読書という荒野 (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344033054

作品紹介・あらすじ

【出版界の革命児による圧倒的読書論がここに誕生! 】
実践しなければ読書じゃない。
暗闇の中のジャンプ!天使から人間へ。認識者から実践者へ。

適切な言葉を選べなければ、深い思考は出来ない。表現することはおろか、悩むことすら出来ない。人は言葉を獲得することによって人生を生き始める。だから読書することは重要なのだ。本は最も身近で最も安価な人生を切り拓く決定的な武器だ。

【目次】
はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ
第1章 血肉化した言葉を獲得せよ
第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ
第3章 極端になれ! ミドルは何も生み出さない
第4章 編集者という病い
第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る
第6章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め
おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ

感想・レビュー・書評

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  • 著者、見城徹さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    見城 徹(けんじょう とおる、1950年〈昭和25年〉12月29日 - )は、日本の編集者、実業家。株式会社幻冬舎代表取締役社長。株式会社タッチダウン代表取締役社長。株式会社キャブ代表取締役社長。エイベックス株式会社取締役(非常勤)。株式会社テレビ朝日の放送番組審議会の委員長。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    【出版界の革命児による圧倒的読書論がここに誕生! 】
    実践しなければ読書じゃない。
    暗闇の中のジャンプ!天使から人間へ。認識者から実践者へ。

    適切な言葉を選べなければ、深い思考は出来ない。表現することはおろか、悩むことすら出来ない。人は言葉を獲得することによって人生を生き始める。だから読書することは重要なのだ。本は最も身近で最も安価な人生を切り拓く決定的な武器だ。

    【目次】
    はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ
    第1章 血肉化した言葉を獲得せよ
    第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ
    第3章 極端になれ! ミドルは何も生み出さない
    第4章 編集者という病い
    第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る
    第6章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め
    おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ

    ---引用終了

    本作から伝わるのは、著者の熱さ!
    熱意120%の熱い方です。
    本作は、本を作り、売る側の読書論という、一風変わった作品です。

    そして、

    幻冬舎の設立理由がウィキペディアに、次のように書かれています。

    ---引用開始

    角川書店の編集者であった見城徹が、当時の社長・角川春樹のコカイン密輸事件をきっかけに退社し、仲間5人と1993年11月12日に設立した。

    ---引用終了

    やっぱり、熱い!

  • 幻冬舎の社長・見城徹氏の自叙伝的、読書論的なビジネス書のようなもの。
    大体において、「お前ら!俺の言うことを聞け!」的な文体なのだが、ここまで断定的に言われると逆にすがすがしい。
    右翼的にも左翼的にも偏った意見が文中にちらほら出てくるが、そこは薄目で読んでもらえば良いのだろう。

    内容的には、見城氏の幼少時代から現在までが書かれており、自分の人生において影響を受けた数々の本紹介や一緒に仕事をしたり、付き合いのあった作家達との交流が描かれている。

    なかでも若手の編集者だった頃の昭和のビジネスマンらしい著者のエピソードが非常に興味深い。
    当時売れっ子作家だった五木寛之氏にどうしても自分の出版社の雑誌に連載をしてもらいたくて、五木氏の新刊が出たときには詳細な読書感想文を販売開始時から5日以内(五木氏の五にかけている)に何通も手紙を出していたことや、当時、既に国会議員であった石原慎太郎氏と一緒に仕事をしたくて、石原慎太郎の小説を丸暗記して、石原慎太郎の前で暗唱してみせたことなどだ。まさに、「仕事の鬼」だ。

    「ワークライフバランス」と言われている今の時代になって、こういう働き方をもし上司から命令されたら即パワハラになるだろうが、「自分から好きな仕事に命を懸けて、他の人に絶対に負けない、交渉相手がびっくりするくらいの努力を自分でする」という働き方をする人間は、自分としては嫌いじゃない。

    ただ、最後に筆者が今の読者に一番おすすめしたいという小説が、
    『蜜蜂と遠雷』
    だと書いていて、ちょっと、『普通』過ぎて肩すかしを食った。
    もちろん、恩田陸の『蜜蜂と遠雷』は大傑作だし、自分の読書人生の中でも最高傑作の一つであるのだが、見城氏が薦めるという本はもっと難解で、込み入っていて、ちょっと陰のある小説であるべきだ、と著者の主張を読んでいて思ったからだ。

