便性を維持しながらコンテンツを守れる」「ソーシャルな体験が可能となる」「新しいプラットフォームになる」などなど似たようなことを似たように語ってるということが良く分かる。現実が圧倒的に理想に辿り着いていないということも。電子書籍が"書籍"という既存のコンテンツの枠に収まっている間は、これからも劇的な変化は難しいだろう。新しい概念のコンテンツの誕生が切実に待たれる。
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主に電子書籍やニコニコ動画、SNSなどのネット上のコンテンツにスポットを当てて描いたもの。
何が生き残り、何が死ぬメディアかは別として、単純にメディアの現状動向としては参考になった。 -
業界の進んでいるスピードが早いために、刊行の2010年末から既に9ヵ月ほど経ってしまっていて、若干内容が古くなっている箇所もあったけれど、全体的に読みやすくてうまくまとまっていた。
特に後半の「映像メディア」と「ネットメディア」の章は、「電子出版」よりも一歩先の動向を示しているようで、こちらもなかなか読みごたえがあった。
『変化は段階的に訪れる』 -
ネットメディアの最前線で活躍する様々な人々のインタビューを通じて、書籍・映像コンテンツ業界の詳細な現状分析がなされている。
特に電子書籍についての記述が面白く、読者間で書籍の気に入った箇所を共有する「ソーシャルな読み方」が今後求められるとする筆者の主張に共感を抱いた。確かにお気に入りのページや文章を他人のマーカーやコメント付きで見られたら面白い。
個人的には大学の教科書を電子書籍化して他人と共有できれば、ずいぶんと試験が楽になるぞ・・・などと思った。
どの分野も海外勢が先に土俵を形成しており、後発の日本企業がそれに真っ向勝負を挑むのは無意味に等しい。しかし、それらを利用しつつ、他の土俵で戦う余地はまだまだ残されている。
日本の業界はどこまでやれるのか。
待ったなしである。 -
グーグルとマイクロソフトの争いもスマホ上ではなく、実はPCの戦争の延長にある。
i-modeはiPhoneがやろうとしていたことを既に8年前に海外でやろうとしていたのか。時代が早過ぎたな。 -
電子書籍関係者のリアルな証言とそれに対しての考察。
電子書籍に関心ある人は必読です。
Web連載中の記事を元にまとめられた
本書には、著者の深い洞察が注ぎ込まれており、貴重な証言となっている。 -
読み易い
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既存のメディアとこれから発展するであろうメディアとの関わり合いを分かりやすく説明してくれていた。
個人的には、電子書籍と紙の本との共存の仕方にとても興味を持ち、今後のメディアに対する1つの評価軸のようなものを持てるようになった。