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オフィシャルコメント
この作品からのみんなの引用
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そのアパートにはいろんな人間が住んでいた。若い独身の勤め人から、大学生から、小さな子供のいる夫婦から、独居の老人間に至るまで、住人の層はばらばらだ。人々は無防備に望遠レンズの視野の中を横切っていった。年代や境遇によって多少の差こそあれ、彼らはそれぞれに生活に疲れ、人生に飽いているように見えた。希望は色褪せ、野心は置き忘れられ、感性は磨り減り、あとの空白に諦めと無感覚がそれぞれ腰を据えていた。まるで二時間前に抜歯手術を受けた人のように、彼らの足取りは重かった。
― 265ページ -
点と点のあいだに線が一本ずつ引かれていく。これからどのような図形がそこのかたちづくられていくのか、牛河にもまだわからない。しかしそのうちに少しずつ構図が見えてくるはずだ。
― 146ページ -
長い時間に培われたものは、それほどあっけなく無の中に吸い込まれたりはしない。父親はこの海辺の療養所の簡易なベッドに横たわりながら、同時に内奥にある空き家のひっそりとした暗闇の中で、余人の目には映らない光景や記憶に囲まれているのかもしれない。
― 62ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(1185レビュー)
ハードボイルド、SF的要素を備えた幻想小説。むろん意図的に挿入された内田百閒の小説がそれを示唆したのだが。
BOOK3からもう一人の主役張りに活躍する牛川に、不思議に好意を抱いていただけに彼を殺してしまう展開にはいただけない。何か別の解決方法が無かったのか。
とても素敵なエンディングでした。私たちは現実と非現実のあいだをさまよう生き物なのでしょうね? 今も昔も宗教がそうであるように、一時的ですが恋愛がそうであるように、今はゲームや映画も同じようなバーチャルリアリティなのでしょう。私たちを非現実的な世界へ導き引き込んでゆく、そこは素晴らしくもあり危険でもある、そう 戻れなくなってしまうこともあるのだから
これで終わりなのかな。と少し残念に思う。
ビッグブラザー的な大きな象徴で記述される存在がリトル・ピープル的により周辺へ偏在化していく。世界のシステムが変わりつつある、ということなのでしょうか。
BOOK1、2は評判につられて買って読んだが、謎が多く盛り上がりもあまり無く読み終わったのでBOOK3は買わずにいたけれど、図書館で借りて読んだら引き込まれました。
BOOK1、2の記憶が薄れた頃でしたがBOOK3は良かったです。
以下雑感。 まったくの幻だと思うことは自由だろう。そこにいくら何らかの意味を見出そうとしたところで、本当の意思なんて当人にしかわからないのだ。だからこそ自由に連想する権利だってそれぞれにある。私には本の中の世界が全くありえないことだとは思えなかった。どこかに「ありそう」なのだ。人はそこに吸い寄せられたのかもしれないとも思う。「ありえないことが起こる世界」に私たちは存在している。そこは希望と絶... 続きを読む »
何かの寓話であることを、作品自身が示唆しているのだが、何の比喩であるのかが曖昧で、どういうメッセージないしは教訓を意図しているのかが見えず、釈然としないまま置いてきぼりにされたような気持ちになる。しかも、著者はかなり確信犯的に、読者を置いてきぼりにしているのではないかと、作品中のセリフから伺える。フランツ・カフカの読書体験に少し似ている。
約1,600ページにおよぶ長編。 村上春樹という作家は「ノルウェイの森」などでもちろん名前は知っていた。 だけれども、なんとなく、感傷的、叙事的、そんな勝手な印象があり、 一方的な偏見で、どちらかというと、女性向けの小説家じゃないだろうか???と、今まで手に取ってこなかった。 読むにあたって、事前情報はほぼゼロ。 青豆と天吾という男女の物語で、何やら月が物語の鍵を握っているそれだけの... 続きを読む »
ひと言で言うと、「現実離れしてるのに、実はものすごくリアル」な物語。
ただ、最後まで天吾の外見がこれまでの主人公とあまりに違っていたので、最後までしっくりこなかった。
やっぱり、見た目優男・・・の方が好きだな。
あと、おなじみキャラの牛河さんの最後はかわいそ過ぎた。
村上春樹という人は、容赦ないなと感じた。
これまでのいろんな物語の総集編のような感じで読んでも面白い。
どの小説とも繋がっているような気がする。
なんだろう・・・最後がすごく意外だった。
いや、特に大きなどんでん返しがある訳ではなく、むしろ想定の範囲内なんだけど。村上春樹にしては珍しいエンディング、といった印象。
青豆と天吾が首都高速の階段を上っていく・・・そして1984年に戻ってくる、というのは意外で面白かった。やっぱり、本当にパラレルワールドのような世界。
噂によるとBOOK4も出るらしいが(真偽は不明)、私はこれでラストで良いかな、と思った。もともと村上さんの本は「伏線が全て回収されてスッキリ!」というものではないし、リトルピープルが何なのかも、他のあらゆるものが何の象徴なのかも、明確な答えを出さずに読者にゆだねてくれた方が良い。
癖があるので苦手、という方も居るだろうが、私はこれで良かった。
やっぱり1回読むだけじゃ分からない。何が何なのか、さっぱり。
早く自分で買って、再読したい。
がんばってみたが挫折します。
私には村上春樹は合わないとよくわかった。
「コレを読み終えるまで新しい本を読まないぞ」と誓ったのがいけなかった。。。
もう1年以上たってる。。。
読書欲が減退する1冊でした。
2巻までで謎だったドウタ、マザ、空気さなぎ、パシヴァ、レシヴァ、リトル・ピープルの詳細や、
ふかえりの今後、年上の彼女のこと、天吾の母親のこと、青豆や牛河の部屋をノックし続けたNHK集金人の意味、
さきがけの今後や、なぜ声を求めたのか、月が2つある理由、なんで牛河まで月が二つある世界に驚いたのかなどが良くわからなかった。
非常に長い物語なので、クライマックスがどうなるかとドキドキしたが、意外にすんなりハッピーエンドで終わってしまった。
読んだあとにはてなが多く残る話だった。
身近に本をよく読む人がたくさんいるけれど、村上春樹の小説だけは読まないと言っていた。
食わず嫌いもいやなので、全巻、読んでみた。
おそらく、もう彼の作品は読まないと思います。
本は好き、...
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