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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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愛も誠実も信頼も計りようがない。
― 217ページ -
“同情や愛情で恢復しない傷がある限り、刑罰はひとを救わない。自分に癒えることのない傷を与えたものが、たとえば刑務所に三年入ったからといって、うれしくもなんともない。刑罰にはせいぜい、「これで我慢してくれ」と、癒えない傷を覆って誤魔化す絆創膏程度の力しかない。”
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殺して生きる。だれもがやっていることだ。殺す相手が牛や豚や鶏や虫ではなくひとだからといって、ちがいがあると考えるほうがおかしい。
罪を生じさせるのは常に人間の意識だ。罪の有無を忖度することなく、津波はすべてを砕いていった。
信之は知っている。罪などどこにもない。あるのは理不尽と暴力だけだ。
― 218ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(228レビュー)
平穏な生活の裏側に潜む、人間の暗部。
安定した日常の脆さを、人間の持つ暴力的な欲求や破滅願望といった内的要因を軸に描いた作品。
子供の頃に背負った傷、過去の過ち、人生に対する失望など、物語全体に流れる諦観の空気が、読み手の心にある闇を浮き彫りにする。
登場人物の心理描写、台詞ににじみ出る閉塞感など、ディテールの緻密さで読み手を物語の世界深くへと誘う。
重いテーマを扱っているにも関わらず、読了後は何か救われたような気分になるのもこの作品の魅力。
震災復興が進まぬ今だからこそ、読むべき小説かもしれない。
三浦しをんさんの作品では"ほのぼの日常"系ばかり読んでいたので、陰のさした、読んでいて緊迫感がある作品は初めてで新鮮でした。
登場人物が乱暴な言葉を心の中で呟くシーンが、暗い過去を引きずる荒んだ雰囲気を感じられて個人的に好きです。
完全なフィクションだけども、登場人物たちの様に幻想や夢と無縁に生き、幸せを問うことをせず、漠然と毎日をやり過ごす人は少なくないと思います。作中で何度も起こる「理不尽」な出来事も現実とリンクして考えずにはいられませんでした。
読み終わったあと覚えた感情は、恐怖、そのひとことだった。
理不尽な暴力によって傷つけられてしまったひとびとの顛末。読めば読むほど恐怖心が頭をもたげてくる。だれがだれに利用され、だれがだれを利用して、どこまでが本気でどこまでが嘘で、どこまでが偶然でどこまでが計算なのか。微妙なラインを動きつづける。
特に怖いと思ったのは、信之に、信之と美花のふたりでアダムとイヴのように創世主になろうとしていこうとする感情があったということ。破壊しつくされて修復不可能になった自分たちの島は、俺と美花さえいれば必ず元に戻るはずだと、本気で思っていること。なんていうか、ほんとに怖い。
寒々とした空気が漂う、そんな話だった。
明るい気持ちになりたくて、タイトルに惹かれ読み始めてしまったのがいけなかった。 三浦しをんさんの『モラル』みたいな、常識に対しての考え方が私は好きなので、きっとこのお話は誰にも感情移入ができないように書かれているのかなぁ..と思いながら読みました。 登場人物が皆、屈折していて、利己的。 けれど、津波が皆をそうしたわけでは無いと思う。 不幸を拭う術を知らず、愛を知らず育ってしまったこ... 続きを読む »
三浦 しをん
集英社 (2008/11)
本を閉じて心がざらつく
救いがないのかなあ
あの東北の津波より前に書かれた小説
衝撃だった
眉根を寄せて読んでいたらしい
それでも「光」は射すとの著者のメッセージでしょうか?
大好きなしをんさん、もう少し明るめでお願いいたします
≪ 命だけ 選びとられて 生きる闇 ≫
2009年01月29日 17:20 暴力はかえってくるのだ、という帯で購入した。 東野圭吾の「白夜行」を連想させる世界観。 一人殺しても二人殺しても同じだ、というのはよく聞くセリフだ。 人を殺害するというラインを超えたことで、道徳観念とか人としてのなんとかかんとかが壊れてしまって、もう何人でも一緒じゃ!となるらしい。 でも元々壊れてるから最初の一人を殺したって見方もできるんじゃ... 続きを読む »
身勝手な『解釈』から紡がれる人物達の歪みの連鎖。 三浦しをん作品はこれで5冊目。正直、物語の内容よりも(物語の内容はとても良かった。) 著者『三浦しをん』という人物は何者なんだろうと率直に思ってしまった。 少し軽快な語り口と、社会的に身を置く登場人物の人間性を個々に彩らせる。 それらを軸に物語を紡ぐ作家が三浦しをん。…と勝手に思っていた。 しかしこの『光』は、今まで私が読んだ微々... 続きを読む »
薄暗い、後味の悪い話。 まさかこんな話とは。 本当に、三浦さんは引き出しが広い。けど、まあ、びっくりしました。こういう話も読まないではないのですが、三浦さんで読みたかったわけではないというか、覚悟してなかったというか、タイトルからしても、予想を裏切られた。 ラストは明るい印象で終わってはいるけれど、よく考えなくても何も明るくない。 いや、でも、生きていくってそういうこと、とい... 続きを読む »
三浦しをん作品らしからぬ作品。
文学性は高いが、鬱々としたダークな雰囲気が漂い、かなり重い話に仕上がっている。
出だしが美しい描写で始まっているだけに、物語がどんどん暗い方向に進んでいくのに対し、違和感を覚えた。
タイトルと内容の温度差もある気がする。
最後の再生を思わせる場面がせめてもの救いかもしれない。
始まりから衝撃を受ける。
気軽に読めそうかなぁ…と三浦しをんを選んだのに、とんでもなくダークでした。。
津波で壊滅した島。そこで生き残った、5人のお話。
あまり今オススメできる話題ではありませんが…。
これは… 震災後の傷がまだ残る日本の図書館は、この本を置くのを自粛すべきでないかとまで思う。よりによって、津波で故郷すべてを、家族を失い、、、という話で、何度ももう読むのをやめようかと思った。でもタイトルからするときっとどこかで希望を与えてくれるのかと、信じて、読んだけど、非情なまでに鬱々しい終わり方だった。生き残った者たちは、お互いが枷になるようにして幸せにはなれない。命さえあればまた人生は開け... 続きを読む »
三浦しをんが、こんなダークな小説を書くとは…。最後まで衝撃の連続性。津波の話から始まるので、東日本大震災の被災者には、この作品の登場人物とは同じにならないことを祈る。
このタイミング(時期)でこれを読んだ。生々しさが目に浮かんだようだ
災害でなにもかもなくしゼロでなくマイナスへ転落。
そしてそこから這い上がれず最悪の結末。
次に秘密がばれるときはどうなるの...
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

