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みんなの感想・レビュー・書評
(37レビュー)時折、随所に挟まる小咄が面白い。子供の頃、母親に連れられて芝居を観に行った。芝居がはねて外に出ると、つい今しがたまで舞台に出ていたピイタアパン、チンカアベルといった役者が子供たちに挨拶している。光り輝くピイタアパンには近付けず周囲に誰もいない脇役の鰐と握手した、というのには大笑いした。
読み終わって正直「読み終わった…」という感慨が最も深かった。あとはいつものマーチダである。という感想に尽きる。というか、いつもこの人の本を読む時は頭の中を覗かせていただく感じで読むので、もうその体験が既に料金を払い時間をかけるべき事柄であるから それ以上の感想云々という話になるとちょっと分からなくなるんだ。割といつもそうだ。でもその前提を置いてもやはり面白さに心躍った「告白」とか「パンク侍斬られて候」とかと比べちゃうとなーって話ではあります。
町田康節炸裂という感じです。602ページあり、最初こそ躓きながら読みましたが、一気に読み進めることができました。難しい言葉は相変わらずかなりありましたけど。
主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、謎のくにゅくにゅの皮に呑まれ、「偽」の世界にはまりこむ。
主人公の情けなさ、その場しのぎの道中は、大げさな部分を含みつつも、何となく現代でもあり得る精神構造なのかなと感じました。
収拾がつかないようなグダグダ感はありますが(それがこの作家の魅力でもあるのですが)、不確かな「主」への忠誠心は徐々に曲解され、屁理屈となっていくという文脈は、なんとも現代に通底しているのではないでしょうか?
余談ですが、残虐な、断末魔的な表現は、何となく私の夢に出てきそうな気がして空恐ろしいです。
主人公・鋤名彦名は主の命を受けて刀を奉納する旅の途中パラレルワールドに嵌まり込んでしまうが、この「贋の世界」で任務を続けることを決心し、様々なトラブルを起こしながら目的地の大権現を目指す。 町田康はいつも、欺瞞に満ちた人間を町田流に笑いを足したデフォルメで描き、それらが主人公に厄災を及ぼす構図を好んで書く。 主が創造した「贋の世界」の中においては主人公は唯一「真の世界」から送り込まれたプレ... 続きを読む »
いつの時代かわからない設定。循環しつつ流されていく思考。意味不明な展開。その全部に私自身振り回され、わけがわからなくなって、何度途中で読むのをやめようと思ったことでしょうか。ああ、そして最後にまた・・・人生とか運命とか、深読みするといろいろあるような気もするんですけど、まだ混乱を引きずっている私には整理できませぬ。
人間の生に真っ向から向き合った作品だと思う。 人間はずるい。自分に真摯に向き合っているようでも、 そこには嘘や欺瞞が顕われる。しかしながら、それは やむをえないことなのかもしれない。 主とは神なのだろうか、仏様なのだろうか。 「私は諦めた者だ。私は君が何一つ諦めないから、なにもかもを 諦めなければならなかった。私はなにもかもを諦めてこんなことを やっているのだ。君が諦めて宿屋... 続きを読む »
またもややってしまいましたね。 真実だけを語り胸を張って生きてゆければそれは最高だが、もちろんそれを実行できる人は世の中にほぼ皆無なのだから、町田康氏の書く本は程度の差こそあれ、すべての人にとって共感できる読み物である。 我々が日常生活の中でしばしば感じるちょっとした自覚的不正、詭弁と欺瞞、利己主義に基づいた辻褄合わせ、あるいは卑屈根性などが、独自の筆致による一見浮世離れした不思議な世界の... 続きを読む »
久々に町田康の新作が出てました。
これは600ページを超える長編で本の厚さもかなりあるので連休中のお供みたいな感じで読みました。
簡単なあらすじをいうと、主の名で刀を奉納する為の旅にでた男が異世界に迷い込み嘘と偽善に満ちた人々や世界に弄ばれてるうちに自分自身も嘘に染まっていくという話です。
そんな彼の言動を追ってるうちに何が偽善なの?正義ってなんなの?と解らなくなってしまうのです。
暴走を始めた個人の正義の恐ろしさ!
主人公が彷徨ってますね。
その辺、町田先生らしくて引きこまれます。
クライマックス15ページの展開には良い意味で呆れてしまいました。
この町田康という人はどこまでいってしまうのか?
ちょっと怖いです。
凄く濃厚な長編だったけど表紙が怖いのとグロ表現アリなので星4つ!
一見、主人公は自分に対して言い訳ばかりしているように見えるが、実は現実の人間もそれほど変わらない。
それを徹頭徹尾描いているという点では、精神分析的かもしれないが、そんな理屈よりも強く響く物語。
超・長編
世界に入り込んで読もうとすればするほど
しんどくなってなかなか読み進められなかった…
けど
なんかそこがこの作品の力な気もします
堂々巡り、悶絶する程に
「告白」が町田版・「人間失格」と言われるのなら、これは町田版・「沈黙」。運命の不条理と、それをいかに認知づけていくかという二点を軸に延々と語られる物語。われわれは鋤名彦名という登場人物の脳内にダイブする。欲望と大義名分のあいだで繰り広げられる、主観・それを見る客観のような主観・を見る客観のような主観…の繰り返し。これが町田康の小説の醍醐味でもあるのだが、いささか今作はくどすぎた…ような気も。ってことで★4つ。
しかしまあ、読ませますね。言葉のリズム感がものすごくいい。飽きさせないどころか笑えるしね。こちらも脳内が掻き回されるので、体力は奪われるけれど。苦笑
うん。たぶん、町田康は自分に正直でいようとしすぎるんだろうね。もうなんつーか、哲学者ではあるまいか。アルマイト。…くそっ、大好きだ。
人生という遍歴の不条理性を描いた……のかな。どことなくカミュっぽい。難解だけど、タイトルの意味が明らかになる頃には驚き呆れていた。一体この人はどこまで行くのだろう。
主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、謎のくにゅくにゅの皮に呑まれ、「偽」の世界にはまりこむ。嘘と偽善に憤り真実を求めながら、いつしか自ら嘘にまみれてゆく彦名の壮絶な道中。その苦行の果てに待ち受けるものは。
「執筆七年。新たな傑作長編小説の誕生」。 帯の惹句である。 ずしりと持ち重りのする一冊で、表紙には愛らしい市松人形。 本を上下巻とせず、二段組みにせず、あえて分厚い一冊としたのも「あほんだら。俺が7年もかけて書いた作品を寝転んで読んだらどつくぞ、ぼけ」と読者にも「本を読む姿勢または心がけ」を作者は問うておられるようである。 なので。 暫く打っ棄っておいた。 しかし、「本でも... 続きを読む »
おおいに笑った。主はまるで神だし、宗教みたいだ。
たしかに長いけど、面白いし、わりとサクッと読めるので苦にならない。
『告白』のように、心が抉られることはなかった。
だから余計に読みやすかったのかも。
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

