そして私は一人になった (幻冬舎文庫 や 4-4)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344400191

感想・レビュー・書評

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  • 山本文緒さんの作品、ブクログ登録は2冊目。

    先頃、著者は58歳にて、お亡くなりになりました。
    今後の活躍が期待されていただけに、残念です。

    著者を、ウィキペディアで確認しておきます。

    山本 文緒(やまもと ふみお、1962年11月13日 - 2021年10月13日)は、日本の小説家。神奈川県横浜市生まれ。神奈川大学経済学部卒業。

    2021年春頃より体調を崩し自宅療養を続け、同年10月13日、膵臓がんにより長野県軽井沢町の自宅で死去。58歳没。

    で、今回手にした、『そして私は一人になった』。
    その内容は、次のとおり。

    あれほど結婚したかったのに離婚してしまった。そして32歳にして、初めての一人暮らし。その一年間を日々刻々と綴った、日記エッセイ。文庫版特別書き下ろし「四年後の私」も収録。

  • このエッセイは作者32歳、少女小説家としてデビューして8年目、一般文芸作家になって4年目である1996年の1年を綴ったものである。それは作者にとっての初の一人暮しの記録でもある。このエッセイを読んで、自分がなぜ山本文緒ファンなのかがとってもよく分かった気がする。何だかいちいち「うんうん、そうですよね、そうなんですよ」と頷いてしまう。落ち込んでしまうポイントだとか、うれしくなってしまうポイントだとかが、ことごとく一緒なのであった。きっと彼女のファンはみんなそう思っているんだろうけど。

  • 『再婚生活』のような派手さは無いけれど日記エッセイとしては再婚生活より読みごたえがあると思う。

    1990年代に30代だった山本さんの日記に2010年代に20代である私が共感するのは○○年生まれの人といったの感性ではなく、昔から変わらないどの若者も持っている感性が全面に出ているからだと思う。

    何度も読み返してボロボロになってきたから、新装版買おうか悩み中。

  • 人の日記をのぞき読みしている感じで、楽しい。ナマステクミコ、嫌な旅だなあと思ったけど、面白おかしく過ごしているあたり、すごいなあと感心した。

  • -落ち込む、不安になる→飲みに行く→酔っ払ってつい余計なことを話しすぎたんじゃないかと翌朝不安になる。

    -分厚い本を少しずつ、少しずつ、ちっとも進んでいないかのようなペースで読み進めるのは編み物に似た楽しさがある。

    -耐えられないほど寂しいわけではない。
    どちらかというと耐えられないのは、一人になりたい時に一人になれないことの方。

    分かるなあ~~~

    一人で暮らし自分の好きなことだけをする。
    でも自由を堪能するのに一番大切なことは「自分を律する」強さを持つということ。

    人間は自由という足枷にとらわれている。名言。

    ただし番外編のインド旅行記で、同行したおばあさんについての話のラストが悪趣味すぎた。
    帰国後、おばあさんから送られてきたアスパラが大量すぎて持て余しただの、げんなりしただの、「クミコの葬式の時に北海道に行って、道内めぐりをしようね」と友達と笑っただの・・・。全然笑えもせず不快だった。何が伝えたくてこれ入れたんだろう。

  • 数ある山本文緒作品の中で、私が好きな3作品をご紹介
    『ブルーもしくはブルー』
    『ファースト・プライオリティー』
    『そして私は一人になった』

    「ブルーもしくはブルー」はNHKでもドラマ化されたので知っている方も多いでしょう
    この物語を読んで、私は本当にこんな体験がしたいって思いました
    同じ時間の空間の中に「もう一人の自分」
    過去に今の自分が選ばなかった、もう一つの道を選んだ自分と同じ時間の中にいる・・・
    この本は2年位前に読んだものですが、その時「離婚しなかった自分」に会いたくなったのです
    「離婚」という道を選ばず、今も彼と暮らしてたら、もしかして子供なんかもいたかも
    知れない・・・会社を辞めて専業主婦になってるかも知れない・・・
    家なんか建ててるのかも知れない・・・
    そんな思いに駆られていました
    自分は離婚なんかして、未だにフラフラと独身で・・・この状態ってすっごく親不孝だよなぁ
    って感じてました(いや、今も感じてますよ!)
    私は離婚する時に
    「離婚して良かったんだよ私達って言えるように、お互いに生きて行こう」
    って彼に言いました
    今思うと、非常に強がってますよね・・・
    でも、そうしないと一人で立っていられなかったんです
    私はこの判断が「良かった」と言えるのか、最近分からなくなる時があります
    自分の下した判断が良かったのか疑問になるんです
    そんな時、違う判断を下した「もう一人の自分」に会いたくなります
    会って確認したいんです『今、幸福?』って・・・

    山本文緒作品を初めて手に取ったのは「そして私は一人になった」からです
    まさに離婚して、本屋をブラブラしてた頃に買ったものです
    山本さんも離婚経験者なだけに、リアルリティーがあったのかも知れません
    まぁ、それから次から次へと山本作品を読み始めました
    「ファースト・プライオリティー」も、今自分にとって何が大事なのか悩んでた頃に
    買いました
    自分にとって何が最優先なのか・・・それはその時によって変わるのだろうし
    変わらないものもあるのだろうし・・・
    今、私にとってのファースト・プライオリティーは何だろうか?!

  • 数ある山本文緒エッセイの中でも一番好きです。
    (どうも私は日記エッセイに弱いと思われます・・・)
    元気を出したい時に読むことが多く、一時期カバンの中にいつも入っていました。

  • 大好きな作家のエッセイ。
    日記なので変わらない毎日を淡々と書いてるだけ。どっからでも読める。特に笑いどころも泣きどころもない文章だけど、なぜか面白い。文緒マジック(^_^)/
    文緒さんのエッセイを読むといつも親近感を感じる。
    それは飾らない毎日を飾らない文章で書いてくれるからだと思う。

  • このような本は好きじゃないと思っていたけど、違った。
    好きになった。
    日記で、山本文緒さんのの日常、面白かった本なども書かれていて面白かった。

  • 日記エッセイ。


    他人の日記を覗き見るのはおもしろい。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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