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みんなの感想・レビュー・書評
(24レビュー)
東京近郊の海辺の町で発生した謎の騒音公害。ツィス音=二点嬰ハ音が絶え間なく、至るところで聴こえるというのだ。この不快な音は徐々に拡大してゆき、やがて……。
謎の騒音が人間や社会に及ぼす影響が事細かに描写されるパニック小説の傑作。豊富な情報と緻密なディティールを基にした精緻なシミュレーションに圧倒される。ラストの一捻りが示す社会批判も素晴らしい。
集団パニック物。とはいってもハリウッド映画のようなスペクタクルな展開はない。現実の日本にこんなことが起きたらこんな風に淡々と事が運ぶんだろうなと、3・11以降のネットを見て感じた。映像化するとしたらモチーフを「音」から「におい」に変えるといいと思う。
ラストがやはり秀逸。
ツィス音のレベル1が、「一部の非常に耳のいい人だけに聞こえる。」
としているのに、表現の妙があるなと思った。
「目に見えないもの」への集団心理なんて、30年経ってもあまり変わって
ないように感じる。情報の取捨選択をしっかりできるようになりたい。
大好きな広瀬正、中でも一番好きなのがこの「ツィス」。
「どうなるの?」とドキドキしながら読み進め、最後の落ちにまんまとやられました。
この時代にこの内容を書いた先見性に脱帽。
句読点が多い。「丸」じゃなくて「点」が多くて、しばらく違和感が拭えない。また、話が「何でそこからこういう結論が出るの?」「コレ、どういう意味?」っていう論理的飛躍・文章ミス?がいくつかある気がする。さらに文章には作者の主観というか視点という感があり、これはどういう意図か?と考えながら読む必要があるかもしれない。これは特に話のラストで顕著である(だから、結構一生懸命読まないと、ラストが…)。また、内... 続きを読む »
読んでる途中結末はどう迎えるんだ?と不安に思ってしまったが、まんまと騙されました。豊富な知識と情報量、緻密な構成が成せる技ですね。ツィス音が神奈川県C市(湘南の某市のことでしょうか?)から東京都へと騒音被害が拡大していくパニック小説。所々昭和を感じさせる演出もいいですね。T型フォードの実物は見たことないな~。ツィス音が題材として扱われたが、振り返ってみるとメディアを通しては数多くこのような現象が起きていましたね。
こんなこと起きたらどうしよう。
簡単に騙される側に居る自分が容易く想像出来るんだが…。
集団疎開ってどうなのかな。難しそう。
簡単には移動出来ない財産持ってる人っているし。
理系の方にはおすすめしたい本。
ジャンルとしては「SF・パニック小説」となるんだろうけれど、非常によくできた思考実験のよう。
「日本中でツィス(C#)が聴こえる」
という条件の下に起こりえる状況を非常に細かい所まで考えている。
他の人のレビューを見てみるとオチにがっかり、という人が多い気がしますが、個人的には「なるほど」と思いました。
本当に、才能豊かな人を早くに亡くし、SF小説界にとっては残念なことであっただろう、と個人的には思っている広瀬正のSF小説。
独特のユーモアが、昭和レトロのイメージを彷彿とさせ、何とも微笑ましい。
ツィスとはなんぞや? と読み進み、結末に、ああ、そう言う事だったのかと妙に拍子抜けしてしまったのだが、それでもやっぱり広瀬正のSF小説は面白い。
重ね重ね、彼の作品をたくさん読めないのが残念でならない。
今読んでも新しい斬新な小説で驚いた。
あらすじを書くと、ある日突然、不思議な高音が聞こえ始め、その音が徐々に音量を上げながら、東京に向っていく。この謎の音の公害で、首都機能はストップし、東京は混乱に陥る。果たして音の正体は?
得体の知れない音が町を襲うという設定がすごい。
現代都市において、騒音のストレス、生活音のノイズに対して、神経質になってきていると思うので、かなり予見的であると思う。
ある日ふと気付くと、一定の高さを持つ奇妙な音が絶え間なく聴こえている――――。 そして、その音が何ヶ月もかけて、次第に、徐々に大きくなっていく――――。 そんな状況になったとしたら、個々人の生活は、そして全体としての市民生活はどうなってしまうだろう。広瀬正の『ツィス』は、我々の何気ない日常生活が特定の音によって脅かされる時、社会がどのように変容してしまうか、ということのシミュレーションとし... 続きを読む »
神奈川県のある市で聞こえ出した小さな音。ドイツ音名でツィスの音階だったため、『ツィス音』と名づけられた。音響学の権威である教授が調査するも、原因の特定には至らず、音は徐々に大きくなり、東京でも聞こえるようになる。 その後、原因も、対処法も見つからず、音のレベルはもはや、音を遮断せねばならないほどに達し、都では、一部の留守部隊を残し、全都民の疎開計画を実行する。 突如なり始めた正体不... 続きを読む »
ある日から「ツィス」の音が街に響くようになる。最初は聞き取れる人は少なかったのが、次第に「ツィス」の音が街中の人々を混乱に陥れるように…<br />内容が未来的過ぎて本当にどこかの街で起こっていそうで、怖がりな私はなかなかページをめくる手が重くなりました。それだけ本の世界観があるということです。
序盤の登場人物が入れ替わり「あれ?」と思っていたが
あまりのあっけなさに終盤に向けて再登場するあたりで
「やっぱり」と感じたが、謎解きを経てラストシーンを考えると
何気ない仕草も意味深。
広瀬正のツィスを読みなおしました。この本は昔読んで面白いと思った本だったので、文庫が再販されたこともあり、読み直しました。ある女性から奇妙な音が聞こえるという申告があり、それがだんだんエスカレートして首都圏に大打撃を与えてしまうという物語でした。物語としては、読みやすく面白く読みました。SFなので、ちょっと無理な設定があっても仕方がないのですが、読み直してみると現実的にこの設定でこの状況は発生しないだろう、と考えてしまいます。しかし、インターネットで常時情報過多になりつつある現在では、別の意味でこのような事態が起きる可能性もあるなあ、と振り返って考えてしまいました。
ツィス音(二点嬰ハ音)が聞こえる、と訴える一人の女性。そこから大騒動が始まります。徐々に騒ぎが拡大し様々なところに影響を及ぼしていく、その過程は面白いし興味深いです。こんなところにも関係してくるのか、と。国や世界を巻き込んでのパニック作品は多々あれど、音による災害というのは聞いたことないですし。けど途中でラストがうっすら分かってしまい、分かってしまうと気抜けしてしまうんです。分からないで読めればそのほうが楽しいと思います。
レベル3到達が報じられた,十一月のはじめ,Sテレビ“ツィス情報”の視聴率は四〇パーセント台にはね上がった。
そして,ふつうだと六時五十五分ごろのセット・イン・ユース(総視聴率)は六〇パーセント程度なのだが,そのセット・イン・ユースが八二パーセントに達していた。ということは,つまり,いままでその時間にテレビを見ていなかった人が大勢“ツィス情報”を見るためにスイッチを入れているのである。
Sテレビとしては“ツィス情報”を独占しているのが,なによりも強みだった。
(本文p.159)
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

