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みんなの感想・レビュー・書評
(80レビュー)
調香師だった恋人の突然の死。主人公は彼の過去を訪ねて様々な場所をさまよう。スケート場、図書館、恋人のかつての家、そしてチェコ・・・。
回想と現在、記憶と幻想、現実と夢、その境目が分からなくなりそうな、感覚だけが研ぎ澄まされていくかのような、そんな物語。
こことは違う世界に魅せられ飛び込んで行った人、もしその人が私にとって大切な人だったならば・・。その人が他世界に飛び込んでいく運命にあったとして、なんで私なんかとこんなに密接に、溶け合うように関係したのだろう。私はここを離れない、そのことを確信した、ような気分。
んー。。
すごい静な作品だなぁと思いました。
穏やかにスラスラって進む感じ。
博士の愛した数式みたいに数学を扱ったところもあるけど、
あの時ほど数字の持つロマンに感動したりはしなかったなぁ。
内容と書き方の違いだとは思いますが。。
静かな大人の本ってイメージです。
再読。
小川洋子はじんとする。結末云々というよりは(実際この作品もうまく汲み取れない部分はあるし)、行間を読ませる作品。空気感に酔う感じかな。
ちょっとミステリー調。でも、一度や二度じゃ分からないものを感じる。解けない、というよりも、解かせない。完璧な答えは求められていない。
水溜まりに広がる丸い波のような、静謐さ。やはり、この人の言葉が好きだ。
亡き調香師だった彼が残した香りのイメージを辿っていく物語。香りを文学で表現するのってとっても冒険だったでしょうに、ちゃんとイメージさせてもらえます。素晴らしい。いくつか読んだ小川さんの作品は、どれも予定調和をよしとしない、”たゆたう”感が独特です。
今でも彼の指先が、耳の後ろの小さな窪みに触れた瞬間を覚えている。まずいつもの手つきでびんの蓋を開けた。それから一滴の香水で人差し指を濡らし、もう片方の手で髪をかき上げ、私の身体で一番温かい場所に触れた―。孔雀の羽根、記憶の泉、調香師、数学の問題…いくつかのキーワードから死者をたずねる謎解きが始まる。
何が事実で何が嘘なのか、
事実を積み上げればそれが正しくその人なのか、他人の中で形成されたイメージをその人と言って正しいのか、
主人公は、謎解きのような、証拠探しのような旅をするけれど、しかし読者には何の答えも提示されない。
掴みどころの無い作品、透明で冷たい世界の物語、その中に、ふと織り交ぜられる、血の通ったルーキーとの記憶が、ふいに温かくて胸を打つ。静かに。
美しい鼻も。優雅に動く手も。ムード、オーラとしての香りも。彼が死んだ日に凍りついてしまった全てを、ゆっくりと溶かして、再び耳の後ろに一滴。まとえるようになるまでの記録。
喪失を確かめていくような旅。
恋人の、自分が知らなかった面を一つひとつ知っていく旅。
相手が死んでしまってからその行程を辿るのは、
とても残酷なことなんじゃないかと感じる。
それでも、静かに確かに足を進める涼子と一緒に、
最後のページまで辿りつかずにはいられない。
ひりひりとする、その余韻は長い。
”記憶の泉”。主人公の女性が恋人からもらった降水の名前。
死んでしまった恋人が残したいくつかのキーワードをたどり、旅をする。
香りと記憶の結びつきが強いという話はよく聞く。
大切な思い出は、香りと一緒にしまっておきたいと思った。
これを読んで、孔雀が見たくなり、動物園まで行ったことがある。
孔雀は園内で放し飼いにされていた。きれいだったけれど、香りはわからなかった。
不安になる作品であった。突然、恋人が自殺し、主人公は彼の生きた軌跡を追うことにするが、それは彼女が知らない顔ばかりであった。相手によりさまざまな顔を持つがただ「ルーキー」という呼び名だけは変わらない。人の人生をもじり作った履歴書。彼はなぜ死を選んでしまったのであろか。
久々に小川洋子さんの本を読み、
あぁ、やっぱりこの人の作品は好きだなぁ。と思いました。
つかみ所がない感じ、
登場人物が素敵な感じ、
静かな感じときれいな感じ、
が私は好きです。
しばらくご無沙汰だった小川洋子の作品。
彼女の作品は、本当に静けさで溢れている。
文体がそうさせるのだろうが、とても自然だ。
物語がしっとりと、それでいて優雅にたゆたうような感じ。
途中ま...
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