嬉遊曲、鳴りやまず: 斎藤秀雄の生涯 (新潮文庫 な 45-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101354316

感想・レビュー・書評

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  • 明治、大正、昭和初期等に活躍した人は、豊かな出自の方が多いと再認識。庶民とはかけ離れたその生活。芸術、文化には、ゆとりが必要と改めて思わされる。

  • 斎藤秀雄氏は、桐朋音楽大学の礎を創った人で、小澤征爾の恩師でもある。
    他の方も述べているが、宮澤賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の厳しい「楽長さん」のモデルとも言われている。

    がんで亡くなる数ヶ月前
    チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」の演奏の記述。

    自分は、涙無しには読むことができない。

    癇癪持ちで、周囲との軋轢を繰り返す面もあった。
    今では通用しない指導であることはわかる。
    しかし、氏の音楽にかける情熱、そして教え子たちがそれに応える姿は、きっと読み手に何か熱いものを残すであろう。

    是非、手にとって読んでほしい。

  • なんだか音楽関係の本が続いてます…。それにしても、世の中にはすさまじい人がいるものですね。

  • お友達から借りた4冊の伝記の中で、一番とっつきにくい本だったが、後半の指導者になってからの部分からおもしろくなっていき、読み終えた今は、4冊の中で一番手元に置きたい本である。

  • 斎藤秀雄のことはいろいろと読んだつもりでいたが、全然知らなかったというのがよくわかった。教育論として興味深い。
    単行本は 1996 年のようだが、文庫版に追記されている 2001 年の記述に慄然とする。そういう事実があったのか。
    単行本を読んで満足していてはいけない、と思わされることが多い。

  • すごかったんだなぁ。読み終わって、疲れた。

  • 出だしの斎藤秀雄さんの父秀三郎の猛烈な英語辞典執筆ぶりに最初の驚き。つづく斎藤秀雄さんの音楽教育熱に恐れ入ることしきり。サイトウ・キネン・オーケストラができてしまうほど、多くの教え子に大きな影響を与えた存在であったことが本を読んだら分かりました。子供の音楽教育の効果をあげるためなら、教え子の家庭にまで足を踏み入れるような、強烈な人物でした。

  • 斎藤秀雄の生涯が書かれているが、日本の音楽界が進歩していく過程が、そのまま氏の歩んできた道と重なる。戦前、戦後の音楽界発展の歴史でもある。ここに登場する数々の音楽家の名前が、今のクラシック音楽界を支えてきたのだなあ、とつくづく思う。

  • クラシックが好きな人は是非読んでください。

    小沢征爾のお師匠さんの話です。

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著者プロフィール

中丸美繪

茨城県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本航空に5年ほど勤務し、東宝演劇部戯曲研究科を経て、1997年『嬉遊曲、鳴りやまず――斎藤秀雄の生涯』で第45回日本エッセイスト・クラブ賞、2009年『オーケストラ、それは我なり――朝比奈隆 四つの試練』で第26回織田作之助賞大賞受賞。他の著書に『杉村春子 女優として女として』、『君に書かずにはいられない――ひとりの女性に届いた四〇〇通の恋文』『日本航空一期生』(令和2年度芸術祭参加作品・テレビ朝日「エアガール」原案、中公文庫)など。

「2022年 『鍵盤の天皇 井口基成とその血族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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