    しかし、ふと考えると自分のような庶民が面白いと思う小説を、大衆小説を出版する出版社の社長が面白いと思わなければ、売れる本を出せる訳がないなと妙に納得した。

    だが後で、気がついたのだが、『蜜蜂と遠雷』は幻冬舎からの出版だった。やはり、著者は昭和のビジネスマンの鑑だ(笑)。

  • 面白かったです。
    作者の凄まじい人生と、想像を絶する読書量が、読書のモチベーションを上げてくれます。
    文章は読み易く、説得力のある作者の考えに関心しました。
    個人的には「夢」や「希望」など豚に食われろという内容が好きです。圧倒的努力をしている人たちの口からは、そんな安直な言葉は出てこない。現実と格闘してる最中は、夢や希望を語る暇などない。最高にかっこいいと思いました。

  • 前半は、著書の体験からくる心の叫びのようなものだ、後半は、つき合った作家の話が続いている。キモは前半だ。

    気になったことばは次の通りです。

    ・僕の持論に、「自己検証、自己嫌悪、自己否定の3つがなければ人間は進歩しない」というのがある。
    ・このとき僕は本当に死んでもいいと思っていた。本気で死を覚悟したことで、状況が変わったのだ。この体験は僕に、何かを変えるためには、死んでもいいと覚悟を決めなくてはいけなことを教えてくれた。
    ・僕は学校の友だちとも教師たちともうまく関係が作れず、現実世界では疎外感や孤独を抱えていた。だからこそ猛烈な量の本を読んだ。読書をしているいる限り、そこは自分の世界だけの世界である。誰かにいじめられることもない。
    ・自己嫌悪や嫉妬など、負の感情を持つことはけっして悪いことではない。いや、むしろ負の感情を経験したことがなければ、人のそれも見抜くことはできない。
    ・本には一人の人生を変える力があることを自覚した。
    ・自分の理念を全うする困難さを学んだ。社会や国家に対する理想像を持ってしまった者は、必ず苦しみ抜くことになる。
    ・人間が何かを達成するには地獄の道を通らなければならないということだ。どんな美しい理想を掲げても、実際になしとげるためには、幾多の苦しみ、困難がある。何かを得るためには、必ず何かを失う。代償を払わずして何かを得ることは不可能だ。

    ・戦いとは常に孤独であるということ。誰にも理解されないことが前提だということだ。それを飲み込み、絶望した上で、戦いを貫徹しなければならない。
    ・人生を生き抜くには、「善い人」でなければ駄目だと考えている。
    ・24時間寝ないで働いて、最後は血の小便がでた。よく僕は、「圧倒的努力をしろ」という。「圧倒的努力ってどういうことですか」と聞かれるけれど、圧倒的努力とはそういうことだ。人が寝ているときに眠らないこと。人が休んでいるときに休まないこと。どこから始めていいかわからない、手が付けられないくらい膨大な仕事一つひとつ片づけて全部やりきること、それが圧倒的努力だ。
    ・僕はよく「人は自分が期待するほど、自分のことを見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない」という。
    ・本とは単なる情報の羅列ではない。自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する、現実と戦うための武器なのだ。

    目次は、以下の通りです。

    はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ

    第1章 血肉化した言葉を獲得せよ
    第2章 現実に戦う「武器」を手に入れろ
    第3章 極端になれ!ミドルは何も生み出さない
    第4章 編集者という病い
    第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る
    第6章 血で血を洗る読者という荒野を突き進め

    おわりに 絶望から過酷へ。認識者から実践者へ

    参考文献

  • 学生時代に恩師から教わったことがある。

    「一流の人にどんどん会っていきなさい。一流の芸術にどんどん触れていきなさい」


    著者は幻冬舎の社長として、数多のミリオンセラーを世に送り出してきた。

    その背景にあるものこそ、読書。しかもそれは徹底している。

    一流の人に会うために、凡人は徹底した準備、圧倒的な努力が必要だ。

    涙をこらえ、歯を食いしばり、血の小便が出るまで、働き抜く。

    徹底して、自己検証し、自己否定する。その先にしか自己肯定はないのだ、と。

    五木寛之と仕事をするために、彼の本を発売から5日間以内に読破し、感想を手紙にして、本人に送り続けた。

    石原慎太郎と仕事をするために、「太陽の季節」と「処刑の部屋」を一言一句暗誦できるようにしてから出会った。

    林真理子と仕事をするために、毎日のように飲み歩き、電話をし、悩みを聞きぬいた。

    本の山に囲まれて鋭い眼光で睨み付ける、ド迫力の表紙。

    読後には、それが戦い抜いた、そしてこれからも戦い抜いていく男の決意の顔だと分かる。

    ともかく元気が出てくる。働きたくなる。そして、本が読みたくなる痛快なる書。


    読書こそ人生という荒野を切り開く武器だ。

  • 一言で表すと読書感想文。とはいえ生半可なものではない。エネルギー密度がこんなにも濃く込められている文章に出会うことは稀だ。咀嚼するのにもエネルギーを使う。羽交い締めにされながら読んでいるようで、一気に読み続けることはできなかった。読書を想像力の鍛錬や追体験とし、行動を起こす姿勢が、読み手を強く揺さぶるように描かれている。自伝的感動ポルノとも言えるが、滲み出る卑屈さというか劣等感がいやらしさを緩和しているように思う。
    そして流石編集者、本や作家の紹介が上手く、出てくる本はどれも読んでみたくなった。

