少しだけ欠けた月 季節風 秋

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163273907

感想・レビュー・書評

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  • 優しい短編集

  • 四季4部作が図書館に並んでいて、ずっと気になっていたけれど、秋なので秋の1冊から手をつけてみた。
    短編12編。
    オニババと三人の盗賊/サンマの煙/風速四十米/ヨコヅナ大ちゃん/少しだけ欠けた月/キンモクセイ/よーい、どん!/ウイニングボール/おばあちゃんのギンナン/秘密基地に午後七時/水飲み鳥、はばたく。/田中さんの休日

    時代の流れや、寄る年波や、持って生まれた環境や、暮らしていくうえで離れていく家族や、働く辛さや、すれ違い、擦り減りゆく日々の暮らしやら、、、

    どこかに自分がいるような話ばかり。これはまた季節ごとに全刊読まなきゃな。つぎは冬になったら、また冬の1冊を読んでみよう。

  • 娘の塾の国語の問題で、「ヨコヅナ大ちゃん」が取り上げられていて、課題を読んだだけじゃわからなかった背景が、人肌の温度のように物語から伝わる。娘も一気に読み切った、温かな短編集。

  • 重松清作品 17作品目。
    短篇集「季節風」シリーズの秋。秋を感じる12篇。

    秋は、白秋。収穫の秋、味覚の秋、残暑から台風、そして冬への準備の季節。人生でいれば、定年退職から老後に該当するか。充実していればよいが、不安があれば切ないのも、秋。

    『風速四十米』、『キンモクセイ』:老いた親を見舞う物語と、妹家族と同居するために引っ越す物語。決して明るいものではなく、辛く切ない。そして、圧倒的に敗北感しかない。一行ごとに気持ちが溢れてきて、切なすぎて、読み進めませんでした。きっと、田舎を飛び出してきた者は、後悔と無力感に圧し潰される。「ありがとう」と「ごめんな」という言葉と共に。
    「勉強ができる子は、故郷の田舎町を出ていってしまう。優秀であればあるほど、進路は故郷から遠ざかってしまう」が、痛い。

    『水飲み鳥、羽ばたく』:部下のミスに謝る上司の姿。只管、コップの水を飲み続ける(謝り続ける)水飲み鳥。いつか、大空に羽ばたく日が来ることを一緒に祈っていた。

  • しとしとと、降り続く秋雨のように、涙がこぼれ続ける。
    静かな時の移ろいを感じさせてくれる作品。
    秋の夜長にぴったりな、体の中から温めてくれるような物語たち。

  • 感動

  • 【あらすじ】
    静かな、静かな、ひとりぼっちの月。ぼくたちは明日から、もう家族じゃない。澄んだ光に満ちた秋が、かけがえのない時間を連れてくるものがたりの歳時記―「秋」の巻、12編。

    【感想】

  • 24/136

  • いつもながら色々と考えさせられる。
    懐かしいような甘酸っぱいような。
    水飲み鳥、なぜかちょっと懐かしかった。

  • 友人からおすすめされて読みました。
    どれも切なくて、でも胸が温かくなりました。
    心にこみあげてくる話ばかり。
    「少しだけ欠けた月」と「田中さんの休日」には泣かされました。このシリーズいいな。他のも読みたいです。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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