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みんなの感想・レビュー・書評
(104レビュー)帯にあった「日常が続いているからこそ、その残酷さがあるからこそ、私たちは生きていける。」という文章に魅かれて購入。「疲れちゃった」ときに読んだら、共感のあまり深いところまで連れて行かれそう・・・と、読み始めたときに思った。というより、中盤まで主人公の苦しさにグイグイ引っ張られた。それくらい面白かった。他人のギスギスした空気に勝手にストレスを感じたり、その場かぎりの人に、どう思われるか過剰な心配をしてみたり・・そういう細かい描写に、いちいち惹きつけられた。あと、面白かったのは、主人公の「恥のかき捨て」についての新しい解釈。マーカー引いてしまいくらいだった。
痛い。この主人公痛いw 1行目から分かる痛さ。なのに面白く読めるっていうのがすごい。
あんまり関係ないけど、村上春樹氏がこのエピソードで書いたなら、間違いなく性描写があるんだろうなぁ……。
主人公が精神的に落ち着いてくるのが読んでいて分かるのでそこはよかったと思う。繊細な人は主人公のようになってしまうときがあると思う。昔の自分もそういうときがあったのでなんとなく主人公を応援したくなってしまった。
ちょっと浮世離れした3人の話。
人の目とか日常に積み重なってくなんともいえない澱のような気持ちとか、気になることはつきないけど、なんだかんだで生きていけるー。
*それが自分に向けられたものでなくても、人の苛立ちをみると、体の奥がぎゅうと縮こまるような感覚を覚える。そして苛立たれている当人、ほとんどの場合彼らはそんなことに頓着していないのだが、彼らを恨めしく思う。どうして私が気詰まりな思いをしなければならないのか。どうしてそんなに奔放でいられるのか。恨めしくて、そして羨ましくて仕方が無い。
*吸収すること、身につけることだけが人間にとって尊い行為なのではない。何かをかなぐり捨て、忘れていくことも大切なのだ。
*どこへ行ったって、日常から逃れることは出来ない。日常が続いているからこそ、その残酷さがあるからこそ私たちは生きていける。
西加奈子さん、作風ずいぶん変わったなぁと思ったけど、これはまた違う西さんの感性なんだろう。
姉に対する憎悪だとか嫉妬だとか恐れがしんしん伝わる。ことばのえらびかたがうまい、綺麗。
モデルになった島にいきたい。ホテルにいきたいけどこれはどこの島?
美しいんだろうな
――私は誰かの美しい人だ。私が誰かを、美しいと思っている限り。
あたしも誰かの美しいなんだ。
他人の目ばかり気になり繊細で敏感過ぎる主人公の内面がよく描かれていた。それだけに読んでいて辛かったが。後に登場する二人の男性との出会いが主人公の心を解きほぐす。人生は何かを掴むばかりじゃなく置いて行くことも大事だと教えてくれた一冊。
自分を確立してるがゆえに生き辛くなる人を批判しつつ、周りから見た自分を意識しすぎる自分に嫌気がさす。
誰しも持つであろう感情の矛盾が表現力豊かに描かれていて、自分の矛盾も主人公と同じようにほどけていくような感覚がした。
周りの眼を気にし、神経を張り詰め生きてきた三十路OL。 ある日、職場で大泣きして逃げるように退職。 発作的に旅立った離島の高級リゾートで出会った、冴えないバーテンダーと日本語を流暢に喋る外国人との交流を描く。 優しい物語を想像していたら、案外重たくて痛々しくて、最初は読んでいてしんどかったです。 無駄な自意識と自己嫌悪に苛まれる主人公の泥沼のような苦しみに、もう本を閉じて読むのを止... 続きを読む »
著者の言う「中二病の女」「自意識と自己嫌悪の激しい女」には怖いくらい共感できた。
ただ、物語自体は、いまひとつぐっとこなかった。
やっぱり「あおい」「さくら」「しずく」の感動は超えられない。
さら〜っと読めた。可もなく不可もなく…主人公の感覚的な気分の浮き沈みが激しくて、自分の内面と向き合うために書かれた本??って思った。主人公に自分を重ねる部分は微塵もなかったけど 笑
読み始めた途端、これは自分のことだ、と思った。 心の表面張力がぱんぱん、無駄な自意識と自己嫌悪にさいなまれ、うっかり傷つく中2状態… 作者の西さんのあとがきの言葉です。 そんな状態にある主人公が、海と芝しかない四国の島に一人旅に出るお話。 何もない島。誰もこない本の墓場のような図書室。いいなあ、素敵だなぁと思いながら読む。 ●気になった言葉 窓の下の完璧な散歩。 人生は、私が思うほど悪意... 続きを読む »
私と似ている、とまでは思わないけれど、
ここまで神経質に自意識過剰で苦しんだりしなくても、
気持ちが添わせていける小説。
楽しいフリをして、周囲の苛立ちに怯え、
嫌悪と罪悪感を繰り返し、
人にどう思われるか、見つめるべき自分とは誰か......
