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この作品からのみんなの引用
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お金が特別だと思っている人は、お金を手に入れるのが大変になるし、恋をしたり伴侶がいることを特別な状態だと思っている人は、きっとなかなかそういう相手が出てこないだろう。
自分にとって特別でない、あたりまえのことならなんでも手に入る、そういうふうに私は思う。だけどそれがつまらないから、みんなきらきらした目で何かを持てるのだろう。
― 211ページ -
真綿でしめられる僕の人生。全体が産まれてきたときの奇跡のおまけみたいな人生だ。
普通はみんな自分の母さんにこれをやられているけれど、親だから気づかないのだ。そして次は妻に一生これをやられるのだ。
僕はたまたま姉さんだからいろいろ見えてしまっただけなんだ。
でも最高だ、最高の歪みだ、とあまりにもきれいなビーチとビールの軽い酔いでごきげんな僕は思ってしまったのだった。そう思ってしまえる瞬間があれば、もうそれでいいんだ、と。
― 172ページ -
躍りってなんだろう、と私は思った。
きっと世界に対するもの。人間に見せるためのものではないということはわかる。
でもどうしてこの人たちが悲しいことを体験すればするほど、躍りはよくなってしまうんだろう、なんだかそれは残酷なことに思える。
あざみさんに聞いてみたら、ちょっと眉をひそめて、
「人間はなまけものだから、きっと放っておくとどんどんだめになってしまうから、たまにスパイスがきいたことが起きて、きりっとなって、躍りもよくなるんじゃない?」
とこともなげに言った。
― 83ページ
みんなの感想・レビュー・書評
(98レビュー)
よしもとばななは図書館で見かけたら必ず読むようにしている
数少ない作家のひとり。
短編が3つ。
どれもハワイが舞台。
どれも主人公の家族がちょっと複雑。
私はハワイに行ったときはそこまでの魅力を感じなかったのだけど
わかるひとにはわかるんだろうな。
ハワイに持って行ったけど、帰ってから読んだ。
大切な人を亡くした人が主人公。
フラを踊っている描写が、すごく好きだ。
祈りを捧げ、世界に祝福される。
分かるその感じ。この本好き。
ハワイにまつわる短編3話。
著者に子供が出来たから今までと少し違った
感じ方が表現されている物語だった。
それでも文章も表現も今までとかわらず
よしもとばなな独特のもの。
2話目で主人公の姉が弟に説明する生きることとはっ
てところの表現がとても納得がいった。
ハワイに行きたくなる本。
ビーチで寝転がりながら読んだら良い感じかも。
「まぼろしハワイ」「姉さんと僕」「銀の月の下で」 三人の主人公の目を通して、ハワイの風景が満載。おだやかな、風景。朝日や夕日や月に包まれる。ひととすごす時間の愛おしさについて考える。もう帰らない時間の愛おしさについて考える。踊ることは祈ること。ふだんから心をこめて何かに集中して動くとき、祈っているのだろうかと思う。フラのひとつひとつの動作が流れこんできた。 「姉さんと僕」は珍しく男性が... 続きを読む »
短編集ながら、読み終わった時にタイトルがしっくりきた。ハワイは日常を忘れさせてくれる、そういった意味でのまぼろし。しかしそれだけではないまぼろし。まぼろしを夢見ながらも、それでも現実を生きていかなければならない人間。単なる「夢見がち、夢おち」的な小説は好みではない私は大好きです、この本。どこかで聞いた言葉であふれる、世間にあふれる安っぽい小説を小説と呼べなくなるほど、すごく心に響きました。
ハワイに纏わる短編集。サウスポイントの後書きに載っていたのでとりあえず読みました。どれも雰囲気があって良かったです。あとがきで「これだけ書くのに五年かかった。入魂の小説集です」と言うだけあると思う。言葉の精度や主題がはっきりしているように思います。 「まぼろしハワイ」年の近いパパの再婚相手のフラダンサーと行くハワイ。しかしパパは死んでいてそこで明らかになるフラダンサーの悲しい過去。p.83の引用... 続きを読む »
最初からずっとずっと半泣きで読んでた。
私もハワイとフラをこよなく愛していた、
大事な人を去年亡くしたから。
でも何度もこぼれそうになる涙を止めたのは
随所にちりばめられている、
ハワイの美しさ。
切なくて、ハッピーで、
その両方で胸がいっぱいになるお話でした。
どうしたら人はあんなにやさしくなれるのかな?
それをハワイとフラから学ぶ事ができるなら、
わたしだってもっともっとやさしくなれるはす。
大好きなハワイをもっと知りたい。
フラもたくさんレッスンしよう。
天国から見られても恥ずかしくない踊りが出来るよう。
今日はあざみさんのフラの才能に嫉妬しつつ、
一曲踊ってから、寝ます。
ばななさんにAloha and Mahalo!
パパが死んでしまった。 パパの再婚相手のあざみさんと泣き暮らした末に 一緒にハワイへ行くことに。 フラダンサーであるあざみさんにとってハワイは馴染みの地だ。 マサコさんという彼女の育てのおばさんの元を訪れたり あざみさんの初恋のおじいさんの山本さんが訪ねてきたり びっくりするくらいの自然と人との関わりの中で徐々に癒されていく。 表題作他2編。 よしもとばななのハワイ熱がこれでも... 続きを読む »
すごく良かったです。
そうそうハワイってそういう不思議なパワーっていうかエネルギーがあるよなぁ、と。きれいな海と空と、暑さや風や、ハワイの空気そのものを感じるような小説でした。
3つの話、どれも良かったです。特に表題作の1番目が好きかなぁ。でも2番目のも3番目のもどれもやっぱりよかった。
知らないうちに固くなってる身体や心が、ゆるゆるとほどけていって、じんわり温かく柔らかくなっていくような。自分自身に対しても他人に対しても、もっと心を開いて素直になれるような。ハワイってそういう力があるかも、とこの本を読んでいて感じました。
夏休みにハワイに行くので、旅行への期待感も一層高まって楽しい読書ができました。
ハワイに訪れたときに感じる、あの独特な香りと神秘的な空気があたしの体をやさしく包み込む。文章から伝わってくるハワイの神様の吐息。強烈な草花、木々の香り。太陽にさらされた砂浜の熱さ。しっとりとやわらかく...
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