    「編集者という病い」という見城氏の本からの引用が多くみられる。そこに最新(2018年6月まで)の読書体験を追加した、という感じに見えなくもないが、それでも「編集者という病い」も読んでみたいと思う。

    一読の価値あり。

  • 【感想】
    「読書」というよりも「言葉」の大切さ。
    こんなにもストイックにやらなければいけないのかと思いつつ、見城徹の類を見ないストイックな姿勢に心が揺さぶられた。
    常に渇き、絶望し、逆境に身を置き、1日1日をフルスロットルで生きるこの男は、実際一緒に仕事をするとどうなんだろう?
    外から見る分にはスゴイ人だなと思えるが、一緒の環境ではできれば働きたくないな。。。

    読書1つ取っても、この御方にとっては1つの「闘争」なんだろう。
    温度感はともかく、自身の貴重な時間を割いているのだから、何かメリットにしなくてはいけないなぁ。

    読書とは「投資」。読書とは「闘争」。そんな読書のステージは、彼にとって「荒野」だったのだろう。
    自分自身、為になる読書を今後ともやらなくてはいけない。


    【内容まとめ】
    1.実践しなければ、読書は読書じゃない本とは、単なる情報の羅列ではない。
    →自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する、現実を戦うための武器なのだ。
    2.「自己検証、自己嫌悪、自己否定」この3つがなければ、人間は進歩しない。いつも寝る前には、その日1日を振り返り、悶え苦しむ。
    3.売れるコンテンツの条件は、「オリジナリティーがあること、極端であること、明解であること、そして癒着があること」
    4.努力は、圧倒的になって初めて意味がある。
    →どこから始めていいのかわからない、手がつけられないくらい膨大な仕事を一つ一つ片付けて全部やりきること。
    5.絶望しきって死ぬために、お前は今日一日を最大限生きたのか?
    →本から何を読み取り、どう動くか?どう自分の生き方に作用させるか?読書は単なる情報収集の手段ではないのだ。


    【引用】
    言葉が武器なのだ。
    読書とは、「何が書かれているか」ではなく、「自分がどう感じるか」だ。


    p5
    ・自己検証、自己嫌悪、自己否定
    この3つがなければ、人間は進歩しない。
    1.自己検証
    →自分の思考や行動を客観的に見直し、修正すること。

    2.自己嫌悪
    →自意識過剰さや自己顕示欲を恥じ、自分のズルさや狭量さ、怠惰さに苛立つこと。

    3.自己否定
    →自己満足を排し、成長していない自分や、自分が拠って立つ場所を否定し、新たな自分を手に入れること?

    いつも寝る前には、その日1日を振り返り、悶え苦しむ。


    p49
    どんなに美しい理想を掲げても、実際に成し遂げるためには数多の苦しみ、困難がある。
    何かを得るためには、必ず何かを失う。
    代償を払わずして何かを得る事は不可能だ。
    この考え方は、現在に至るまで僕の根本に位置している。

    そしてこれに気づくまでに、僕は猛烈な量の読書をした。
    人間は一つの人生しか生きられないが、読書をすれば無数の人生を体感できる。

    人間は多様で様々な価値観を持つ。
    そうした他者への想像力を持たない者に、成長も達成もない。


    p78
    身体をビルドアップすることは、自分が苦しんだ分だけ必ず成果が出る。
    仕事に比べて、何とわかりやすいことか。
    トレーニングを終え、「これでまた、自分は戦える」と思った時の充実感は何物にも代え難い。


    p85
    売れるコンテンツの条件は、「オリジナリティーがあること、極端であること、明解であること、そして癒着があること」

    僕は人と会う時は、常に刺激的で新しい発見のある話、相手が思わず引き込まれるような話をしなければいけないと思っている。
    たとえ30分でも僕と会った人には、「見城さんって何度も会いたくなる面白い人だね」と言われなければ絶対に嫌なのだ。


