謎手本忠臣蔵〈上〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101330532

作品紹介・あらすじ

元禄十四年三月十四日、勅使登営の当日。赤穂藩藩主浅野内匠頭が突然江戸城内松の廊下で高家筆頭吉良上野介に斬りかかった。内匠頭は即日切腹。残されたのは『覚えたるか!』という不可解な一言と事件の謎。なぜ、浅野は吉良に襲いかかったのかなぜ、勅使の登城は予定よりも早められたのか。元禄赤穂事件を全く新しい解釈で再現し、その真相に迫る壮大な歴史ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 全3巻。
    歴史ミステリー作家、
    今度は忠臣蔵。
    まあ、年末だし読んでみる。

    忠臣蔵とは何だったのかを、
    著者らしい切り口で探る
    新しい忠臣蔵。
    浅野内匠頭がなんで吉良にキレたのか、
    そう言われるとなんでだろうと思った。

    が、
    あいかわらずというかなんというか、
    謎解きがいまいち盛り上がらない。
    結局「ん?」って感じが少し残った。

    で、
    じゃあ謎解き以外の、小説としてはってなると、
    こっちも「ん?」な感じ。
    物語の鍵になりそうな大きなフィクションを設定するも、
    上手く使うこと無く尻すぼみに消費する。
    あいかわらずツメが甘い印象を受ける。



    黒幕にされることの多い柳沢保明が、
    なんか悪いヤツじゃなかったり、
    内蔵助像も少し新鮮だったり、
    キャラ造形は結構好きだった。

    毎度思うんだけど、
    もっと面白くなりそうな設定なんだけどなあ。

  • 加藤廣の忠臣蔵ということで読み始めた。

    そもそも忠臣蔵がどういう話なのか。
    簡単には知っているけど、知っていることといえば
    1 浅野殿、吉良殿に対し、江戸城で刃傷沙汰を起こす
    2 浅野殿自刃、そしておとりつぶし
    3 浅野殿の家臣である大石内蔵助が吉良殿に復讐を果たす
    4 赤穂浪士切腹
    ざっくりいえばこんなところ。

    この間に何があったのか。
    今まで知らなかった内容をこの本で読めた。

    赤穂浪士がどんな理由で討ち入りを決めたのか。
    この本では、その理由に特に焦点が向けられていたと思う。

    本の帯にもあったけど、今までの忠臣蔵だと単に「お殿様への忠誠からくる復讐」だったけど、この本ではそこにさらに朝廷に対する問題までも焦点が向けられている。

    加藤廣ならではの内容で特にその部分が興味深かった。

    日本の歴史には常に朝廷が絡んでくる。
    これからも歴史小説を読むけど、朝廷との関係を今まで以上に深く考えて読んでいきたいと思った。

  •  ご存じ忠臣蔵を著者なりの味付けで。柳沢吉保対大石内蔵助の構図か。綱豊配下の忍、吉保配下の忍が出てくるのが、著者らしいところかも。上巻は松の廊下刃傷事件前史から赤穂城開城まで。

  • 有名な、松の廊下での刃傷“事件”の謎を、ミステリ仕立てで追う展開。
    並行して進む、柳沢保明(吉保)の「桂一作戦」と、どう絡んでくるのか・・・と次巻に期待。

  • 大石内蔵助と柳沢吉保の双方の立場から、浅野内匠頭の刃傷事件の謎解きのミステリー仕立て。
    討ち入りの情況については、後日ドンドン脚色されていったようですが、この本では出来るだけ資料に当たり、忠実に再現されているようです。

  • 若き日の柳沢吉保の視点でかかれた松の廊下の事件など新鮮!!

  • まったく新しい忠臣蔵!内匠頭の刃傷時の不可解な一言、その真相に迫るミステリー仕立て。さらに赤穂事件の背景に柳沢・黒鍬組対間部・雑賀組の間の抗争があったとは。

  • (感想は下巻にまとめて書きます)

  • 忠臣蔵大好きなので思わず手に取った作品。
    それまでの「忠臣蔵」を覆すような、斬新なミステリー小説のような内容に、ぐいぐい引き込まれていった。文体に慣れるまで少し時間が掛かったが、とても面白い。大石像が新しくて実にいい!

  • 時代ものと思いきや、ミステリーだった。こういう予想外は楽しい。

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著者プロフィール

加藤 廣(かとう ひろし)
1930年6月27日- 2018年4月7日
東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務し、調査部長などを歴任。山一証券経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師を経て経営コンサルタントとして独立し、ビジネス書執筆や講演活動を行う。
50歳頃から、人生を結晶させたものを残したいと考えるようになり、歴史関係の資料類を収集。2005年、『信長の棺』で作家デビュー。当時の小泉純一郎首相の愛読書との報道があって一気にベストセラーになり、高齢新人作家としても話題になった。のちに大阪経済大学経営学部客員教授も務めた。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』を著し、『信長の棺』を含めて本能寺3部作と称される。ほか『水軍遙かなり』、『利休の闇』。その一方で『戦国武将の辞世 遺言に秘められた真実』、『意にかなう人生 心と懐を豊かにする16講』など歴史エッセイや教養書も刊行を続けていた。

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