分冊文庫版 魍魎の匣(中) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751124

作品紹介・あらすじ

「私は、嘘吐きなのです」。かつての銀幕の美女・美波絹子こと柚木陽子は謎めいた言葉を口にした。蒸発した加菜子が大財閥・柴田家の遺産相続者だったという事実の他に、彼女は何か隠している…。一方、魍魎を封じ込めるという霊能者・御筥様の奇怪な祈祷と文士・久保竣公の嗜癖が新たな惨劇を生んだ。

感想・レビュー・書評

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  • 個性極まりないキャラも集まり謎解きも進む。
    それもガンガンと進む。私も京極堂に置いて行かれないよう必死に喰らいつたつもりだが非常に難解混濁かつ回転早く苦戦。

    究極の論理パズルに挑戦しているような感覚。これでまだ中巻。下巻期待膨らむ。

  • 感想は下巻に。

  • バラバラだった事実が京極堂によって少しずつ紐解かれていく。
    戦時中の京極堂の秘密も明らかになり、再読とは思えない程楽しんでいる。
    機械と人間の融合は、そう遠くない未来に実現するんではないかな。恐ろしいけど。
    木場修の恋の行方も気になるところ。

  • 【あらすじ】
    加菜子消失の第一発見者、研究所所員の須崎が遺体で発見され、陽子の付人雨宮も失踪する。加菜子殺人未遂・誘拐事件、連続バラバラ殺人事件それぞれに手袋をした黒衣の男の影が浮上する。一方霊能者で探偵の榎木津礼二郎のもとに、柴田財閥から加菜子捜索の依頼が舞い込む。加菜子は、柴田財閥創始者の孫と陽子との間の子で、柴田家の巨額な財産の相続人であった。また、雨宮は監視役として柴田財閥から派遣された者であった。そして鳥口は、寺田兵衛が御筥様教主となった経緯や久保との関連を調査する。かくして京極堂のもとに関口、榎木津、木場の顔が揃う。京極堂は、関連しているように見える加菜子殺害未遂・誘拐事件、連続バラバラ殺人事件等と御筥様は、実際は関連がないと主張する。犯罪は通り物のようなものとしたうえで、加菜子殺害未遂事件の犯人は頼子であり、連続バラバラ殺人事件の犯人は久保であると推理する。また、美馬坂とは旧知の仲であり、美馬坂が天才外科医として不死の研究をしていたことを明かす。そんななか、頼子が新たなバラバラ殺人事件の被害者となる。

    【感想】
    複数の事件に関連がありそうなのにないというのがどういうことなのか、そして加菜子の行方が気になる。二人の犯人はあっさり判明した印象。上巻に引き続き、中巻も読了とあらすじ作成に時間がかかった。

  • 幾つもの謎が複雑に絡み合って…ん?絡み合ってないのか?えー、そうなの、まぁそう言われればそうか?そうとしか思えなくなってきた。ちくしょう!という京極堂の説き伏せスキル。
    そして小出しにされる謎の答えの数々…なんだよ!それで⁉︎早く言えよ!と、あの茶の間で濃いキャラに混ざって叫んでる読者は私です。続きが気になりすぎる。

  • 起承転結で言えば承、または転かなぁ。バラバラ事件、加菜子の自殺未遂事件又は殺人未遂事件について少しずつ明らかになってきています。榎木津の登場によって軽妙さが加わって飽きずに読めます。彼らの会話に笑ってしまいました。事件は京極堂が言うように気の進まないイヤなことが明らかになっていくのでしょうけれど、下巻を読むのが楽しみです。

  • どんな相手の心にもズカズカ入っていける榎木津さんに乾杯。

    「人によって見える世界が違う」ということを、読み進めていくことで強く感じた。
    日々の生活では浅い会話を交わすことがほとんどだから気付けないんだろうな。
    むしろ、気付いてしまったらその後の関わり方がわからなくなりそう。

  • 鵼の碑刊行記念に再読。
    犯人まで分かったのにまだ解決しない。青木くんがだんだんふてぶてしさを表す。榎木津はまだ(榎木津にしては)常識人。

  • 2023年6月 読了

  • 京極夏彦の名作ミステリー『魍魎の匣』、分冊文庫版の中巻。

    柚木加奈子の失踪事件を追う刑事・木場。大財閥・柴田家のエージェントである弁護士の増岡から、遺産相続者である加奈子を探し出して欲しいとの依頼を受ける探偵・榎木津。「連続バラバラ事件」の被害者が「御筥様」の信者という共通点を見出し、「御筥様」の実態に探りを入れる雑誌記者・鳥口。いつの間にか巻き込まれていく(笑)作家・関口。そして、彼らがもたらす情報等を基に、真相へと辿る道を作り上げる安楽椅子探偵(多分)、「京極堂」こと中禅寺秋彦。
    同時進行で発生する不可解な事件たちが徐々に結びつき、これらの事件の中心にいる"何者か"に迫ってゆく―――。

    次々と明らかとなっていく事件の裏表・・・と、無論基本的にはシリアスで、出る笑いと言えば引き攣ったものくらいなのだが、榎木津と関口の「御亀様」の件は普通に笑ってしまった。全般、榎木津がフリーダムすぎて笑えるのよ(実際に関わったら殴り倒したくなるだろうが)。

    次巻が最終巻。失踪した加奈子の行方は果たして―――。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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