    p90
    よく僕は「圧倒的努力をしろ」と言う。
    圧倒的努力とは、人が寝ている時に眠らないこと。
    人が休んでいる時に休まないこと。
    どこから始めていいのかわからない、手がつけられないくらい膨大な仕事を一つ一つ片付けて全部やりきること。
    努力は、圧倒的になって初めて意味がある。


    p90
    ・実践しなければ、読書は読書じゃない
    本とは、単なる情報の羅列ではない。
    自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する、現実を戦うための武器なのだ。


    p102
    常々言っているのだが、感想こそ人間関係の最初の一歩である。
    結局、相手と関係を切り結ぼうと思ったら、その人のやっている仕事に対して、感想を言わなければダメなのだ。
    しかも、「よかった」「面白かった」程度では感想とは言えない。
    その感想が、仕事をしている本人も気づいていないことを気づかせたり、次の仕事の示唆となるような刺激を与えたりしなければいけない。


    p112
    「男の言い訳」
    →タイムアップぎりぎりに逆転のトライを挙げたラガーの話。
    一生をかけた遺言で、「あれはトライだった」と言った。

    仕事を進める上で譲れない美意識を持っているということは大切だ。
    見栄や利害損得で行動する人は、大きなことを達成することはできない。
    その瞬間、自分が損をすることになっても、やせ我慢して貫くびがくをもっていれば、それが魅力として外に溢れ出し、人が付いてくる。

    男として、時に本心をグッと飲み込み、結果で自分の存在意義を証明する生き方。


    p130
    ・3人の大物と、きらめく新人3人をつかむ
    →そうすれば、中間にいる人達は向こうから声をかけてくれ、自分から開拓をしなくても来た中から才能を見つけていけばいい。
    一度こうした好循環に入ると、編集者としては無敵である。


    p198
    頭ではわかっていても、やはり死ぬのは怖い。
    だから、せめて救われるために、死の瞬間に「自分の人生は満更ではなかった」と思って目を閉じたい。
    後悔を少しでも減らすために、早朝に起き、身体を鍛え上げ、休息なく働き続けているのだ。


    p200
    ・絶望しきって死ぬために、お前は今日一日を最大限生きたのか?
    本から何を読み取り、どう動くか?
    どう自分の生き方に作用させるか?
    読書は単なる情報収集の手段ではないのだ。


    p217
    ・夢や希望など、豚に喰われろ。
    夢や希望を語るのは簡単だ。語り始めたら、自分が薄っぺらになる。
    野心も同じだ。自己満足でしかない。
    そんなものは捨てたらいい。
    そんなものと無関係に生きようとしたとき、人は匍匐前進の一歩を踏み出している。
    日々を自己検証しながら圧倒的努力で生きる。
    夢など、実現した後に静かに噛みしめるように「これが自分の夢だったんだ」と語ればいい。


    p218
    言葉は重いものである。
    夢や希望や成功という言葉を使えるだけ、自分は考え抜いているのか?
    そのことを問い直し、もし考え抜いていないと思ったら、思考する言葉を手に入れて欲しい。


    p236
    正確な言葉がなければ、深い思考はできない。深い思考がなければ、人生は動かない。

    自己検証する。自己否定する。
    それを繰り返し、繰り返し、自己嫌悪との葛藤の末に自分の言葉を獲得する。
    その言葉で思考して、思考して、思考し切る。
    その格闘の末に、最後の最後、自己肯定して救いのない世界から立ち上がる。
    認識者から実践者になる。暗闇の中でジャンプする。人生を切り拓く。

    読書はその為の最も有効な武器だ。

  • 2024/01/24読破

    一言: 読書を自分の血肉に変える。

      読書に対しての考え方に触れあえる。作者の意図を読むと、上記のような言葉が適切なのではと考えます。

    ・感想
    プロ野球選手が野球を語るように。
    東大出身者が勉強方法を語るように。
    読書家の見城さんが、読書を語る。
    むしろ、語るというよりは、熱く、熱く話す。そんな印象でした。引用している本は分かりやすく明記されているので、気になった方はそちらも読めるので学びになる本だと思います。

    下記は印象深い点
    p60.
    戦いとは常に孤独であること。誰にも理解されないことが前提だということ。それを飲み込み、絶望した上で戦いを貫徹しなければならない。

    p66.67
    人生を生き切るには「善い人」でなければならない。良心がなければ、自分を突き詰め、追い込むことはできない。他者と本物の関係を作ることができない。

    p130
    狙うはニューフェイス3人と、大物3人。
    残りはあとからついてくる。野球で考える。

    p172
    旅の本質とは「自分の貨幣と言語が通用しない場所に行く」という点。今まで自分が作り上げてきたものが通用しない場所にいき、「外部」の環境に晒されること

