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みんなの感想・レビュー・書評
(35レビュー)
主人公モリーナが語る映画のあらすじは、ただのあらすじではなく、彼女の目、すなわち彼女の感性を通して語られる、主観の入り混じった産物。しかしだからこそ彼女が、政治犯の男の心をも動かす語り手となり得るし、同時に、会話だけで成り立っているストーリーを叙述する役割も果たしている。
モリーナ、哀しい女…
デパートでもらった香水の試香紙をしおり代わりにしていたから、すごくいい匂いが本に移っていたのをすごくよく覚えている。どこの何ていう香水かは覚えてないんだけど、私の中ではその香水はモリーナの匂いになっている。
★★★
同性愛者とテロリスト。まったく違った二人の男が牢獄で同部屋になる。同性愛者はテロリストに夜な夜な映画のストーリーを言って聞かせる。主な筋はそれだけなのになんと惹きつけられる小説。
二人の会話と、刑務所の報告書だけで語られていきます。限られた時間と空間だからこその濃厚さ、分かり合えた事と合えなかった事、夢と現実。
★★★
映画とミュージカルも観ました。映画では同性愛者役のウィリアム・ハートが賞を取っています。
ミュージカル版はちょっと賑やか過ぎたかな。二人の男が出会って、反発して、仲良くなって、一人の男が殺され、ラストは死んだ男がむっくり起き上がって歌って踊ってお終い、って感じ。こう書くとホラーかコメディのようだけど本当にそんな感じなんですよ。小説では閉じられた空間の濃密さが舞台では開かれて、小説では決して語られなかった「愛している」の言葉が軽く感じてしまいました。
モリーナが話す映画の端々から、女性、というよりも女の体への強い憧れを感じた。
ただ、モリーナの性格がそこらの女以上に女性的なのが結構鬱陶しかった。
感じ方は人それぞれだろうけど。
アルゼンチンの監房を舞台に、政治犯のインテリ革命家と映画マニアの中年ホモセクシュアルの間に生まれる不思議に切ない絆を描いた作品。モリーナが語る映画の物語は陳腐なメロドラマだが、美しい映像が目に浮かぶような陶酔に満ちた口ぶりが何より魅力的で、「崇高な」政治思想を抱いているヴァレンティンもやがてその大衆的な生の魅力に惹かれていく。現実を超越した美や愛にひたるモリーナ、現実を変える使命感に追い立てられる... 続きを読む »
牢で同房になった二人の男の会話がほとんどすべてを占める小説。 男の一人は政治犯のバレンティン、もう一人は未成年者を誘惑した罪で服役中のモリーナ。モリーナは、ホモセクシャルと書かれているけれど、今でいう性同一性障害というか、自己のアイデンティティは完全に女性、という人物。 モリーナは古き良き昔を愛する保守的な中年の庶民で、理性より感性を大事にするタイプ。かたやバレンティンはブルジョア出身... 続きを読む »
同じ部屋に収監された
囚人の男二人。ひとりはオカマ。
夜、眠れるまでオカマが話す「映画」。話だけで、映画が楽しめるとは思わなかった。
本当にその映画を見ているような気分になる。
ふたりの関係が変化していくのが面白い。
全編が会話、地の分がない。そしてその実験的な形式にもかかわらず、単純に面白い。それは二人の主人公の一方が一方にかたる映画の話が、それだけでも魅力的だからだ。ゴチック体部分の解釈など腑に落ちぬ部分があり、私自身理解できていないところもあるのだろうが、それでも楽しめた。あと訳で工夫した部分があると思うので、途中までよんでから驚いてほしい。
ホモである男性が、一緒に牢獄に入っている男に映画の話をしていく、という形のストーリー。
全部で5,6個の話をするんですが、どれも悲しい話で・・・切ないのです。
最初は物語がつかめずに戸惑いますが、話を楽しめるようになれば、どんどん進んでゆきます。
そして、ああ!!
想像できるのにしたくない、悲しいラストです。
とってもおススメ。
ゲイの中年男とノーマルの若者。
刑務所で同室になった二人が孤独を共有していく話。地の文はなく、物語はほぼ会話文で進行していきますが、場の情景は不思議なくらい鮮明に頭に浮かんできます。
二人の境遇も、関係も、ゲイのモリーナが語る映画の内容も、物語の結末も、すべてが切ない。
会話のみで構成された物語。とある南米の刑務所の、同じ監房に収容されている政治犯バレンティンと、ゲイのモリーナ。革命に闘士を燃やすバレンティン、空想の中でしか生きられないモリーナ。対照的な二人に徐々に芽...
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