パニッシュメント (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 162
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094512588

作品紹介・あらすじ

高校生・郁には何かの拍子に「誰かを殺しそうな顔」をしてしまう瞬間がある。それが新興宗教の教祖をしている父親と関連があるのかどうかは不明…。父親とは長年離れて暮らし、存在を「ないもの」としているが、幼馴染みの女子高生・常磐の母親がその宗教に傾倒していることに対し、本当の事実を告げられない。何も知らず、接してくる常磐に複雑な感情を抱いてしまう郁。一方でクラスメイトの謎めいた占い少女・七瀬がなぜか、アプローチをしかけてくるが、実は、郁と父親に関しての秘密を知っているらしく…『ストレンジボイス』の江波光則が送る、ローリング必至の青春&恋愛模様。

感想・レビュー・書評

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  • 高校生を主人公にした宗教を題材とした青春小説
    青春小説というくくりは便利すぎるが冒険と並んで物語景色にしやすいということなのだろう
    対して教養小説(あるいはジュブナイル)が少ないのは大人の立場に立って成長というものを描けるほど大人になれないからだからだろうか
    高校生的なあれこれと宗教のそれこれを上手く絡めたところががとても面白い
    ライトノベル的な(エンタメ的な)色気がないので広く受け入れられるような話でもないけれどもガガガ文庫らしいとしかいえない

  • 新興宗教を扱ったラノベ。
    主人公をとりまく二人の女の子が、主人公の父が教祖の宗教で苦労している、という話。
    ラブコメ主流の男子向けでは珍しい題材で、しかも難しいテーマ。
    文章が淡々と描かれてて、一般向けっぽいところもあるけど、終盤の怒涛の展開はラノベだった。両方のよさをあわせもった良作かな。
    終始、七瀬の占いや克美の締め上げ方、父親の組織の束ね方、偽善者ぶった先生の指導法、アカの間宮女史のケンカの仕方など、さまざまなかけひきや人間関係のテンションが描かれていて楽しい。
    すごい上手い人なんだと思う。

  • 新興宗教の教祖を父に持つ事実を、周囲に隠しながら生活を送る少年が主人公。
    ライトノベルの中では、地味な設定とキャラクタであるにも関わらず、読み心地はとてもビビッド。
    鋭い切っ先を読者に向けているけれど、けして荒削りではなく端正な小説。
    作家買いを心に決めたラノベ作家の一人。
    青春の痛々しさを求める人にオススメです。

  • 『パニッシュメント』読んだ。異常者が異常者に弟子入りする『ストレンジボイス』、普通の人が異常者になりたがる『パニッシュメント』、異常者が「普通」と和解する『ペイルライダー』ときて次はなんだ。異常者と異常者の殺し合いとかかな…

  • Podcast『文化系トークラジオ Life』にて、「信じる論理、信じさせる倫理」というテーマの時に紹介されていた小説。父親が新興宗教の教祖である主人公と、その宗教がきっかけて家庭崩壊を起こした幼なじみと、その新興宗教に心酔するクラスメート。「信じる・信じさせる」ということは、えらくオオゴトなんじゃなかろうか…と思わされた作品だった。僕は結婚してから三ヶ月が経つけれど、これも相手に将来を信じてもらってのことなわけで。すごいな、これって。「信じてもらう」ということは本当にうれしいことだけれど、無責任にしていいことじゃないなとも感じた、そんなおはなし。

  • 帯&表紙詐欺もいいところだ(笑)。男子高校生、郁は、最近幼馴染の常盤にお弁当つくってあげる!といわれたりして、けれどある事情から、それを素直に好意と受け取ることができなかった。なんと、宗教がテーマ……重っ(笑)。すっごくしっかりと取材して書いてるんだろうなあ、とか、でもライトノベルじゃないけど、でもでもこれをこのライトノベルの形式で読めることによって青少年が読めることはいいかとかもとか。個人的にはなかなか面白かった。人を離れた視点から見ることのできる郁が冷静なのに、沸点を超えると調整効かなくなる感じもわかる。ダークですが、そういうのも可であれば。

  • 宗教や信仰心が周りに及ぼす影響を中心に据えたラノベ。主人公の立場が物語を面白くしている。

  • 表紙の感じと帯惹句とは若干ギャップがありますね。
    ”怒涛の恋”を恋愛ものとしての言葉で受け止めれば中身はスクールカーストと宗教でした、となりますわ。
    スクールカースト部分はAURAよりも陰湿な感じが妙にしっくりくるし、それは蓮也といういじめ実体験者の言葉からも感じ取れる。
    そして宗教。こちらについては父親の描写が若干薄く感じたものの、宗教と神様、それに縋る信者の構図をしっかりと捉えている。
    いかにもガガガっぽい作品です。ガガガ初心者の方に「ガガガってこんな感じ」というにはいいのかもしれません。

  • これはガガガ文庫でやる必要があるのか!?

    新興宗教の教祖をしている父をもつ主人公・郁と幼なじみで母親がその宗教に填まっている常磐、タロット占いで一躍クラスの人気者の座についた七瀬の三角関係じみた恋愛模様。新興宗教が柱にどっかりあり、普通の青春かかけ離れたものになっている。結局何が言いたいんだかよく分からない。何よりもガガガ文庫というライトノベルのレーベルでやるべきことなのかが分からない。

  • なんでそんなに一部で高評価なのかさっぱりわからなかったです。はい。

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