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この作品からのみんなの引用
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広瀬正は、報いられることなき期間があまりにも長かった作家であり、それに比して、報いられることがあまりにも短期間だった作家である。
― 447ページ -
「あなたは、こんな問題、前の時はすぐできたんじゃなくって?思い出せない?」夫人は、きまって一日に一度は、いらいらしてそういう。だが、夫人の口ぐせであるマエノトキというのが何のことかわからない息子は、ますますキョトンとしてしまうのだった。
― 332ページ -
「学校へ上がったら、よくお勉強しなさいね。前の時は、あなたは小学校から大学まで一番で通したのよ」夫人は、いつも子供にそういいきかせていた。箪笥の底に、死んだ息子の小学校時代の教科書やノートが、きちんと整理して、しまってあった。夫人は、それらを取り出して、まだ幼稚園へも行っていない子供にあてがった。
― 326ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(24レビュー)
一作一作はとても短いものの、いずれもひねりが効いた、あるいは挑戦的な作品ばかり。
「Once Upon A Time Machine」「あるスキャンダル」あたりがかなり好き。
「広瀬正・小説全集」の最終巻です。
筒井 康隆は、解説で、この人が時間テーマにこだわったのは、売れなかったせいだみたいなことを書いていますし、星 新一も、そう思っていたフシがあるみたいですが……。
確かにその一面はあるかもしれないけど、この人のこだわりが、まさにそこにあったことの方が大きいと思います。けっこう、ノリノリでこれらの作品はこれらの作品で書かれている気がする。
どうだろう?
確かに売れなくて腐るきもちもあったと思うけど、それは、自分の好きな物が、どうしても受け入れてもらえないのではないかという、そっちの方に原因がある気がします。
まあ、そうは言っても、よくしっているわけではなくて、小説を読んだ印象です。
時に憑かれた作家・広瀬正氏の小説について、幾ばくかのことをこれまで書いてきた。『マイナス・ゼロ』から始まって、『ツィス』『エロス』『鏡の国のアリス』『T型フォード殺人事件』と、集英社文庫から出された『広瀬正・小説全集』に収められた作品の感想を順繰りにまとめてきたわけだ。そして、本作『タイムマシンのつくり方』が、復刊されたこの小説全集の最終巻となる。 思えば、広瀬氏が書き残した作品群に、... 続きを読む »
二つの隆起と三つの穴を持つ奇妙な出土物をめぐって議論を戦わせる学者たち。タイムマシンで連れてこられた古代人の意外な答えは…。著者のSF処女作であり、星新一に激賞された傑作「もの」をはじめ、「時間」を自由自在に操るタイムマシンの魅力にとりつかれた人々の悲喜劇を多彩な切り口で描いた短編とショートショート24編および付録を収め、シリーズ最終巻を飾る贅沢な作品集。
時間SFの詰め合わせ。タイムマシン話からちょっとはずれた「化石の街」「鷹の子」も印象深い名作。古典的短編を紐解いた「時の門をひらく」のおかげで一時期ハインラインにもはまりました。
広瀬正さんの、初期のSF短編集。【人形の家】と【化石の街】と【鷹の子】はちょっとホラーっぽい要素もあってぞっとしました。【UMAKUITTARAONAGUSAMI】は【マイナス・ゼロ】の最後の方でも登場した『過去にいって親、あるいは祖先を殺したらどうなるか?』のテーマにそって書いてあるのですが、その終結に唸ってしまいました。それから【あるスキャンダル】。これは笑えました。他にも笑える【発作】や【二... 続きを読む »
時間物を中心に集められたSF短編集。これでもか、とばかりにタイムマシン、タイムパラドックスの話が続くが少しも飽きさせることがない。いかに作者が時間やタイムマシンに憑かれていたかがよくわかる。面白かった!!。
