- Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102185018
感想・レビュー・書評
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高校生の時に読んで感銘を受けた一冊
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幼き日のチャップリン、喜劇王はどのようにして生まれたのか。ユーモアを交えながらと赤裸々な少年時代をつづっています。どうぞ、お楽しみください!
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どん底から這い上がる人は才能だけではなくてなにかの縁と言うか、運があるものです。
全一巻かと思ったら「若き日々」という事で三分の一の部分だった。
残りもあれば読んでみたいが、極貧生活からスターダムにのし上がるこの本の部分が一番面白いのかも知れない。 -
チャップリンの奇才さを見せつけられた。才能があるというだけじゃなくて、勇気があるから成功できたのね。
少年時代は想像もできない貧しさと苦しさの中生きていたようだが、それが、成功するまでの勇気の決断のもとになったようにみえる。
心に残った一文は以下。
「運命の女神たちが人間のそれを決定するとき、そこには憐憫もなければ公平感もない。」 -
本書は、1966年に翻訳刊行された『チャップリン自伝』のうち、前半3分の1の英語版が“My Early Years”として再度出版されたことを機会に、1981年に『チャップリン自伝~若き日々』として刊行されたもの。
チャップリンは1889年にロンドンで生まれたが、本書に描かれた、第一次世界大戦前後までの前半生は、当時のヨーロッパの様子と、その後制作される数々のチャップリンの映画の特異性の背景を知る上で、非常に興味深いものである。
チャップリンは、ともに寄席の舞台俳優である両親のもとに生まれたが、1歳のときに両親が離婚したことにより、以降、母親のもとで育てられた。そして、5歳のときに、喉をつぶしてしまった母親の代役で初舞台を踏むが、その後母親は二度と舞台に立つことができず、貧窮生活に陥り、7歳頃には母親は精神に異常をきたして施設に収容された。その後、チャップリンは4歳上の兄と貧民院や孤児学校を渡り歩きつつ、新聞売子、印刷工、おもちゃ職人、ガラス吹き、診療所の受付等々、あらゆる職を転々とする傍ら、12歳で本格的な劇団に参加、その後様々な劇団を転々とし演技のスキルを積んでいった。そして、二十歳頃、名門フレッド・カーノー劇団に入り、同劇団の2度目のアメリカ巡業の際に、映画プロデューサーマック・セネットの目にとまり、25歳頃に映画デビューを果たす。この頃に、山高帽に窮屈な上着、だぶだぶのズボンにドタ靴、ちょび髭にステッキという彼のトレードマークを確立し、その後、世界的なスターへの道を駆け上って行くことになる。
当時だからこそ有り得た波乱万丈の半生とも言えようが、チャップリンの映画が単なるコメディに留まらず、ユーモアの陰にも鋭い社会諷刺や下町に生きる庶民の哀愁や怒りまでもが描かれた作品となっているのは、本書に垣間見られるチャップリンの生来のクレバーさと、幼少期からの様々な体験によるものであることがよくわかる。
依然多くのファンを持つ不世出の映画人の、哀しくも楽しい半生記である。
(2009年11月了) -
【メモ】
・チャップリンとヒトラーは同世代
・ならばヒトラーはどんな生い立ちであったのか興味がわいた
・第一次大戦のときはキーストン社でヒットを飛ばしていた
・幼い頃に貧困の中で理不尽な目にあっても、ユーモアが失われなかったのは、そこに母と兄という「愛」の対象があったからだろうか
・でも貧困から来る憎しみが家族に向く場合もあるだろうから、傷ついた子供がどんな大人になれるのかは人によるんだろうなあ。何がそれを決定づけるのだろう。
・チャップリンの、人生を「冒険とロマンス」と表現するようなところが好き。
・失敗したときも成功したときも、観客を冷静に観察しているところが印象的だった。
・淡々と語られる「冒険」に惹き込まれて読み終わった。 -
まずしく、試練の子ども時代から、役者の能力一つでのしあがる。彼が人を笑わせることができるのは、人生のかなしさも知っているから。
九州大学:たけ -
なぜか読んでみようと思った。
貧しい幼少期から売れっ子俳優になるまで。作品には出てこないチャップリンの素の姿というか、バックグラウンドが良く見えた。
今度映像を見るときは違った見方ができるかもしれない。
後編も読みたい。 -
チャップリンの若かりし頃が描かれており、それは映画で知ってるチャップリンとは別で、この知識をもって再び映画を観ると尚更入り込める気がする。