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みんなの感想・レビュー・書評
(28レビュー)父の本棚から拝借して、初めて読んだのが中学生の時。一気に読み切り、その夜は恐怖で眠れなかった。 今でも繰り返し読み返す、吉村昭の「破船」 徹底した取材と情報収集を下地に、静謐でいて鋭く写実的な筆致を誇る、ノンフィクションの帝王、吉村昭。 「破船」は江戸時代、とある漁村の因習が産み出した村の崩壊までの物語。 この小説に限っては多分フィクションだろうと思うが、どこかモデルになった地域があるのだろ... 続きを読む »
生きる事は食べる事。食べる為に働く。働けない物に与える食べ物はない。座礁した「お船様」の積荷を奪って最低限の生活のギリギリのところで生きている村人たち。
村を存続させるために行ってきた事によって、村が消えてしまうかもしれない危機に陥ってしまい、希望が見えない話でした。
とても迫力のある物語でした。
江戸時代。貧しい漁村に伝わる風習「お船様」。浜で火を焚き、船を座礁させ、積荷などを奪い取る。
船に積まれた米や砂糖、瀬戸物などは村の生活を飛躍的に向上させる。
しかし、ある冬に訪れた船は積荷もなく船内の者はみな亡くなっており、村は恐ろしい境地に向かって行く。
ノンフィクションとは明言されていないが、吉村昭作品である事からノンフィクションだと捉えて読むべきか。
終始、どんよりした展開であり、村の孤立感が立体的に感じられる。
「熊嵐」と似た緊迫感と臨場感がある。
久しぶりに吉村昭 およそ8ヶ月ぶりの吉村昭。1982年の作品。 淡々と進むタッチはいつもの通り。しかし今回はすごい。色やにおいが浮かんでくる感じがする。 まさに、目の前で物語が進んでいるような、そんな迫力ある筆遣いだ。 貧しい漁村にとって、難破した船の積荷は宝。難破を誘うが最初の冬は何もなく、次の冬は仕組まれた難破でたくさんの宝が(非合法的に)村に入り、3回目の冬で... 続きを読む »
吉村さんのどんな壮絶な話でも冷静かつ緻密な描写が好きです。 描くモチーフを消化したのち、自分の中で一回突き放してるんだろうなぁという文体は、きっと緻密な取材から成り立っているのでしょうね。 一家の主すら身売りしなければならない海辺の貧しい村で、人々はひたすら「お船様」と呼ばれる難破船を待ち続ける。それが村に破格の潤いをもたらしてくれるので、冬の間塩を焼き、「お船様」を誘い込む…。 「... 続きを読む »
『三陸海岸大津波』に続いて、吉村昭作品。
冬には雪が積もる、リアス式海岸の漁村が舞台。
ワタクシ思わず、東日本大震災の津波被災地を連想してしまいました。
貧しさ故に、周囲を山に囲まれて孤立し、貧しさ故に、他人の不幸(座礁船)を神様扱いしていた村が、逆に罰が受けるというお話。
今の日本みたいに豊かだったら、このような悲劇は無かったでしょうけど。
他人の不幸を喜ぶのは悲劇だし、罰を受けるのも悲劇ですね。
余計な表現の無い、抑揚を抑えた、客観的で簡潔な文体も、この小説にピッタシでした。
感動したっ!以上!!(毎度お馴染み、小泉元総理のパクリ)
面白くてその日の夜のうちに読んでしまいました。と言っても暗く悲惨な救われない話です。昔の日本の貧しい農村・漁村の暗く、閉鎖的で淫靡で猟奇的?な人々の生活、風習、祭事に興味のある方にはオススメです。
相変わらず吉村昭は面白い!
特にこの本は淡々とした吉村昭の文体が非常に話しとマッチしてていつも以上にあっという間に読みきれた。
この本を楽しむにはAmazonの書評にもあったけど、事前に裏表紙のあらすじも呼んじゃダメで、なんの前情報もない方がより楽しめると思うです。
貧しい海岸沿いの村
獲れる魚貝類は少なく、農作物も育たない
飢えを凌ぐもっとも容易な方法は、家族が身を売ること
妊娠した女性による箱膳の蹴り上げ
悪天候の時に行われる塩焼き
お船様という難破船
サンマの手づかみ漁は佐渡島で行われていたらしい
もともとは能登方面から伝わったもの
いずれにしてもここら辺が舞台なのだろう
ホラーと見まごう怖さ。ラストシーンが切なすぎる。
フィクションだが、淡々と綴られる寒村の日常に、「ただ生きる」と言うことが難しい時代というものが日本にもあったんだな、と思った。
日本のある小さな村の話。漁を中心に細々と暮らし、なんとかその日その日を生き延びる村人たち。自分たちに潤いをもたらす「お船様」を待ちながら…
村人の一家族に焦点を当て書かれている。物語が淡々と書かれ登場人物に感情移入はしにくいが、その分物語が鮮明になり恐ろしさが際立つ。
その人たちにとっては日常でも、周囲から見たら明らかに異常なことって規模は違えど現代でもあること。固定概念に捉われず、広い視野を持つこと。
一家の主でさえも身を売る、極貧の村。
お船様と呼ばれる難破船は村にとてつもない恵を与えてくれる。
船を難破させるために冬の夜に浜で塩を焼き、お船様を待つ。
しかし、ある冬、お船様が積んでいたのはとてつもない厄災だった。
死者はまた村に戻ってくる。村を出て死んだ者の魂は永遠にさまよう。
そう信じて、厳しい村の生活を父不在の後を守る10歳の少年。
怖いけど、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまいました。
うわあああああ・・・・・!!!
リアルに怖い!怖すぎる!!!!
あんまり淡々とした語り口で、史実のような気すらする。
生き延びるために必死で日々働き続けて、大人の男すら身売りをして食いつなぐ、極度に貧しい村には、「お船様」が富を運んできてくれるという信仰があった。それは難破船を誘導して待ちつづけ、その荷を奪い食いつなぐこと。「お船様」に人が乗っていた場合は皆殺し。村人だけが知っている恐ろしいサバイバル的土着信仰であった。しかし、ある「お船様」が来てから、村に恐ろしい事態が起こる・・・・生き延びるためにはかくも人間は恐ろしくなるのか。悲しい。
極貧の漁村で伝わる闇夜で火を炊く「塩焼き」と呼ばれる風習。
成人した主人公は、それが遭難した船をおびき寄せ座礁させるためのものだとはじめて知る。破船となった「お舟様」から運び出された積荷は村人に分配...
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

