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この作品からのみんなの引用
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おれは、生きてきたというそのことだけで、つねに事を決めていたのだ。決定をする、というわかりやすいところだけでなく、ただ誰かと知りあうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決めつづけてきたのだ。
― 264ページ -
「好きな人が死ぬと、すこし、自分も死ぬのよ」
― 284ページ -
おれは何も決めなかったと思っていた。決めているのは、おれ以外の者たちなのだと思っていた。でもそれは、違っていた。
おれは、生きていたというそのことだけで、つねに事を決めていたのだ。決定をする、というわかりやすいところだけでなく、ただ誰かと知りあうだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決めつづけてきたのだ。
おれが決め、誰かが決め、女たちが決め、男たちが決め、この地球を取り巻く幾千万もの因果が決め、そうやっておれはここにいるのだった。
― 264ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(140レビュー)「長い夜の紅茶」と題した話が好きだ。そんなに仲の良い間でもなかった主婦と姑の距離感が一杯の紅茶を通して縮まっていくのが心地よい。夏の夕方をじっと見つめている母の心境を娘の視点で描く「夕つかたの水」もいい。
東京の、東の方にある、とある下町。
上にカタツムリの殻のような小屋がある三階建てのビルにある魚屋さん、庭先の蛇口でいつも何かを洗っているおばあさん、小料理屋と居酒屋の中間のようなお店のぶどう屋…。
一人一人に焦点をあてながら、時折交差する人間関係。
何でもない日常なんだけど、どこか不思議な感じがするお話だった。
ただただ平坦な日常。
川上弘美の、異質な世界を当たり前の様に描く作風(ファンタジーとは違う)が好きな者にとっては物足りないかもしれない。
読みやすかったけれど。
電車内で最後のお話を読んでいたら、地元駅に着いてしまい
気になった(後味悪いからかも)から駅の外で立って読んだ。
それくらいの、読ませる力がある。
東京の小さな町を舞台に、ささやかだけど自分の人生を生きる人々の話が、少しずつ交じり合いながら、進んで行く。
生きて行くって、こういう事なんだろうな~と思わせてくれる短編集でした。
ちょっと向田邦子さんを思わせるような、雰囲気がありましたよ。
川上弘美さんの本の中でも、かなりの上位に入るくらい好きです。
ひとつひとつの短編、そのなかで生きているひと、語り手が語る人物がまた違う話しで語り手として、重要人物として続く物語。
最初と最後がのはじまりと終わりの締め方が綺麗でよい。
「好きな人が死ぬと、すこし、自分も死ぬのよ。」
――生きているのは、おもしろかったです。死んでからは、もう新しいおもしろいことは起こらないから、ちょっとつまらないけれど、捨てたものではなかったです、あたしの人生。
ある町を舞台にした短編集です。
同じ町に住んでいるので、他の短編で見た人が、他の短編でもちょっとだけ出てきたりして、同じ町だからすれ違うこともあるんだなあと思いました。
このごろ読んだ川上さんの本は主婦目線のものが多くて、もちろんそれも好きなんですけど、この短編では色んな年齢の男性も女性も主役の話があって、久しぶりに男性目線の話を読んだので新鮮に感じられて面白かったです。
不運が重なって仕事を4回もやめてしまった男が主人公の蛇は穴に入るという話が一番好きです。
短編だからなのか、いつもの感じとは違っていて(具体的にはうまく言えないのですが、いつもよりさらに淡泊かつ条件反射っぽい人が多い)面白かった!
連作短編集。
同じ町にいろんな人が生活している様子が丁寧に描かれていて、読んでるうちに、そんな町が本当に存在しているような気がしてきました。
各話で語り手としての主人公が変わりますが、中には男性が主人公の話も。
川上さんの作品で男目線の話は見た事無いので、かなり新鮮な気持ちで楽しめましたー
連作短編が大好きなんです。
誰にでも物語はあるんだ、って考えると楽しくなりませんか。
たとえば電車の移動中、前に座った人の性格とか、好きな音楽とか、色々想像してしまうような。
久しぶりに読む川上弘美さん。
川上さんの「センセイの鞄」は大好きな本のひとつ。
ん〜、やっぱりなんとなく独特の雰囲気。
舞台はとある町。
そこに住む人々の話が、一話ごとに主人公を変えて綴られている。
何気ない日常なのだけれども、このふわふわ感。
川上さんのふわふわ感は、江國さんのようなふわふわ感とは全然違う。
でも、ふわふわというか、ゆるゆるというか。
そしてなんか四次元との境目がなくて、気付くと向こう側にいる。
なんて、不思議。
でも、読んでるとなんかそういうものなのかな〜と思ってしまう。
そのままを受け入れてしまうからまた不思議。
著者の他作品に比べればまぁ読めるほう…。
予備校の屋上で自殺未遂した子が主人公の話を読みたかったが、
無かったので残念。
傾向からして存在しても良さそうなのに…。
すごい事件や出来事が起こるわけではないのにドラマを感じる連作短編集でした。登場人物たちは一見平凡な、静かな毎日を送りつつ、正視しにくいような生々しさを垣間見せ、落ち着かない気分にさせられました。タイトルがしっくりきました。
こういう「繋がっている」話、好き。ただ、こんな本ばっかり読んでいるから、「結婚」とか考えられなくなるんだろうと思う。本当はもっと、簡単なことなのかも知れないのに。
ところどころ気づかずに終わってしまった伏線、というか、人物同士の繋がりがいくつかあって、自分の読み込みの浅さを実感しました。オムニバス形式のものを読むといつも、自分がいかに適当に文章を追っているかが分...
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