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みんなの感想・レビュー・書評
(18レビュー)五寸釘寅吉、稲妻小僧という名の個性的な囚人も登場するものの、国家利益に囚人懲戒を結び付けた創世記から更正重視へと変貌を遂げた明治末までの監獄史ドキュメンタリーといった作品に仕上がっている。綿密な筆致はその顛末を描いているのであって、私が期待した人物に焦点を当てたものとは異なったが、読み応えありの作品だった。
明治期の北海道開拓が,囚人と看守たちが敵意をむき出しにしながら進んでいく姿を,筆者の綿密な調査をもとに淡々と叙述されている。その実態は凄惨で,日本の近代化の裏側を知ることができる。
北海道は月形村 樺戸集治監の明治新政府による建設から廃監までを中心に、囚人労役によって北海道開拓に多大な貢献をした北海道監獄群の実像に迫る。明治大正期、「人権」などという概念はない時代にあって、囚人労役は過酷を極めた。「モトヨリ暴戻ノ悪徒」「苦役ニタエズ斃死スルモ(監獄費が抑制されて)国益」という考えのもと、極寒の北海道で足袋すら与えられずに開墾、道路開鑿、炭鉱採掘に引き出された囚人たちは、寒さのため、苦役のため、手足を失い、失明し、死亡した。
吉村昭得意の綿密な取材に基づく描写は、明治新政府の無知と横暴を事実をもって語らしめており、秀逸だ。末尾の五寸釘寅吉が歴史的人物に成り上がっていくエピソードが物悲しい。
ある意味、怖い。 この「赤い人」の「赤」っていうのは、囚人が着る獄衣のこと。 脱走してもすぐに捕縛できるよう、目立つ赤色で作られているわけ。 明治40年代、防寒設備すら整えられていない北海道の監獄に送られ、 冬でも足袋すら履かせて貰えずに、雪の台地で働く囚人たち… 北海道開拓史は、彼等の存在と苦しみの上に成立したものだった。 脱走を狙う囚人、それを見張る看守、 死ぬことを前提... 続きを読む »
樺戸道路、上川道路、北見道路の開通、、、
幌内炭山、跡佐登硫黄山の採掘、、、
屯田兵、内地からの入植も同時期だが
囚人達の過酷な労役によって北海道開拓はなしえたのか・・・
道路を通るとき、思い出しそうだ
吉村昭が描く北海道開拓史であり、同時に北海道の監獄史でもある。
いつもの硬質・淡々とした文体で、看守と囚人の間に横たわる相容れない感情と緊迫感を見事に描きだしている。
わずか百年ほど昔に、こんなことが日本にあったのか、と驚愕した。
北海道は囚人の血と汗で開拓されたなんて全然知らなかった。
また北海道に訪れることがあれば、敬虔な気持ちで北の大地を踏みしめたい。
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