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この作品に関連する談話室の質問
みんなの感想・レビュー・書評
(37レビュー)
人間の脳がいかに可塑的で適応能力があるかをわからせてくれる本。脳の障害はある意味で突然変異と同じ意図で人類がわざと発生させているのではないかとさえ思わせる。ひとつの短所は長所と裏返しでしかなく、その意味で知的障害は当人にとっては大きな苦痛を与えるが、人類の長い歴史にとって必要なことなのかもしれない。
火星の人類学者ではもし人造人間が出来たら彼女のようになるのかもしれないと少しぞっとしたが、そのような彼女に対して著書と同じように抱きしめたい感情になった自分に複雑な思い。
本書の症例は特殊な状況ではあるが、あとがきにもあるように、じつは「人間が置かれた普遍的な条件」を拡大させて見せているにすぎない。彼らの置かれた状況は我々の人生にもより緩やかな形であらわれているのである。
脳神経科医が自分の患者を1人の人間として向き合う様子を綴った本。まず、それぞれの患者の症状に人間の脳の不思議さを感じるとともに、生きること、人としての尊厳について考えさせられた。つい障碍者と健常者という区別をつけてしまうけど、でも結局、自分が生きる幸せってなんなんだろう。
作者は、映画「レナードの朝」の原作者で、神経科医。著者が
様々な障害をもつ7人の患者を語ったエッセイです。
色盲、自閉症、健忘症、トゥレット症候群など、神経学的異常
を有する人たちがもつ個性と、独自の世界感、そしてその
多様性と(常人にはない)才能を、あたたかく見守り、優しく
語っています。その世界感がどのようなものかは、本を読み
ながら想像するしかないのですが、その仮定において、人間
の奥深さを感じずにはいられません。
先日読了した「動物が幸せを感じるとき」の著者であるテンプル・グランディンの話が載っている事を知り、読んでみた。非常に興味深いが、扱っている内容が内容だけに、重苦しさもあり。ただ、最後の「火星の人類学者」の章で取り上げられるグランディンが、著者とのインタビューを終える際に語った言葉に胸を撃たれた。「火星の人類学者」だけなら星5つだけど、その他の重苦しい感じで、星一つ減らして星4つということで。
大切な人がプレゼントしてくれた本。
私はトゥレット症患者なので、「トゥレット症候群の外科医」の章は大変興味深かった。“めがねを百ぺんも中心にくるようになおしたり”、という行で、解りすぎるよそれ!私もやるよ!とつい笑ってしまった。
理解し難い人々を、ユーモアで包みながら理解したいと願うオリヴァー博士の視線は温かい。
この人の著書は初めて読んだが、事実の羅列ではなくストーリーとして出来上がっているので比較的読みやすく感じた。この作品は、様々な症例を持つ患者さんにスポットを当てており、中でも「見えるけど見えない」は個人的に目に鱗であった。ああいった患者にとっては、「見えている」ということが必ずしも「理解できる」、ということに繋がらない事実に驚き、それを当たり前のように行えている健康体な自分に感謝である。
私は、アイデンティティ=私、という図式を勝手に作り上げていたんだけど、どうも違うような気がしてきた。アイデンティティはただの眼鏡で、まなざしの本質は眼鏡の奥にある。そこまで考えて、まなざしの本質は本当に私自身であるのか、そこに根拠が見当たらなくて、少し怖かった。
脳神経科医オリヴァー・サックスによる短編エッセイ集。 やはり出色は表題の「火星の人類学者」だ、とおもう。 印象的なのは、自閉症のテンプル・グランディンが、神や宇宙を極めて具体的な何かとして捉えていることで、たとえば彼女にとって「天国の扉」とは屋上へ通じる扉であったりする。 また彼女は豚や牛といった家畜の気持ちはよく理解できる。しかし霊長類の気持ちはまったく理解できない。適切に行動すること... 続きを読む »
レナードの朝、で有名なオリヴァー・サックスさんからこちらをチョイス。
今から10年以上前の本だけれど、内容はそんなに古臭くは感じない。
読み物としてそれなりに面白いので、入門書としても良いと思う。
物語風に綴られていて、事実の羅列のようなノンフィクションとは異なる。
世界の認識が揺らぐノンフィクション。
サックス博士は「レナードの朝」「妻を帽子と間違えた男」で有名ですが、愛情と知的好奇心のバランスが良いのはこのあたりではないかと。
テンプル・グランディンさんのことを知り、彼女が
「世界一有名なアスペルガー症候群の人」
ということになってるそうで、検索すると
この本に行き着きました。
アスペルガー症候群よりも高機能自閉症らしいんですけどね。
これはほんとに良く出来た医学ノンフィクションだった。内容忘れたら訳者のあとがきにうまいまとめがあるので、それを参照してほしい。一応一言でまとめておくと、以下の7つ。?色盲になってしまった画家の話?記憶が1960年代で止まって更新できなくなってしまった男の話?トゥレット症候群(チックのような行動や発言をしてしまう病)の外科医の話?40年全盲だった男が視力を回復した話?少年時代を過ごした村の記憶がとめ... 続きを読む »
オリバーサックスって有名ですね。けれど、本自体は初めて読みました。
脳に障害があってもそれを補ってあまりある才能あふれる人を取り上げて、彼らのすばらしさをやさしく包み込むように書き上げていく文章。
春休みに読んで、心が穏やかになりました。
すべてが白黒に見える全色盲に陥った画家、激しいチックを起こすトゥレット
症候群の外科医、「わたしは火星の人類学者のようだ」と漏らす自閉症の動物
学者…脳神経科医サックスは、患者たちが抱える脳の病を単なる障害としては
見ない。それらは揺るぎないアイデンティティと類まれな創造力の源なのだ。
往診=交流を通じて、不可思議な人生を歩む彼らの姿を描か出し、人間存在の
可能性を謳った驚きと感動の医学エッセイ。
「図書館には不死が存在すると読んだことがあります。
わたしが死んだらわたしの考えも消えてしまうと思いたくない。
権力や大金には興味がありません。
なにかを残したいのです。
自分の人生に意味があったと納得したい。
今、わたしは自分の存在の根本的なことをお話しているのです。」
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