新装版 鬼平犯科帳 (12) (文春文庫) (文春文庫 い 4-63)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142643

作品紹介・あらすじ

若き日、平蔵と左馬之助は高杉銀平道場の竜虎といわれ、もう一人又兵衛を加えて三羽烏とも呼ばれたものだった。それから幾星霜…盗賊となった又兵衛、火盗改方の長官・鬼の平蔵、二十数年ぶりの凄絶な対決を描く「高杉道場・三羽烏」。彦十に五郎蔵、粂八の元・本格盗めの男たち、いまはお上の手先だが興が乗り、〈昔とった杵柄〉に話がまとまってしまう「密偵たちの宴」。ほか「いろおとこ」「見張りの見張り」「二つの顔」「白蝮」「二人女房」の七篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ半分の折り返し地点、12巻です。読む本がなくなったら兄の蔵書から少しずつ読んでいるんですが、折り返しか…と少し寂しくなる。
    鬼平さんの信頼する密偵たちが昔取ったナントヤラで盗みを企てる「密偵たちの宴」が面白かった。思えば最強クラスの元盗人たちが集っているわけで、本気でやれば簡単にできてしまいそうだけど、それを実行してしまうと鬼平さんを裏切ることにならないかい…?とヒヤヒヤした。しかし、鬼平さんにはすべてお見通しなのであった。さすがです!最後、馬鹿な企てをした男たちにくだまいてるおまささんが可愛い(笑)
    フリー・ランサーの盗人という時代小説にはなかなか登場しないワードが出てくるのがまた面白い。

  • 鬼平犯科帳 (12)

    鬼平さんの活躍に欠かせない密偵達。彼らも“元・盗賊”という事で、〈昔とった杵柄〉で盛り上がってしまう、「密偵たちの宴」。密偵達の台詞のみのやり取りが、読んでいて自分もその宴を覗いているような気分になりました。それにしても、すべてお見通しの鬼平さん。恐るべし。
    そして、鬼平さんの息子・辰蔵さんも登場する「白蝮」。
    “女好き”なお気楽同心・忠吾さんでさえ、辰蔵さんの女性趣味には若干引き気味になっているのが笑えます。この話では、凄腕同心・沢田さんが過去敵わなかった女性が出てきますが、なんとなく、沢田さんには幸せになってほしいと思ってしまう私です(あ、小柳さんも)。

  • 「いろおとこ」というよりも女癖
    「高杉道場・三羽烏」後付け感バリ2の3人目
    「見張りの見張り」密偵が密偵をつけたりする
    「密偵たちの宴」おまさ、キレる
    「二つの顔」素人女の遊び場が
    「白蝮」女剣豪盗賊
    「二人女房」軍兵衛、活躍

  • ※読了2回目と思われる
     売却済み

  • 2021.5.29 再読

    いつもの感じですが、
    最後 平蔵さんの調子がよくなさそうで
    心配です。

    あと 昔 盗賊でいま 平蔵さんに
    密偵として大活躍のお馴染みメンバーが
    企てる話は 面白かった!


  •  池波正太郎 著「鬼平犯科帳 12」、2000.8発行、7話。本巻は、やや盛り上がりに欠ける気がしました。

  • 密偵たちの宴。
    四つほどの重箱には、軍鶏を酒と醤油で煮つけたものや、蕨の胡麻あえや、豆腐の木の芽田楽などが詰めてあり、大皿には鯛の刺身がもりつけてあった。
    なにげない料理のシーンにも、心惹かれるのが、また鬼平の魅力でもある。

  • いろおとこ
    高杉道場・三羽烏
    見張りの見張り
    密偵たちの宴
    二つの顔
    白蝮
    二人女房

    「見張りの見張り」宗平が昔なじみの長久保の佐助と再会。五郎蔵を尾行する佐助をさらに伊三次が尾行するという面白い図。
    「密偵たちの宴」前からこの話は好き。今までにも足を洗った盗賊が血が騒いで再び…というのはあったけど、今回は平蔵に仕える腕利きの密偵たちの腕試し。せりふのみのシーンが新鮮で、最後のおまさの独白に笑ってしまう。
    どちらもやっぱり平蔵には敵わないという印象。
    「二人女房」高木軍兵衛の再登場。

  • 間違ってはいけない。誰も盗みを肯定してはいない。
    密偵として働く彼らはなおさらだ。間違ってはいけない。思い上がってはいけない。
    犯罪は許されないのだ。

  • 本シリーズの半分を早くも読了。途中の巻の感想と重複するが、読者を飽きさせない話の運びには感嘆の念を覚える。「見張りの見張り」と、読メユーザの評判が良い「密偵たちの宴」は、その密偵たちの挙動にハラハラした。時折、江戸切絵図本を引っ張り出して、物語の舞台をトレースしようとするのだが、なかなかに広範囲な足跡で追い切れず、再び『鬼平』のみ読むという有様。江戸の人の健脚、火盗改メの役目の大変さを感じる。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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