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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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君はひとりぼっちだ。これからもおそらく。しかし、ああ、どうか、きみがそれに気づかずにすむように。
― 326ページ -
「人間なんて、まあ、そんなものよね。しがみついてた方がいいのに、投げだしちまったり、ほっとけばいいのに、引き受けたり。人生が本当と思えないくらい、美しく感じられて、うっとりしているかと思うと――たちまち地獄の苦しみと惨めさを経験する」
― 26ページ -
ロドニーは疲れ切った、やさしい目で妻をつくづく眺めやった。
朗らかで、有能で、せわしげなジョーン。自分に満足し、割り当てられた役割を巧みに果たしている。せいぜい二十八歳ぐらいにしか見えない、あいかわらずの若さだった。
突然こみあげた激しい哀憐の思いに揺さぶられて、彼は切ない気持ちで呟いた。
「プア・リトル・ジョーン」
― 325ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(98レビュー)
人間の愚かしさ。
人生をみつめることなく生きてきた主人公が、
自分のホームから離れたことで自己を見直す。
で、終わらないところがクリスティ。
人間は変らないってことか。
コワイ。
クリスティの作品で特に好きなもの。
フランソワ・オゾン監督が映画化してくれないかなと思っている。
自分がいくつの時に読むかで、恐いと思う箇所やより感情移入する人物が変わっていくと思う
アガサ・クリスティの怖いくらいの冷徹な視線が印象的だった。ともすれば救われてもいいような展開なのに、あくまで人間の愚かさを描き抜いている。
また後々読み返したい。
前にNHKでクリスティーを特集した番組をやっていて、代表的なクリスティー作品を3作を取り上げてたんだけど、この本はその三冊のうちの一冊でした(その他は「そして誰もいなくなった」、「オリエント急行殺人事件」・・だったかな)。クリスティーといえばマープルやポアロというミステリものだったし、あまりぴんとこなかったので興味はあまりわかなかったんだけど、読んだばかりの友人が熱烈にすすめてきたので、この夏手を... 続きを読む »
ジョーン!あなたは本当にもう!!
…という感想。こわい話でした。
砂漠の真ん中でせっかく今までの自分を省みることができたのに、
懐かしいイギリスに帰ってくるなりそれをまた頭から追い出し、
今までと何も変わらない“poor little Joan”に逆戻り。
いや、それはすごくリアルで小説としてはいいんです。
あそこですんなりジョーンが変わってしまったら、
現実はそんな甘くないよってきっと感じたと思うんです。
でも、でもさぁ…。
自省って大事。
逃げちゃだめ。
難しいけど、自省せず現実から逃げてた方が楽なときもあるけど、
それでもジョーンみたいには、絶対になりたくない。
解説の通り“苦い切ないバイブル”です。
心に深く根付いてしまった哀しさと間違いに気付いてしまった時…。 この物語は言葉にしたら消えてしまいそうだ。 心で感じるものが多く読み終わった後の余韻も深く根付き続ける。 私が出会った数少ない本の中で好きな作品には必ず入る。 実質的な貧しさや哀しさではない。 精神的な貧しさと哀しさを描いているこの物語は、人間が持つ哀しい本能を流れるように綴っている。 アガサ・クリスティーは推理小... 続きを読む »
沙漠で逃げ場なく追いつめられ、やっと真実と向き合うことが出来たのに、元の生活に戻れば全てが幻。
自己満足の世界の中で幸せに暮らす妻と、それを冷たく優しく傍観し続ける夫。「かわいそうな・リトル・ジョーン」。お嫁入り前に読んでみてもいいかもしれない。
とても恐ろしい本だった。
そして、なんというか、どうしようもなさに足がどこも歩けないような気さえしてくる。
自分と照らし合わせずに読めるようになりたい。
というか、この感覚すら超越したい。
「そんなこともあるわよね」とか言えるようになってみたい。
でもきっとそんなのはずっと無理で、自分はいつも何かを恐がるだろう。
自分を直視した時に、自分を好きでいられるはずなんてない。
「自分を好きになろう」とよく言うけど、それは「受け入れる」の間違いだ。
「きらい」なら「きらい」なりに自分を受け入れなくては。
さもなければ死を。
そういうことじゃないだろうか。
なんのフィルターも無い時に。
自分は自分を見ることができますか。
On 2011/05/07, at 18:37, ヤマグチ トモコ wrote:
> こんにちは。
> booknaviでいつもお世話になっている山口です。
>
> 本日のナビで紹介したアガサ/クリスティの「春にして君を離れ」のブックコードをお送りします。
>
> 感想:今日は少し涼しかったのですが、次回はどうなるのかしらと
>
>
> 以上、よろしくお願いいたします。
>
イギリス人の女性が、バグダッドからイギリスに帰る途中、足止めに遭う。
女学校時代の同級生との会話から自分の人生を振り返る。
今まで、よき妻として家庭を、夫を、子どもを私の手なくしてありえなかった。
その自分に気づいたとき主人公が達した結論とは。
「向き合うこと」、それを教訓として刻みたい作品でした。
物語内で起きた出来事と言えば、バグダッドからイギリスへの帰途に足止めにあって、砂漠の真ん中で五日間過ごしたのちに、イギリスに戻る、というだけ。
これが全てである。
足止めされたジョーンの連日の自問自答こそが、この小説の中心である。
これまでジョーンの送ってきた人生は成功そのものであった。
弁護士である夫を支え、三人の子どもも独り立ちし、そしてそれは何よりも自分の支えがあったこそだと疑うことはなかった。
だが五日間何もない場所に閉じ込められ、これまで人に言われたこと、されたことの一つ一つを丁寧に思い出していくうちに、その考えは脆くも崩れていく。
果たして本当に自分は相手を思いやってきたのか―
自問自答の末にイギリスにようやく戻り、ジョーンがとった行動とは何であったか。
ラストのぞくぞく感はこの本ならではのもの。
私の父が、この主人公とそっくり。
子どもとしては、言っても無駄だと思って黙ってきた。
別に悪い方向へ導かれた訳でもないし。
でも、自分の人生を決められたような不満を持ってきた。
物語の最後...
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

