みんなのレビューページ
この作品からのみんなの引用
-
人と肌を合わせるときのことである。
その人たちと肌を合わせる最初のとき、私はいつも目をつぶれない。
その人たちの手がわたしを絡め私の手がその人を巻き、二人して人間のかたちでないような心持ちになろうというときも、私は人間のかたちをやめられない。
いつまでも人間の輪郭を保ったまま、及ぼうとしても及べない。
-
いるようでいない、いないようでいるなどという馬鹿馬鹿しい状態をどうやって持ちこたえることができようか? 量子力学を深く恨みながら、おいおい、おいおいと、泣きつづけた。
-
人と肌を合わせるときのことである。
その人たちと肌を合わせる最初のとき、私はいつも目をつぶれない。
その人たちの手がわたしを絡め私の手がその人を巻き、二人して人間のかたちでないような心持ちになろうというときも、私は人間のかたちをやめられない。
いつまでも人間の輪郭を保ったまま、及ぼうとしても及べない。
みんなの感想・レビュー・書評
(239レビュー)
芥川賞受賞作の表題作、「消える」「惜夜記」の三部。
かなり癖のある話ばかりで、面白かった。
現実と不思議な世界が混ざり合い、それが淡々とした調子で描かれる。
唐突な始まり方、そして終わり方にも惹かれる。
個人的には惜夜記の、特に少女との話が好き。
読んでいるこっちが引きずられるようで、大変でした。そんなに厚い本じゃないのに、読み終わるまでにとても長くかかりました
終わっている気がしない終わり方に惹かれました
芥川賞、という感じ。
私が日々暮らす中では決して起こりえないことが、
この中では淡々と起こり、
人々はそれに少々困惑はすれども、
特にそれを認めぬこともなく、話が進む。
現実と非現実が溶け合っていて、
私が暮らす世界とはほんの少しだけ
軸が違う次元にいるような感じ。
初・川上弘美作品
表題作「蛇を踏む」しか読まなかった。
秀逸な作品。
川上弘美の文章は流れるじゃなくて染みこむ。
柔らかい物腰で、いかにも女性的(江國香織の様な)ではなく
母性的という表現が合う。
引用した文、こんな感情表現があるんだと感動した。
すごくしっくりきたんだと思う。
衝撃的文学作品。
消える家族、背中に食い込む夜、縮む女、枝になる四肢、蛇が住み着くからだ。
これは決してファンタジーではない。
有機物、無機物、動物、植物、気体、液体、固体、
それら全てが当たり前のように混ざり合い、境界をなくして成立する。
あたしはこの「うそばなし」が好きだ。
「うそばなし」の世界が、そこで遊ぶのが、とても好きだ。
すごく面白かった。あらゆるものからするっとすり抜けて、自由になれる小説世界。水に溶けるように、たゆたうように読む。染み入るような孤独が何とも居心地の良い作品。
短編が集録されています。蛇を踏んだ所から話しがはじまって
蛇が結局出て行くのかと。。でも蛇って出て行くものなのでしょうかねえ。
あとがきに書かれていることが少し印象的でした。
「うそ」だというし、この嘘を書いている時はきっと自分はうそつきで嘘をつきまくっているといった感じの台詞。
わたしは人生なんて嘘の固まりだと思います。そういった意味とこの本はダブルかな??どうかな??
文体、感覚ともに異彩を放っていると思いますので、エンターに飽きた人にはおすすめです。
この作品は実に非現実的な作品であり
あとがきによる川上弘美さん本人もうそばなししか書けない
本当の話がかけないとおっしゃってて
非現実的なはなしのなかに感情移入がしにくく読むのが難しかった
それとわたし個人のはなしですが芥川賞受賞作とは合わないなとひしひしと感じました。
川上弘美さんの本はまだかじりついた程度しか読んでいませんがセンセイの鞄はとても面白かったです
半現実半夢想的な表題作より夢に浸り続けている「惜夜記」の方が好き。無秩序で不条理な内容や唐突に始まって唐突に終わる文章を、そのまま受け取ろうとすると訳が分からなくなる。この小説は感情移入して楽しむ類のものじゃない。読後の感覚は、抽象画の美術展に訪れたような感じに似てる。内容を解釈したりするのではなく、きりがない混沌の世界を味わい、その余韻に浸る。そういう芸術としての文学だと思う。これは絶対に映像化できないな……。あと、解説が秀逸でした。
川上弘美のデビュー作。 芥川賞受賞作の「蛇を踏む」のほか、「消える」「惜夜記(あたらよき)」の3編から成る短編集です。 予想外にファンタジックな作風でした。あとがきで作者が言うところの「うそばなし」。 現実世界の話のふりをしつつ、巧みに非現実的なイメージが繰り出されてきて、気が付けば、どっぷりと作者の作り上げた「うそ」の世界にはまっている、という感じ。 非現実性の濃度が、「蛇を踏む」<... 続きを読む »
2011.9.27 初読 リサイクル市でもらった。
ものすごく独特な世界観。
不思議すぎるんだけど、妙にリアルな感じもあって、するすると読んでしまった。
理解できるかというと、そうでもないけど。
表題の『蛇を踏む』は、川上さんの芥川賞受賞作。ほか「消える」「惜夜記」が収録されてます。
うーむ(o´ω`o)心地よいことばたち。静かで柔らかで、そして時折殴られる…そんなかんじ。
川上さんはまだあまり読んではいないけれど、川上さんのことばの世界がとっても居心地よいです。
特にお気に入りは「消える」かな
川上弘美初読。面白かった。淡々とした文体で人という存在が固体や気体や液体や動植物や無機物にわらわら変わる不思議な世界観です。
「蛇を踏む」蛇を踏んでから彼女の用意する飯を喰らうようになり更に蛇になれと脅されていく女の話。
「消える」戸籍上5人と定められた家族制度ができてから家族毎に姿が見えなくなったり縮んでいったり様々な消え方をする。
「惜夜記」夜を通しての掌編による連作。
摩訶不思議ワールド。
ショートショート集のようになってる「惜夜記」が好きだった。
川上さんご本人のあとがきによると、「ほんとうにあったことではないこと、自分の頭の中であれこれ想像して考えたことなら、いくらでもつるつると出てくる」とのこと。
う、うらやましい…
芥川賞・・・。
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