読んでよかった、読む価値あり。
ほんのささいな失敗でいたたまれなくなり会社を辞めた蒔田百合。
35歳まで自宅で引きこもっている姉の存在が常に彼女の周りに
つきまとってくる。姉のようにならないようにするには・・と
考えるあまりに姉と同じように家に引きこもりそうになる。
そこから脱するためにある島にあるリゾートホテルへ向かい
さえないバーテンの坂崎と謎の外国人マティアスに出会う。
彼らと出会ってそれほど劇的な物語があるわけではないんだけど
なんとなく百合は常に周囲の目を気にしてきた癖を忘れることができる。
無視しながらも常に感じていた姉の存在も認められるようになる。
読んでいて楽しい気分になる話ではなく、むしろ重苦しく
あー早くこの話から解放されたいという気持ちになる。
それでも途中で投げ出さずに読み切らせてしまうのが
西さんの文章の力量だと思った。後味は悪くない。
前半部分までは、主人公の女性のあり方がよくわからず、読み終える自信もなかった。しかし、なぜか、この人がこの旅や出会いでどう変わるのだろうと気になって、割と一気に結局読み切ってしまった。
結果としては、本当に変わったのかはわからない。きっとホテルに来る前と後では気分は全く違っているだろう。けれど、彼女の本質的な部分は変わったのだろうか。
この男女3人の物語を読んでいくうちに、べつに無理に変わる必要はない、だからといって変わるときには変わることを恐れずに、自然に何かを置いていってしまえばいい、そんな風に思えました。
会社を辞めてホテルにリゾートに来てしまった。親の金で。
引きこもりで世間を知らない姉のようにはなりたくなかったのに。
ホテルに着いても周りの目が気になってばかりだ。
しかし雇われバーテンの坂崎の駄目さと
ドイツから来たマティアスのマザコンっぷりを前に
他人の目を気にしない私になれる気がした。
そもそも私は誰の目を気にしていたのか。
写真:大橋愛 装丁:大久保伸子
本を置きに行く部屋、というのに興味がわきました。
求めるだけでなく置いてくることの必要性を表すための本。
蒔田は姉へのコンプレックスを置いていくことが出来たのか。
そして代わりに何かを得ることが出来たのか。
他人の苛立ちに怯え、細心の注意を払いながら重ねていた日々を自らぶちこわしにした百合。会社を辞め、「ただの旅行」で訪れた島のリゾートホテルのバーにいたのは、冴えないがゆえに百合を安心させるバーテンダー坂崎と、暇を持て余す金髪のドイツ人、マティアスだった。美しい瀬戸内海の離島、そこしかないホテルで不思議に近づく三人の距離。地下には、宿泊客が置いていく様々な本が収められた図書室がある。本に挟まっていたという一枚の写真を探すため、ある夜、三人は図書室の本をかたっぱしから開き始める―。会社を逃げ出した女、丁寧な日本語を話す美しい外国人、冴えないバーテンダー。非日常な離島のリゾートホテルで出会った三人を動かす、圧倒的な日常の奇跡。
人の気持ちって一筋縄じゃ行かない
![第3回 ブクログ大賞[2012]](/ad/1201/award_booklog200_65.gif)

