- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150305666
作品紹介・あらすじ
降旗少尉以下、3名の首都圏情報防衛軍団兵士が遂行する作戦名は"マタタビ"作戦。首相の行方不明になった愛猫を捜し出せ、というものだ。ただしその猫は、脳にひじょうに貴重な情報が入力された、人類の存亡を決する猫なのだ。3名はなんとか目標の猫を発見したものの、コンタクトしようとして、失敗。しかも、本部との通信は不能となってしまった。現在地不明のここは、すでに死後の世界なのか?俊英が描くSF長篇。
感想・レビュー・書評
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SF。死後の世界。仮想現実。
独特の雰囲気が漂う幻想小説。
登場人物の会話が、どこか緩くて癖になる。
ストーリー的には面白さがよく分からず。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは面白い
最初と最後は特にいい
解説の「世界はそこにそう見えるようにあるわけではない」
は同感です -
死して咲く花、実のある夢 (ハヤカワ文庫JA)
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39:これぞ神林文学! と夢中になって読みました。でも難しい……(笑)。 ちゃんとした死、という概念は「ラーゼフォン」のノベライズに通じるものがあるし、チャネリング・ヘッドは「Uの世界」や「小指の先の天使」その他各作品に通じるし。こうして見ると、神林先生のテーマとそのアレンジ力ってすごいですよね。(今更)
とはいえ、内容を理解できたかと言われると、たぶんあと三回くらい読まないと無理、としか……。 -
すごく不思議ででも泣きたくなるくらい綺麗な世界にひたーっとひたれる作品。この不条理差は絵本的世界観に近いのかも。たむらしげるさんにクジラ書いてもらいたい(笑)
最後の終わり方が好き。 -
1996年購入。実家書棚にて発掘。読んだはずなのに覚えていない。再読始めてのめりこむ。
・頭の中に読みたい形ばかりがあって受け付けなかった
・つまり敵は海賊的なものを期待した
・用語が難しすぎてついていけず全く理解できなかった
(当時すぐ検索できる便利な箱や板は無かったし調べる努力をする意志も欠落していたダメ人間だった)
読み手が未熟だと作品が迷惑する よくわかるね
読了
いやあ・・・すごい
もう何周か読める気がする
余韻に浸っていたい。
※エントロピーとは乱雑さの度合い。
熱力学とか統計学とかようわからん(SF読む癖に!)ですが
例えば人が暮らす、結果部屋が散らかっていく(エントロピーが増大)
だが、人は適度に部屋を掃除し片付ける(エントロピーの縮小)
人が生きる、記憶や思い出など雑多な脳の情報はどんどん増える一方(エントロピーが増大)
このケースの縮小とはつまり。 -
死んでると生きてるの間?ばっちり神林流哲学SFなんだけど、情報軍の3人がそれぞれすごくいいキャラで、難解でもどんどん読めてしまった。おもしろかった、そして再読必須。
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神林先生の著作で一番好きな作品です。
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猫特集の資料として読んでいたけれども、純粋に面白く読めた。SFとは少し定義が違う気がするけれども、モチーフがSFなのでそれはそれでいいのかな。仮想世界と死の違い、人間の意識は死んでも存在するのか、など色々考えさせられた。三人の掛け合いがクスクス笑えたり、ニヤッとしたり出来てよかった。
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意識による世界認識への懐疑から、シュレディンガーの猫を彷彿とさせる形而上的なサイエンスフィクション兼哲学論でした。
死ぬということをコミュニケーション=情報伝達ができなくなっている状態と定義しながら、我々は果たして死んでいるのか、あるいは生きているとはどういうことか、脳と意識はインプットとアウトプットではなく受信機と電波のような形ではないか、と論を積み上げていくお話ですが、三者三様の納得の結末を読んで、なぜメインキャラが性格の異なる三名であったのか、猫が三匹なのか腑に落ち、そこまでの見事な組み立てに感動を覚えます。
彼岸を渡るということは、メメント・モリ(死を想え)というように、生きていることを考えることと表裏一体であり、究極的にら集合的意識に戻り溶け込むことであるのかなぁと少し安心し、それ故、死ぬ前にはまた読んでみたいと思います。