新宿ナイチンゲール

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 87
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209076

作品紹介・あらすじ

桑原ひまりは新宿のネットカフェで寝泊まりしながら派遣ナースとして働いている。ネット経由で依頼を受け、患者の自宅まで赴き、泊まり込みで介護をするのが仕事だった。派遣先の事情はさまざまだが、家族が旅行をしたり外出して羽を伸ばす間の留守番しながらの介護では、ミュージシャン志望で恋人の宗一を派遣先に呼んで、二人で好き勝手に過ごしたりしている。ある日、宗一にだまされて借金の保証人にされていたひまりは、彼が逃げたため、借金取りに追い詰められることになる。
理不尽だらけの介護現場から目を背けない冷徹な筆致が選考委員に評価され、第12回小説現代長編新人賞奨励賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のひまりはネットカフェで寝泊まりしながら派遣ナースとして働く女性。こんな雇用の形も増えていくのかなぁ‥ラストはなんでそうなるの??って思わず口から出ちゃったけど、ある意味ひまりだからなぁ〜と変に納得しました。

  • 社会的な問題でもあるけど、主人公の破滅的願望が表現された作品と思う。介護のあり方とかそういうふうに読むと作者の本意は伝わらない、のか?

  • 先日読了した『わたしは誰も看たくない』が面白かったので著者のデビュー作であり、第12回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作のこちらも読む事に。

    主人公は新宿のネットカフェで暮らす桑原ひまり・28歳。

    看護師の資格を持つひまりはネット経由で依頼を受け、患者の自宅に泊まり込んで介護をする日常を送る。

    介護の現場の過酷さは耳にするが、ひまりの派遣先もこの上なく劣悪な環境だ。

    ひまり、年下の彼氏、介護の依頼人、要介護者、登場人物は一癖も二癖もあり、読んでいる間も読後も非常に気分が悪いがリーダビリティは高くリアルな現実を感じた。

  • ★相変わらずの胸糞悪さとリアリティがよかった。
    本職者だからこそ。一気に読了。

  • 何でやねん!と思うけど、ひまりらしい最後。
    基本的に逃げがちな人だから。
    文句も不満もあるのに何も言えない、悪者になれないところとか。
    訪問看護はこれから求められるものかもしれない。誰かの逃げ場としてだけではなくなるといい。

  • 2019/1/26

  • 決して道徳的ではない終わり方をしているが、私はこの終わり方、好きである。なによりひまりらしい。
    ひまりは自分に正直に生きている。なんとなく看護師になったという仕事への動機も、お金のためにしか介護をしたくないという想いも。全てひまりらしかった。ひまりに感情移入した頃に、事件が重なって行くので、うまくできてんなーとか思いながら読みましたw面白かった!!!

  • 看護師、ネカフェ暮らし、28歳。
    介護料金1日8万円?

    ネット経由で依頼を受けて、患者の自宅に泊まり込んで介護する彼女、なぜこんな生活になったのか?なぜ抜け出せないのか?

    よくある介護の世界かと思いきや、甘さを排した生への固執と醜さを描き、現代が抱える家族の崩壊がすぐそこに・・・

    明日、家族の誰か介護が必要になったら、あなたはどうしますか?

  • 派遣で介護をするナース桑原ひまりの物語。
    介護シーンはすごくリアルだと思ったら、作家さんは元ナースの方。現場の雰囲気や家族とのやり取りで思うところがこの本に詰め込まれているのだと思う。
    ラストは他の方も書かれているが「?」のところがあるが、物語を終わらせるにはよかったのかもしれないと思います。

    介護する方の気持ちがわかる一冊だと思います。ひまりのような人だけではないでしょうが、こんな気持ちでないと務まらない現場なのかもしれません。

  • ひまりと利用者・家族との会話、利用者の家族背景の多様さはリアリティがあって面白いんだけど、エンディングが残念。ひまりにも可哀想な所もあるけれど、後味が悪い。

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著者プロフィール

1969年埼玉県生まれ。春日部准看護学校卒業の現役ナース。2017年、「ネカフェナース」で第12回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し、受賞作を改題した『新宿ナイチンゲール』を2018年1月に刊行してデビュー。本作が受賞後第1作となる。

「2019年 『わたしは誰も看たくない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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