水底の光 (文春文庫 こ 29-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167542061

感想・レビュー・書評

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  • ドロっとした要素が多めな短編集でした。どれもなんか鬱屈とした雰囲気なのですが、それぞれに美しさがあり楽しめました。

    最後の「ミーシャ」はちょっと寂しいです。

  • 最後の猫ミーシャの話は、我が家のケビーと重なって貴重な内容だった。その一話以外は、男女の営みを大胆に表現し、しかも不倫、熟年の大人の男女の話潔い。

  • 読む時の気持ち次第か。

  • 読んだ時期が悪かったのかもしれない。文章は綺麗だが、あまり心に残らない短編集だった。唯一、「冬の観覧車」で、病床の父親が主人公の子供の頃を振り返って思い出話する場面は印象的。「戻れない日の話をするのがどうして嫌なのか」という心情は、自分もある程度の歳になったからよくわかる気がした。

  • 書店でたまたま見て購入。
    「不倫の恋」をテーマにした短編集。著者があとがきで、どの作品も「光」「イルミネーション」を重要なファクターにしたと書いている。どの作品も、障害がたくさんあるからこそ燃えるみたいな話では無く、重たい。
    「冬の観覧車」が一番良かった。家族の象徴として登場する観覧車で撮影した写真は、不倫相手とその娘、不倫相手と自分のツーショットで、三人一組では撮らない。家族じゃないんだな、ということが重篤な病魔に侵されている不倫相手という設定とあいまって、痛切に胸に迫る。

  • 短編を書くしんどさを綴った作者あとがきが印象的。常に一定レベルを維持した恋愛小説に感心。モチベーションは、その時々の自分の心もようだという。長編にマンネリ感があるのに比べて、よかった。

  • p50
    「誰も否定できない,正しい当たり前のことを当たり前の顔をして口にして,したり顔をする人間が,わたしは昔から苦手だった。この種の人間は,人の心の中に生まれる曖昧な勘定を理解できないばかりか,強引に整理して,整理しきれないとわかると,平然と切り捨てにかかる。」
    p51
    「わたしはいつも中途半端だった。一番大切なものが,何なのか,わからなかった。同時に,一番背を向けたいものが何なのかも,わからなかった。大切なものも,背を向けたいものも,全部,自分が暮らしている家の中にあるような気がした。」

    小池真理子が書きたいのは,当たり前の生活の中の,微妙なずれなのかもしれない。

  • 全体的にオチといえるようなオチがなくて、つまらなかった。

  • 光、がテーマ。良質ですね。全部不倫ものですけど。

  • 生と死、性と愛は本能なのだから、あがらえないのだ。
    不倫、最愛の人の死、愛猫との別れ、
    いろんなカタチの本能を美しい言葉で紡ぎ出す小池真理子さん、さすがです。
    光をテーマに綴った美しい短編集。
    最後の「ミーシャ」は猫への愛おしい気持ちが痛いほど伝わってきて切なすぎる。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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