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みんなの感想・レビュー・書評
(281レビュー)
8編の短編小説の中でヴィヨンが1番しょーもなかった。というのも、他7つのクオリティーが高く、すべて読んでいてゾクゾクする。基本的に全て太宰特有の伝記的で、悲観的で、俯瞰的で、愚直すぎる。お金や、家族や、強い女性というリアルで、しっかりと向き合うと疲れるので逃げたくなるような問題を、理屈を並べて太宰が苦悩するという小説。
1番感動したのは「家庭の幸福」
作中名言「家庭の幸福は諸悪の本」という点。幸福の価値観を再考できるので、ぜひ幸福になりたいとバクッとイメージもなく抽象的
に言うバカな女に読んでもらいたい。
放蕩夫と知的障害が疑われる息子を持つ「妻」の話なので、
とても暗く重い内容であるハズなのに、なぜだか暗くない。
借金取りに夫がナイフを突きつけて騒ぎ立てた話が出たときに、
思わず笑ってしまったりもしている!
夫に他の女が何人かいてもびっくりしないし、借金は自分で何とかできないかとすぐに思ったり、明るい嘘をついてみたり。
強い!!!
「人にどうこうされたから私はこうなった、、。」的な悲壮感は全く無く、
前へ前へ進んでいく様はあっぱれである!
自分もこういう風に生きたい!
でも、これには、夫への強い愛があることが前提かな?
気持ち良い読後感でした。
『親友交歓』、『トカトントン』、『父』、『母』、『ヴィヨンの妻』、『おさん』、『家庭の幸福』、『桜桃』の8篇を収録。太宰の告白の断片。この中に出てくる妻はいずれも人生に対し俯瞰していて強い。『ヴィヨンの妻』の極悪人になりきれないダメな詩人の夫を持つ「さっちゃん」は我が身にうしろ暗いところが一つも無くて生きて行く事は不可能だと思い、酔客に汚されても「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」と夫に語る。この強さが太宰にもっとあれば…。幻聴に悩まされる男を描いた『トカトントン』も佳作。
ないわ、、、こんな男の気持ちわかるが、ぜったい旦那にしてはいけない。
きっと破滅していて、いつも辛いけどなんか気持ちいいんだろうなあ。
太宰の不意打ちで突き刺さる気のする言葉が好きです。
桜桃を久し振りに読んだけれど、前読んだときより悲しい気がした。……前読んだのって小6とかだったからかもしれない
桜桃以外は初見。女性一人称の文章はやっぱり好み。
そもそも、短編集なので『ヴィヨンの妻』は思ったよりも短かった。妻の立場から書かれているのだが、引き込まれすぎて、太宰が書いたことを忘れ、本当にこの妻が書いているのだと思ってしまった。
作品集としてはなんだか後半、似たような作品が多い気がする。どれも切ない。
特に『家庭の幸福』では、おそらく太宰の家庭とは真逆の、とても幸せそうな家庭像をつらつらと描くことで、幸せな家庭を別のところから他人事として眺めているような、太宰の視線を感じる。絵に描いたような家族は、かえって太宰の崩壊的な家庭を浮き彫りにし、切なくなった。そしてこの話の最後の二頁が太宰の陰鬱さをあらわしている。
ひとつひとつ読みやすかった。
「ヴィヨンの妻」の映画が公開されて話題になつてゐるやうです。私は観てませんが。 小説家・大谷は優しくて器量よしの妻がありながら、毎日遊び歩いてゐます。 挙句に、行きつけの店で酒代を溜めて、借金を踏み倒さうとするばかりか、店の酒まで勝手に持ち出すありさま。いけませんねえ。 妻は夫の借金を返すためにその店で働き始め、瞬く間に客の間で人気者になるのでした... 本書にはそのほか「桜桃... 続きを読む »
今更読んだ。いい短編集だった。
大体は、だらしない男といい女が出てくる。
なにかぬぐいきれない暗さと絶望とが終始一貫してあるんだけど、その感じがすごくリアルというか親近感というか・・・。
この中だとトカトントンが好き。
表題のヴィヨンの妻も。映画版観てみよう。松たか子好きだし。
読んでいるうちに暗い気分になっていく。暗いけれど、所々滑稽な話があるのが救いになっていてちょうど良いバランスが保てている。
当時(昭和二十年頃)の日本の生活がどれだけ暗く閉塞感に包まれていたのかが伝わってきて苦しくなる。「酒でも飲んでなきゃやってられねえよ」という感じだろうか。食べ物は配給だし、夫は借金を作ってくるし、きっと妻は大変だったはずだ。自らの手で家庭を破壊せざるを得ない夫の生き方はなんだか切ない。破壊の先に一体何があるというのだろうか。
太宰治自身、「無頼派」といって、「庶民の本来の姿を描く」ことを大事にしているだけあって、内容は少し堕落的とでも言ったらいいのだろうか。誤読感が少し苦々しくなるのは太宰の作品が、「幸せ」を描いていないからだろうか。
表題を含む8編の短編集。1編1編に太宰が息づく。
自身が抱える倫理観、神への畏れ。片方、社会から感じる抑圧。
世間と信仰の狭間で苦しみ、自分を追い詰めた末路が滲む。
ヴィヨンもまた、放蕩の詩人だったらしい。
まとめると『体制と 反体制の間にて 倫理で苦しむ 迷える子羊』
といったところでしょうか?
太宰治の短編集。
表題作『ヴィヨンの妻』に加え、『父』『母』は家庭を顧みない亭主によって貧乏を強いられる家族の苦しさが描かれ、『桜桃』『おさん』『家庭の幸福』は比較的真面目な亭主ながら、彼とその...
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