ネット起業あのバカにやらせてみよう

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163566504

作品紹介・あらすじ

自己破産!暴力団金融から監禁!幾多の試練を乗り越えて巨万の富と夢を掴んだ男と女。ベンチャー、10年の青春の軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 2020年代のIT系トップの方々が少し出たりして、読みやすい本

  • Amazonやメルカリだと10,000円〜で売っている一昔前の本。印象に残った人はKlab真田さん。「IT企業=スマート」なんてイメージもある?かもしれないが、とにかく泥臭くひたすら行動していた。そして、絶対に諦めない。実家を担保に入れてローンを組んだり、とにかく背水の陣で攻めまくる。他にも、様々な経営者の泥臭いシーンばかりが登場し、読み応えがあった。根っからの起業家はいわば「マグロ」と一緒で、止まると具合が悪くなって死んでしまうのかもしれない

  • 日本におけるインターネット/モバイルネットのベンチャーの盛り上がりの原点はダイヤルQ2にあった。

    ソフトバンク、光通信の次の世代として、伝説のリョーマ、後にヤフージャパンの中心となる電脳隊、GMOになるインターキュー、そしてビットバレーのライブドアとサイバーエージェント、破綻したハイパーネット、そしてiモードへ。

    日本のインターネットの歴史史実小説としてとても読みやすく良い一冊です。

  • 現在ネット企業のトップを務める人たちが主役。彼らの1980年代後半から2000年前後までの起業時代を描いたノンフィクション。いやしかし、もうネットが登場した頃の話は「歴史」なんだなあ。ある意味、これはネット業界の「歴史書」。戦国時代や明治維新が好きな歴史ファンにはぜひお薦めしたい。

  • http://www.nin-r.com/uneisha/netbaka/

    ビットバレーはネットベンチャーの相互扶助組織というメタ・レベルの「場」であった
    (プロローグ)

    ビットバレーの効果は、従来の日本の企業文化からはみ出たネットベンチャーが、ネットビジネスに関して大企業に大きく先行し、「ネットを使った起業」と、その特性を反映した新しいビジネス文化を確立したこと。社会経験のない者でもメインプレーヤーとして活躍できる新しい土俵をつくることで、これから社会に参画していこうとする若年ビジネスマンや学生たちの、組織や社会に対する参画意識を根本からひっくり返したことにあるだろう。ここにはまったく新しい価値観の萌芽がみられる。渋谷を震源地とした地殻変動は未だに鳴動を続け、全国に拡がりつつある。(第3章 インターネット市民革命前夜 市民革命)

    インキュベーターというのは、要するにアイデア工場である。代表例としてアイデアラボを挙げることができる。
     同社は96年設立。ロサンゼルス郊外のパサディナ市にある。創立者のビル・グロスは、ソフト会社を2社起業し、2社とも大手企業に売却して巨額の資金をつくった上で、ネットビジネスだけを創業支援するアイデアラボを起業した。支援という意味だが、それはもうありとあらゆることを180度手助けするわけである。

    次に登場するのは、ネットエイジ社長の西川潔である。彼は「週刊ネットエイジ」というメールマガジンを4000部発行しており、このインフラ上でビットバレーの概念が爆発的に拡がった。(理想の会社なんてない)

    西川は95年頃から妻と2人でパソコンを教える学生家庭教師を派遣するというビジネスを「ホライズン」という名で始めていた。学生はニフティサーブ(パソコン通信ネット)の掲示板に書き込んだり、秋葉原の街頭でチラシを配るなどして、優秀な者たちを最盛期には500人も集めることができた。彼らを使ってパソコン家庭教師以外にも、オフィスのパソコン100台の引っ越しと再設置を請け負ったりしていた。

    MBAの会
    http://www.nin-r.com/uneisha/netbaka/305.html

    この会は、アメリカ直輸入のベンチャー文化が情報共有される貴重な場となった。

    95年のインターネット元年以来、日本のインターネット人口は累増的に拡大し、この時期までに1000万人を越えていた。そのコンテンツを供給する学生企業群は、たいてい代々木から渋谷、恵比寿、六本木あたりに偏在していた。まともなオフィスビルには相手をしてもらえないので、マンションオフィスである。彼らは24時間働くので、個別空調のマンションはかえって好都合なのだ。オフィス立地のないところとなると、自然とそのような分布になるのだ。その中心に位置するターミナルが、渋谷であった。

    第4章 誕生 ビットバレー
    ビターバレー構想
    http://www.nin-r.com/uneisha/netbaka/401.html

    ビットな奴らの(アトムな)飲み会
    http://www.nin-r.com/uneisha/netbaka/402.html

    3月11日、ネットビジネスのノウハウを掲載する数少ない媒体として関係者に支持されていたメールマガジン、『週刊エットエイジ』30号のネタに困っていた西川は、小池の了承を得て「ビターバレー構想」を転載し、それに続けて「ビター・バレー宣言!」を起草。メーリングリストへの参加呼びかけ文をつけて発信した。(ビターバレー宣言!)