広瀬正のタイムマシンのつくり方を読み直しました。タイムマシンをテーマとした短編やショートショートが掲載された広瀬正の初期作品集でした。主にタイムマシンで過去を改変したら現在はどうなるのだろうか、というパラドックスをテーマとした短編が多かったようです。これで、広瀬正小説全集の文庫6冊を再度読み直したわけですが、やはり一番面白かったのはマイナス・ゼロでしょうか。最初にこの物語を読んだのは多分20年くらい前でしたが、この物語の中に登場する、ある女性の印象が強く記憶に残っていました。その女性はタイムマシンで過去に戻って過去の時代で出産するのですが、その娘は実はその女性本人で、成長して現在のタイムマシンに乗って過去に戻ることになるのでした。要するに無限ループなのですが、DNAは同じはずなので、などといろいろ考えだすと眠れなくなります。
2008年に復刊されている広瀬正・小説全集の最終巻。「初期」の短編、ショートショートを収める。
いくつかの初期作品は、確かに福島正実が「アイデアの骸骨が、貧弱な文章の衣をまとった」と評したレベルを出ていないが、しかし、一方では SF が小説として認められず、多くの才能ある作家が、このようなショートショートにしか発表の場を見出だせなかった時代背景は、筒井康隆の解説に詳しい。
気に入った作品は、時間の流れが恐ろしく遅い世界へ迷い込んだ男を描く「化石の街」と、タイムパラドックスによるパラレルワールドの存在を衝撃的に描く「計画」。広瀬正の代表作「マイナス・ゼロ」も未読なので、早く読もっと。
<a href="http://bbs1.sekkaku.net/bbs/?id=mitosemi&log=2391">三戸ゼミ掲示板でご紹介頂きました。</a>
初期の短編作品はSFとしての骨格が際立ってる印象。後の直木賞候補三部作(!)のような緻密な世相描写や人情話っぽさは少なめ。でもやっぱ星新一さんよりは半村さんよりな感じが好きだな。
ジャズ評論家として夙にその名を知られるK大学教授浜野先生は,かつての教え子の一人が,やっと発明しましたといってタイムマシンを持って訪ねてきた時,ひと通り説明を聞き終わると,
「ちょっと僕に使わせてくれないか」
といった。
先生は,タイムマシンを使えば,今は亡きチャーリー・パーカーの演奏をなまで聞くことが出来る,と考えたのだった。
先生は学術会議の出席などで,戦後何回も渡米したが,そのたびに,ひまを見ては,各地で著名ジャズプレイヤーの演奏を聞いて来た。だが最初に渡米したのがバードの死の直後であり,とうとう彼のなまの演奏に接する機会がなかったことを,先生はかねがね残念に思っていたのである。
(『タイム・セッション』本文p356-357)
2009年1月24日購入。読書期間2009年1月26日〜2月4日。
面白い。
筆者の「初期」の作品集で、ほぼすべてがタイムマシン、もしくは「時」に関することがテーマの短編集。
テーマが統一されているのに話が多彩で、それぞれ緻密に作られていて奥が深い。
1、2ページほどの短編もあり、完成度が高いだけにもっと長い作品で読んでみたくもなる。
筆者のほかの作品も読んでみたい。
<DIV style="background-color : white ;color :black ;padding : 8px 8px; border : 1px inset #ddd; margin : 0px 5px;">「マイナス・ゼロ」は面白かったが短編は今ひとつ。未来から現代を歴史として解釈する手法は清水義範にもあったが、広瀬が元祖だとか。</DIV>
<h5>出版社 / 著者からの内容紹介</h5>
二つの隆起と三つの穴を持つ奇妙な出土物をめぐって議論を戦わせる学者たち。タイムマシンで連れてこられた古代人の意外な答えは…。著者のSF処女作であり、星新一に激賞された傑作「もの」をはじめ、「時間」を自由自在に操るタイムマシンの魅力にとりつかれた人々の悲喜劇を多彩な切り口で描いた短編とショートショート24編および付録を収め、シリーズ最終巻を飾る贅沢な作品集。
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