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この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
(326レビュー)ニシノユキヒコという男について語るには、 チェット・ベイカーというトランペッターについて語るのが最も手っ取り早い。 チェット・ベイカーはこの世を去ってなお女たちの心に傷をつけることができた男である。 平たく言えば色男だったのである。 チェット・ベイカーは多くの物を失った男である。 彼のもとを去って行った妻“たち”を失い、 ドラッグのトラブルによる喧嘩でトランペッターの命ともいえる歯... 続きを読む »
「蛇を踏む」のような川上弘美を期待して読むと肩すかしをくらう。でもこれはこれでとても良い作品だと思う。ニシノくんがどれだけ魅力的で、たらしで、モテモテで、女性たちの間を渡り歩いたか、なんてことはどうでも良いのです。どこにも辿り着けないニシノくんの恋と冒険が、さみしくて愛おしいと思うから。かわいそうなニシノくん。こんな男のひとがいたら、かわいそうでかわいくってきっとすぐさま恋に落ちてしまうだろうと思います。
にしのくんは確かに、くそやろうかもしれない。けど、それは標準的で世間一般の価値観からみたにしのくんであって、わたしはにしのくんのような男の子はほんとうに素敵だとおもうし、にしのくんのような男の子がいたらその悲しいところも含めてすぐに好きになるとおもう。
川上弘美は意図的に普通のことを書いていない。少し変わった間の取り方、少し変わった話し方。その感じに、ああ川上弘美はわたしと同じでとても普通のひとなんだな、と感じさせるなにかがあって、好感が持てる。凡人が変人ぶってるかんじ。この書き方は非常に失礼ですね。川上弘美が凡人と言ってるわけではないのですが。
物事の微妙な感覚を文章で上手く伝えるのはとても難しい。だから、川上弘美は凄い作家だとおもうのです。
ニシノユキヒコと交情のあった、10人の女性がそれぞれに語る物語。中学生から死んだ後まで、ニシノくんがほんとうに愛せる女性をもとめてフラフラするさまが描かれる。
家を30年ローンで購入し、娘二人を大学に行かせ、その二人の結婚披露宴をきちんと着席表のある形式で行った「妙齢」のササキサユリさんによると、「ニシノくんはまず、なかなかの男前である。ニシノくんはまた、清潔である。ニシノくんはさらに、やさしく礼儀正しい。ニシノくんはまた、堅実な会社に勤めている。」のだそうだ。
困った人だけど、一貫して振られつづけ、別れ際にはなんだかほんとうに悲しそうで、だからしょうがないなぁ、と思ってしまう。死ぬまでしょうがなかったニシノくんをおいて、女のひとたちはニシノくんを心に生かしながらちゃんと生きていっている感じがする(実際には描かれてないんだけど)のがよかった。
川上弘美さんの作品で今まで読んだ中で二番目に好きです。まだあまり多くの作品を読んではいないのですが... ニシノユキヒコの恋愛模様、女性関係、ニシノユキヒコの人生、そして生き方、不器用さ、切なさに空しさ、そして絶望感。 どうやったら僕は人を愛せるのかな。 ずっと一緒にいたいと思ったんだ なのにどうして僕は人を愛せないのだろう 常に女が耐えない人生を送ってきたニシノユ... 続きを読む »
恋愛小説は得意分野ではないけれど川上さんはエッセイがすごく面白かったのでちょっと読んでみました。自分が恋愛体質じゃないためか正直なところあんまし良くわからないけれど、雰囲気はなかなか良く、わからないなりに楽しみつつ読了。しみじみ共感して楽しんだってことじゃなくて、ヒトゴトだと思ってへーあっそう、という感じに。しかしニシノユキヒコ的な人物が身の回りにいたら、場慣れしてないオバサンなど、イチコロであろう、とちょっと恐ろしくなった。そんな折に、40歳を超えて結婚(恋愛デハナイ)できる確率は1%、という日本の統計があるという話を聞いて驚愕。そうなんだー。。。
・見た目も清潔、仕事も堅く、するっと自然に女性の心に入り込む男、全男の敵、ニシノユキヒコ。次々に女性と寝ながら人を愛せないと嘆く、とてつもなく滑稽で哀しくて寂しいお話。
・各話別の女性から見たニシノユキヒコが描かれてるんだけど、それぞれの女性の恋愛観が凄く良く表現されてて良かった。ひとを好きになる瞬間とか、ああこの人は愛せないなと気持ちがあっさり去る瞬間とか、そういう描写は凄く巧みだなと思った。
・たまたまAmazonで見かけて超安く買った割には面白かった。何度も読みたい。結構一話一話でガッツリ心を揺さぶられたので読み終わるのに時間がかかった。
ひとつひとつの物語は淡々と進むのだけど、
どれもこれも心臓をぎゅーってされる感じ。
ニシノユキヒコが発する言葉は、甘みと淋しさ両方を持ち合わせている。
たぶん、何度も読み返す本。
シスコンなんだろなー、彼は。永遠に手に入らない恋の理想を追いかけてる。これも違う、あれも違う、って感じで一生涯を終わってしまったのだ。と、私は思いました(笑)
ニシノユキヒコという人物を通して、そこに関わった女性たちとの物語。
こういう男性はいる。
しかもタチが悪いことに、自分で意識せずにやっている。
多分母性本能くすぐる人なんだ。
言い方を変えれば自由な人なんだろうなー。
自由を手に入れる代わりに、生涯ぼっちを選んだ。
それだけのこと。
なんて言うかもう、しょうもない、哀しい。
↑ていうのが前に書いてあった感想。しょうもない、て思った記憶はあるんだけど哀しい、ていうのはどこに思ったんだろ…。また読みたい!
余韻が切なさとともに、フワフワと心に留まっている。
男の子ってかわいいなぁ〜。
清潔そうで器用に見えても、やっぱり誰だって、完璧じゃない。
天国に逝ったニシノくんに手紙を書きたくなった。
ニシノくんに、すっかり恋をした。
大胆かつ繊細、とか、相反するものだらけのニシノくん。
この手の男性にはイライラさせられるのに、なぜか気になってしまう。
読んでても、ムカつきながら魅了されて、読後感は爽やか。
きっとニシノくん的な男性とつきあって、くたくたになって別れても、
後々さっぱり、良い思い出になるのでしょうね。
いちど、振り回されたいものです。
個人的に、恋愛に主眼を置いた小説の場合、読んでいる間は楽しめても読後にじわじわと徒労感・不快感が迫り上がってきてしまうことが多いのですが、別の意味で後を引く感じはあるにせよ、このお話はそういったことは...
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