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みんなの感想・レビュー・書評
(25レビュー)
旧暦の3月3日、その桜田門外の変の日は、雪だった。
その事件後のことも、くわしく展開される。
事件にかかわった水戸藩士に資金的に援助していたのが、こんにゃく商人であることも興味深い。今は群馬が名産のこんにゃくは、もともと茨城が名産だったよう。
・井伊大老の初傷はピストルによる貫通銃創。
・襲撃時間は約3分程度。
・実際の斬り合いは剣術によるスマートなものは全くなく、泥臭い鍔元による押し合いで指、耳、鼻が斬られるケースが多く、襲撃後の現場にはそれらが散乱していた。
・幕府による逃亡者の逮捕捕獲技術の高さ。
襲撃シーンの描写が秀逸。
初の「実戦」は、時代劇さながらの斬り合いとは程遠く未熟で人間臭い。
そしてその後はお得意逃亡シーン。
歴史的な大事件ながら、当事者にそんな意識はなく、
国政正すって言いながら、1人1人の思考はそんなに大きいものでもなく、大体が藩内にとどまる。
水戸藩って最後まで不思議な立場。
歯医者さんの待ち時間・銀行・バス・寝る前・・・少しずつ読み続けていた吉村昭氏の桜田門外ノ変、やっと昨日読み終えました。2か月もかかってしまった。 そうだなあ・・・僕にとってはきつい一冊でした。どちらかと云えば忠実な、それは多分気が遠くなるような調査の上に書きあげたものだと思いますが、所謂、事実を述べたものです。作者の思いは殆ど入れなかったのではないでしょうか、あとは読者が自分で感じなさいと云... 続きを読む »
決行準備からその後の逃亡生活を詳細に記している。
上下巻合わせて圧倒的なボリューム。
よくぞこれほどまで調べ上げ一つの読み物としてまとめたものです。
それにしても当初の予定が狂ったとはいえ、事件の後がお粗末ですね。
赤穂浪士みたいに全員で自害するって思いはなかったのかな。
ついに主人公関鉄之助を中心とする水戸藩士の井伊直弼大老暗殺、つまり桜田門外の変がようやく下巻にて達成。
しかし、この事件自体はわずか5分の出来事。小説内での描写もあっという間。その後、藩士たちは逃亡を続け、ほとんどが死を迎える。桜田門外の変は前フリで、作者が描きたかったのは、関鉄之助たちの逃亡生活だったのか。
桜田門外の変から2年、関鉄之助は水戸藩内で捕縛され、江戸に送られて処刑される。37歳だった。
桜田門外ノ変自体は数時間のものだろうからそれだけでこれだけの小説のテーマになるのかと思っていたら圧倒されました。 あとがきを読むと資料を丹念に読み砕き、現地に行き、そこでまた人と会い資料を得て、それを骨格として作り上げてその間を想像で補い紡いでいくという作業をしていることがよく分る。 著者は当日の雪がいつ止んだのか色々な文献をあたるが不明で、不明ではあるが気持ちが入っいくと想像できるというよう... 続きを読む »
学校で習った桜田門外の変や安政の大獄。
ただただ丸暗記してただけの歴史的事件が、複雑な人間関係を絡ませながら起こっていたことにびっくり。
読みながら何度も「そうやったんかー…。」の連続でした。
ほんとは映画を観に行く前に原作を…だったんだけど、原作で十分堪能できてしまった。
上、下巻でとても読み応えがありました。
資料を取材して書かれているということで歴史を知る上でも大変勉強になりました。
暗殺に至るまでの時代の状況や経緯、そして暗殺、その後の諸藩の動き、逃亡生活、まさにドラマのようでした。
桜田門外の変の詳細が、残されていた各種の資料から精密に描き出されていた。襲撃した元水戸藩士のほとんどが直後に自刃などにより清冽な死を遂げる中、生き残った元藩士たちがどのように行動するのか、深く追求されている。歴史だけでなく、戦う者、藩邸に逃げ帰る者など、まるで現代に通じる人の生き様のようなものも感じた。
桜田門外の変について、劇的ではなく淡々と実行責任者関鉄之助の足跡をたどった内容。小説というよりもノンフィクションな感覚。
ハイライトであるであろう桜田門外の襲撃のシーンすら数ページでそっけない。歴史というのはきっと何かの瞬間のイベントではなく淡々とした事柄の連続であとから振り返ると劇的な瞬間があったということか。
あとがきにあった「桜田門外の変から明治政府樹立までわずか9年」、「226事件から太平洋戦争終結までも9年」。歴史的大転換はごく短期間に凝縮しておこる、というのに納得。いまはそういう時期なんだろうか?この2つに比べると、まだ凝縮して大事件が起きてる感じではないなあ。
季節外れの小雪が舞う桜田門外、静々と進む行列の先頭へ、一人の浪士が斬り込むと同時に、一発の銃声が鳴り響いた。 それは、300年続いた封建体制が、雪崩のごとく崩れ去る、始まりの合図であるかのようだった。 襲撃現場は叙情的のようだが、雪面に飛び散った血と身体、首のない大老の遺体、現実はあっという間で生々しい。 暗殺の成功とともに、薩摩藩が天皇を守護し、政権の転覆を図るはずが、薩摩は挙兵せず、計画... 続きを読む »
羆嵐がきっかけて吉村昭に嵌り込んだ。
読み始めて8作目にて初めての歴史小説。歴史小説はもう少し後でいいかと思っていたが、今度映画が公開されるということで、予習の為にも読んでみた。
歴史小説は元から割と好きな方で楽しみではあったが、勤勉で詳細な下調べはやはり吉村昭、といった感じ(まだまだ既読は少ないが)。安心して読み進められた。そして歴史的に有名な事件、『桜田門外の変』がどのようにして起ったか、その後どのように歴史の流れに繋がっているか、まったく知らなかったことに気付く。
硬質で無駄のない文章と緊張感がたまらない。
要するに歴史小説でも吉村昭は面白い、ということだ。
ますます好きになってしまった。
桜田門外以後の逃避行についても随分と紙数が割かれている。
薩摩藩の挙兵計画が頓挫してしまう失望ぶりは読むに値する。
ただ、こんなことを書いてしまうのも問題だが、
いちばん読んでよかったと思ったのは“あとがき”だった。
著者の意図を窺い知ることができ、目を通すべきだろう。
井伊直弼暗殺の瞬間と、襲撃者たちのその後について。
井伊直弼が暗殺された後、幕府が水戸藩に対して進言した内容が印象的だった。
一、水戸家は将軍家の分家であり、本家である将軍家を補佐してい...
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