    最初のビットバレーのメーリングリストはネットエイジのサーバーで運営していたのだ。

    西野と松山はVCの本音の意見をきく「ビットキャピタルの会」なども運営していた。VCの若手担当者を招いて、「VCはネットベンチャーを出資対象としてどう考えているのか」と尋ねると、ベンチャーキャピタリストたちは、「俺はすごく出資したいと思うんだけど、上司がネットについて理解できないので、お金は出ませんよ」という情けない答えが返ってきた。まだまだネットベンチャーに対する世間の認識は、薄いというより無視に近かった。

    それでね、9月の初めに奥入瀬渓流に行ってきたんですよ。会社を辞めてから初めて、一息ついた瞬間でした。
     奥入瀬は十和田湖の水が青森県側に流れ出すところにある14キロメートルほどの渓流です。そして、僕はここが日本で一番きれいなところだと思っているんです。
     その理由というのは、あそこには京都の庭園を20個くらい一度に回ったくらいの自然が作った箱庭的な景観があるからなんです。何が面白いかというと、あの景観をつくっているのは十和田湖から来る水の流れ、風、雨、気温、日差しといった、外的条件がまずあって、そこに植物が生え花が咲き、カワセミやら日本カモシカやらがやってきて、それらがつくってきたものなんです。
     そうして自然にできた景観なのに箱庭になるのはどうしてなのか。それは実は逆でして、庭のほうがあれをマネしているわけです。
     奥入瀬の自然がつくった箱庭が表現しているものはいったい何なのか。
     それは、「そこにあるものを、あるようにならしめているものは何なのか」ということについて表現しているわけです。つまり真理を表現しているわけ。時間が経つにつれて自然がつくり出していく造形は、「ものごとがこのようにあるのはなぜなのか」ということ、即ち「ものの理」を表現しているわけです。
    (解題 『ネット起業!』 田中裕士vs.岡本呻也9 ●川の流れのように)

  • 160715読了

  • インターネット黎明期の熱い鼓動が伝わる、胸揺さぶられる内容。今やスターのあの人に、こんな青臭く苦しい過去があったとは、とまともなレビューもたまには書いている。とりあえず面白かった!

  • 堀江貴文氏が逮捕されたとき、1つの時代が終わったと感じた。
    そして、もう日本にはそのような時代は当分やってこないだろうと暗澹たる気持ちになった。

    子どもの将来の夢がで一番人気なのは、公務員だという。
    公務員が悪いわけではない。その理由があまり好ましくない。

    「安定しているから」という理由。
    安定からはイノベーションは生まれない。
    イノベーションがない経済。イノベーションがない国家。
    若者が安定ばかりを目指している日本は経済的に2流へ転落するだろう。

    --気になった言葉--
    そうしたリスクを取る勇気をもったベンチャー起業家たちを、私は冷笑的に眺める気にはどうしてもなれない。たとえ大きな失敗をしたとしても、彼らは新たな価値をつくることに挑戦したのである。利便を受益するのは消費者である。ならばそうした人間や新ビジネスへのトライの回数を増やすことは社会の前進にとってプラスなのではないだろうか。
    ベンチャー起業家はなぜ会社をつくるのか。私の見るところ、彼らがビジネスをやる最大の動機は、「自分の正しさを証明するため」であろう。起業は彼らにとっての自己表現の方法なのである。

  • Q2~iモードのサイトを作る流れがおもしろい。
    利益の構造が変わっていない。

    いきなりキャリアと直談番できる行動力は学ばなきゃとおもった。
    すごく泥臭いし、強引だけど、手法として見習うべきものがある。

    やはりどれだけその市場が大きくなるかで、
    会社の運命は決まるんだなー。

    それにしても今でも登場人物がこの業界で上にいるって、
    どれだけこの世界せまいんだろ。

  • やる気が出る本だった。

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