    つまり、自己検証、自己嫌悪、自己否定を余儀なくされる。

    p226.ただ狂え 団鬼六
    馬車馬のように働いた男の苦闘の中での一言
    「一生は夢だ 狂わな損 遊ばな損」

    p236.読書を自分の血肉とする

    読書を通し、獲得する言葉について、
    その言葉を駆使する思考について学ぶ。

    正確な言葉がなければ、深い思考はできない
    深い思考がなければ、人生は動かない

    自己検証する。自己否定する。

    繰り返し、繰り返し自己嫌悪の中で、自分の言葉を獲得し、その上で繰り返し、繰り返し思考し切る。

  • タイトルがハードボイルドチックでかっこいい。

    「人は自分が期待するほど、自分のことを見てくれてはいないが、がっかりするほど、見ていなくはない。」

    いい言葉だと思った。

    言葉は武器、武器を得るために豊富な読書体験を積め!

    最近の本では「蜜蜂と遠雷」が強くオススメされていた。
    音楽を描ききるための「圧倒的努力」に見城さんは胸を打たれたのかな、と思う。

  • 血で血を洗う読書という荒野を突き進め。
    本書の第6章のタイトルです。
    「血で血を洗う」なんて、読書を形容する言葉としては、初めて見ました。
    でも、読んで分かりました。
    見城さんにとって読書とは、そのくらい苛烈なものなのです。
    見城徹さんは慶応大卒後、廣済堂出版に入社し、角川書店へ転職。
    そして、1994年に独立し、出版社を開業しました。
    あの幻冬舎です。
    私は本好きな大学生でしたが、「トンがった出版社だな」という印象を持ったのを覚えています。
    刺激的な惹句の踊る新聞広告を見て、何度、書店へ走ったことか。
    創業当初から、五木寛之や村上龍、山田詠美など人気作家をそろえていたのも特色。
    本書を読んで理由が分かりました。
    社長自ら、口説いたのですね。
    著作を全て読むのは当たり前、相手の懐へ飛び込み、機を捉えて相手が承諾せざるを得ない「カード」を切るのです。
    この辺りは本書の読みどころでしょう。
    我が意を得たりという言葉にもたくさん出合えました。
    たとえば、「ビジネス書や実用書には『結論』しか書かれていない」として、こうした本を読むことは「読書」に値しないと切り捨てます。
    「僕が考える読書とは、実生活では経験できない『別の世界』の経験をし、他者への想像力を磨くことだ。重要なのは、『何が書かれているか』ではなく、『自分がどう感じるか』なのである。」
    全くその通りと思います。
    ぼくは44歳ですが、これまで約3千冊の本を読んできました。
    大半は小説とノンフィクション。
    なぜなら、本を読んで感動したい、心揺さぶられたい、こことは違う世界を見てみたい―。
    そんな願いがあるからです。
    ただ、見城さんほど本と格闘してはいません。
    いや、全く足元にも及ばない。
    何たって、読書で得たものを武器にして、世の中を渡って行くのですから。
    よく、ビジネスパーソンや経営者が「忙しくて本なんて(まして小説なんて)読んでいる暇なんてない」と言うのを聞きます。
    しかし、本当にいい仕事をしたいなら、むしろ小説をどんどん読んだ方がいい。
    私も背中を押された気がしました。
    ありがとうございます。

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著者プロフィール

幻冬舎代表取締役社長。1950年12月29日静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。 静岡県立清水南高等学校を卒業し、慶應義塾大学法学部に進学。大学卒業後、廣済堂出版に入社。初めて自身で企画した『公文式算数の秘密』が38万部のベストセラーに。75年、角川書店に入社。「野性時代」副編集長を経て、「月刊カドカワ」編集長に就任、部数を30 倍に伸ばす。5本の直木賞作品を始め数々のヒット作を生み出し、41歳にして取締役編集部長に。 93年、角川書店を退社し、幻冬舎を設立。五木寛之『大河の一滴』、石原慎太郎『弟』、唐沢寿明『ふたり』、郷ひろみ『ダディ』、天童荒太『永遠の仔』、村上龍『13歳のハローワーク』、劇団ひとり『陰日向に咲く』、長谷部誠『心を整える。』、渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』など26年間で25冊ものミリオンセラーを世に送り出す。著書に『編集者という病い』、『異端者の快楽』、『たった一人の熱狂』、藤田晋との共著に『憂鬱でなければ、仕事じゃない』『絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ』、松浦勝人との共著に『危険な二人』、林真理子との共著に『過剰な二人』などがある。

「2020年 『読書という荒野』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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