- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267015168
感想・レビュー・書評
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特に印象に残ったのは
「殺すかどうかは、おまえには関係ない」(P281)
というブッダの言葉。
ブッダの命を奪おうとするアヒンサー。
ブッダを助けようとするアナンダ。
「アナンダやめなさい」(ブッダ)
「どうして…」「こいつはあなたを殺すぜ…」
(アナンダ)
その後に発せられた。
これはアヒンサーとブッダであり、
アナンダは関わらないでよいということ。
この一見冷ややかに思える「距離感」が
ブッダ特有に思う。
「自分のいいたいことを洗いざらいいうんだ。
心の中のものをすっかり」
「しゃべり終わればおまえは死ぬ」
「自分の罪に毎日もだえ苦しむおまえは
それでこの世からいなくなるのだ」
「そして生まれ変わったおまえは別人だ。
新しい生きる道をさがすことになる」
(P288)
道元が将軍から「苦しい」と相談された時
「捨てなさい」と助言したことを思い出す。
ブッダや禅では「捨てる」ことが要になる。
悟りや救いは冷淡、クールに見えるもの
なのかも知れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しい。
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図書館の本
内容(「MARC」データベースより)
仏教思想を持たないでは21世紀も22世紀もない。地球も人類も存在しない-手塚治虫が描く「人間ブッダ」。巻末に「史実と創作の狭間」と題した、多田道太郎VSなだいなだの解説対決を収録。
アナンダのエピソード。お経の中にもアナンダの名前は出てくるんじゃなかったのかしら?
そうか、苦労して仏陀の弟子になったのね。
でも何をしてでも生かしておきたいと思った両親はすごいわ。
それが結局悪魔に魂を売ることでも、生きてれば仏陀に会えたんだし。
この前は鹿。
今回はワニ相手の説法あり。 -
『ブッダ』。3000ページにも及ぶ、ブッダの一生を描いた長編。仏教に対する手塚治虫流の解釈が散りばめられ、「苦悩するひとりの弱い人間」としてのブッダが鮮やかに、かつ大胆に描かれています。仏教やブッダに対する思想入門書としても最適でしょう。僕にとっては、本書は人生訓としても成り立っています。
「いつも次のことを考えなさい。いま自分は何をしているか、自分のしていることは自分にとって大事なことなのか、人にとって大事なことなのか、そして大勢の人にとって大事なことなのか!国じゅうの人にとって大事なことなのか、世界の人にとって大事なことなのか、この自然にとって、あらゆる生きものにとって大事なことなのかよく考えなさい」(第4部でのブッダの台詞)を、僕は特によく思い出します。