復興から自立への「ものづくり」:福島のおかあさんが作ったくまのぬいぐるみはなぜパリで絶賛されたのか

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 32
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093886765

作品紹介・あらすじ

“ものづくり”でいかにして立ち上がったか

東日本大震災後、東北各地でものづくりによる復興プロジェクトが数多く立ち上がりました。その後、目の前の課題を解決するための試行錯誤を経て、しだいに復興という目的を超え、地域ビジネスに成長したプロジェクトも登場しています。その成長のプロセスには、人口減少、少子高齢化、産業の衰退など、いま全国の地方が直面する課題解決へのヒントもちりばめられています。

そうしたプロジェクトを現在までに80件以上取材し、成り立ちから作り手たちの思い、完成した商品までを丁寧に紹介してきたウェブサイト「東北マニュファクチュール・ストーリー」に掲載されたものづくりの物語から、21話を厳選し、アップデートして一冊の本にまとめました。

なぜ“ものづくり”だったのか。たくさんのものを失った人たちが、手を動かし、ものをつくることにより、いかにして仕事や収入、生きがい、仲間、新しい居場所を見つけ、立ち上がっていったのか──震災から8年となるいまだからこそ、たくさんの人に知ってほしい物語です。


【編集担当からのおすすめ情報】
多くを失ったまちで“暮らし続けるため”にいまできること、いま必要なことは何か。その問いへの答えとしてものづくりに取り組み、立ち上がる力を得ていく東北の人たちを追い続けてきた飛田さんが綴る“ものづくりの物語”は、なによりもまず、読む者に元気を与えてくれます。

しかしそれだけではなく、
・産業のないまちでの新たな仕事づくり
・過疎化が進むまちでのコミュニティーづくり
・子育て中の女性が安心して働けるしくみづくり
・高齢者の生きがいや居場所づくり
・地域の伝統文化を再生するものづくり
・ソーシャルビジネスのしくみづくり
など、“被災地”“復興”というキーワード抜きに、全国の多くのまちで参考にしうる事例集となっています。

まちをつくり、未来を切り拓くイノベーションはどうやって生み出されたのか。
課題を乗り越えるための知恵もたくさん詰まった一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 単純に金銭を援助するのではなく、職を作って被災者が自立して生活する仕組みを作るという支援の仕方。職ができるということは収入ができるだけではなく、作業に集中することが癒しになったり、社会とつながっているという実感が得られたりするという、精神的な効果が大きいことがわかりました。
    作品の写真がたくさん載せられていましたが、どれも可愛い!欲しい!となるものばかりでした。単なるチャリティとしてではなく、本当にいいものを作りたいという職人魂みたいなものを感じてすごいなって思いました。

  • 東日本大震災の後、数多く立ち上げられた物作りによる復興プロジェクトへの取材をまとめたもの。
    南三陸ミシン工房は、バッグを母に贈ったり、自分用のペンケースを購入したりして来たのだけど、こんなにたくさんのプロジェクトがあったのか…それでもまだまだ一部。
    震災・原発危機との被災地の方々の向き合いを知ることの重要性はもちろんなのだけど、「コミュニティかビジネスか」「一過性のイベントではなく持続できるものにするには」など、多くの地域で共通しているだろう課題についても考えさせられる。
    紹介されているものがどれも本当に魅力的!
    次に誰かに贈るプレゼントはここから探そう。

  • <東北の本棚>地域の文化、技術生かす | 河北新報オンラインニュース
    https://www.kahoku.co.jp/special/spe1183/20190519_03.html

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    “ものづくり"でいかにして立ち上がったか
    東日本大震災後、東北各地でものづくりによる復興プロジェクトが数多く立ち上がりました。その後、目の前の課題を解決するための試行錯誤を経て、しだいに復興という目的を超え、地域ビジネスに成長したプロジェクトも登場しています。その成長のプロセスには、人口減少、少子高齢化、産業の衰退など、いま全国の地方が直面する課題解決へのヒントもちりばめられています。
    そうしたプロジェクトを現在までに80件以上取材し、成り立ちから作り手たちの思い、完成した商品までを丁寧に紹介してきたウェブサイト「東北マニュファクチュール・ストーリー」に掲載されたものづくりの物語から、21話を厳選し、アップデートして一冊の本にまとめました。
    なぜ“ものづくり"だったのか。たくさんのものを失った人たちが、手を動かし、ものをつくることにより、いかにして仕事や収入、生きがい、仲間、新しい居場所を見つけ、立ち上がっていったのか──震災から8年となるいまだからこそ、たくさんの人に知ってほしい物語です。

    〈 編集者からのおすすめ情報 〉
    多くを失ったまちで“暮らし続けるため"にいまできること、いま必要なことは何か。その問いへの答えとしてものづくりに取り組み、立ち上がる力を得ていく東北の人たちを追い続けてきた飛田さんが綴る“ものづくりの物語"は、なによりもまず、読む者に元気を与えてくれます。
    しかしそれだけではなく、
    ・産業のないまちでの新たな仕事づくり
    ・過疎化が進むまちでのコミュニティーづくり
    ・子育て中の女性が安心して働けるしくみづくり
    ・高齢者の生きがいや居場所づくり
    ・地域の伝統文化を再生するものづくり
    ・ソーシャルビジネスのしくみづくり
    など、“被災地"“復興"というキーワード抜きに、全国の多くのまちで参考にしうる事例集となっています。

    まちをつくり、未来を切り拓くイノベーションはどうやって生み出されたのか。
    課題を乗り越えるための知恵もたくさん詰まった一冊です。
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09388676

  • 509-H
    閲覧

  • 震災直後の話ばかりを読むと、あらためて津波被害のすさまじさを実感する一方で、気持ちは滅入ってくるばかりなので、そろそろ復興の話を読みたいと思って読んでみた。結果、いろいろ学びがあり、かつ心温まったので正解だったなと思う。
    この本の最後のほうにも「なぜ震災後に多くのものづくりプロジェクトが始まったのか」が書かれているが、他の本もいろいろ読むと、やはり避難生活でやることがないという状況が人を駄目にするからだということなんだろう。本書の記載を借りれば「ものづくりのもつ作業療法的な側面」である。かつ、「物理的な理由」ということで大きな機械等が必要ない手作りモノに行き着いたということなんだろう。
    本書には多くは語られないが、これを精神的支柱的なコミュニティ形成とするのか、しっかり稼ぐためのビジネスとするのかは大きな課題だと思う。どの団体だったか忘れたが、その課題を乗り切るために「団体を2つに分けた」という道をとったものもあった。手作りということはそれで稼ごうと思えばかなりの金額で売ることになるので(その好例が気仙沼ニッティングなのだろう)それはそれで難しい。
    それから、この感覚はリタイアしたサラリーマンに当てはめられないものかと思った。手持ち無沙汰になったリタイア層に、そこまで稼げるわけではないがよい時間つぶし&小遣い稼ぎになりそう。なかなかそういう動きが生まれないのは、男女の違いなのだろうか。

  • 東日本大震災後、東北各地でものづくりによる復興プロジェクトが数多く立ち上がった。その後、次第に復興という目的を超え、地域ビジネスに成長したプロジェクトも登場している。本書では、数あるものづくり事業の中から、大槌復興刺し子プロジェクトや小野駅前郷プロジェクトなど、21の物語を厳選し、紹介する。


    第1章 手仕事が“仕事”になる
    第2章 “伝統”を活かして
    第3章 “未利用資源”に注目して
    第4章 地域から“新たなプロダクト”を

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