おれのおばさん

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 605
感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713480

作品紹介・あらすじ

高見陽介、14歳。父が逮捕され、母と離れ離れになったら、未来を拓く「出会い」が降ってきた。児童養護施設に暮らす中学生たちの真っ向勝負の「人生との格闘」、体を張って受け止めるおばさんや大人たちの生きざま…全編を貫く潔さが胸に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 東京で何不自由なく名門エリート高に通う中学生の男の子(陽介)が銀行員の父親が愛人が原因でお金を着服し逮捕され母親の勘当していた姉にあたる、おばさん(恵子おばさん)の経営する北海道の札幌市北12条にある児童養護施設で暮らす話。

    恵子おばさんは、北大の医学部で医者を目指していたが演劇に目覚め恋人と代がを中退し恋人と劇団を立ち上げる。
    その恋人と結婚するも、旦那の浮気により離婚。
    それから、劇団は辞め児童養護施設を経営。

    陽介が児童養護施設で、たくさんの味方を作り暮らしていく話。

    第4段まであるので、つづきが楽しみ。

  • おもしろくて、すぐ読み終わってしまった。

    陽介は大人っぽいな、と思ったけれど、結構よく泣いたりしてて、やっぱりまだ子どもだし、大人の助けは必要だよね。と、頭をなでてあげたくなった。

    陽介の良いところは、人の前で素直に泣けることなんじゃないかな。人って泣いた方が、立ち直れたりするものです。

    素敵な(強烈な)大人との出会いも、本当に良かったなと思う。

    楽しく読めた1冊でした。

  • よしっ!
    いろんなことあるけど、まぁ何とかなるか。
    という気分にさせてもらえる一冊

    結婚生活
    親子の関係
    友達の関係
    大人も子供も
    男も女も
    それぞれ いろんな事情を抱えて生きている
    逃れられないその事情を丸ごと飲み込んで
    生きていかなければ 仕方がない

    マイナスの状況の中から
    気持ちを立ち上げていく青年たちの様子が
    まぶしく 気持ちが良い
    マイナスの状況の中でも
    前を向いて生き抜いていくおばさんが
    素敵だ

  •  恵子の潔い生き方の真似できたらどんなにカッコいいだろう。自分が選んだことに責任をもち誰の所為にすることなくきっちり立ち向かう姿は、卓也や陽介たちだけの憧れでなく大人たちにとっても眩しいと思う。職場で「他責はよくない」なんて言葉はよく耳にするが、それをしていない人のほうが少ないのが現実だ。
     自分が選んだことが結果的にカッコ悪くたって、みじめだって、キツイ状況になってもそこから逃げない、人として当たり前なことでも難しいものだ。
     恵子がどんな芝居をするのかがとても楽しみだ。

  • まずページ数が丁度よい(笑) 登場人物たちそれぞれの重い過去や、解決しようのない感情を決して大げさに表現しないことで、より人間っぽく、何とも言えない色の濃さが出ている。変に同情を買うような展開にせず、人生経験が少い子供の視点から描かれていているのでとても面白かった。
    シリーズで出ているらしい。楽しみが一つ増えた。

  • この人の書く物語に出てくる人はみんな根が好い人というか、厳しさの中に優しさがあって、弱い人にもいいところはあって、ちょっと出来すぎだなと思うけど安心して読めた。

  • 主人公が大人びているなという印象。自暴自棄にならないのも、どこか悟っているような感じなのも。
    最後のまとめ方が個人的にはあまりピンとこなくて残念に思ったが、シリーズものらしいので続きも読みたい。

  • 佐川さんのあったかい優しさが漂う語感。

  • すごく読みやすい。それぞれの5年後、10年後を知りたい。

  • 重たく複雑な題材を扱っているけれど、さらりと読める。
    主人公の陽介、「おばさん」である恵子、2人と関わる多くの登場人物たちも愛らしく魅力的で、好感が持てる。
    さまざまな事情で親と距離をおく子供たちの暮らし、そうした子供たちに寄り添って生きる大人たち、それぞれの家族に対する割り切れない思いなどが主題になっているが、大きな物語というよりは、いくつかの出来事によって登場人物たちの気持ちが明らかになる、といった書き方なので、
    あまり熱っぽくはない。
    主人公が割合さっぱりした人物だからかな。
    続編が出ているということなのでさっぱりしたい時に続きを読みたいと思う。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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