- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480816481
感想・レビュー・書評
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ああ、華恵さんは本と一緒に大きくなったんだ。
そのことが、すとん、と胸に落ちてくるエッセイ集でした。
父はアメリカ人、母は日本人。
幼い頃はアメリカで過ごし、両親の離婚に伴い日本で暮らすことになった華恵さん。
自身もハーフであり、アメリカ時代には周囲のいろいろな人種の子供たちと共に過ごした華恵さんは、日本に来てからは「ガイジン」と呼ばれることもあったそうです。
華恵さんの瑞々しい感性や飾らずにありのままを表現する力が培われた背景を、垣間見たような気持ちになりました。
単なる本の紹介ではなくて、その時々に本が寄り添ってくれていたことをさりげなく書いているところが好きだな、と思います。
周囲の人との距離感の描き方が絶妙でした。
これが中学生の文章なのか…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好きな本のことと、その本と結びついている思い出のことをまっすぐに書いているエッセイ。
素敵な本。
苦い失敗も、もう会えない人のことも、ひとりぼっちだった時も、友達との時間も、ちくちくと私の記憶を刺激する。
本を読む時は自分の経験を土台に物語を理解するしかない。
同じ本でも感想が変わるのは自分が変わっているから。
そして、日々の出来事に対処する時はそれまでに読んだ本から吸収した考え方や感情が呼び覚まされたりする。
同じ出来事でもある本を読んだか読んでないかで、その出来事の意味は変わる。きっと変わっている。
本を読むこともその他の経験も、相互に影響しながら自分の記憶になり、自分になっている。
その事実に改めて感動してしまう。
華恵さんの思い出は私を少し悲しくさせたけど、華恵さんにとってもその記憶が悲しいものなのかどうかは分からない。
でもとても大切な思い出なんだということだけは間違いない。
そしてそんな華恵さんの思い出が私の記憶の一部になるんだなぁ。
なんて不思議でなんて素敵なことだろう。 -
「15歳の頃に書いたエッセイ!「ずっと本と一緒だった。アメリカでも、日本に来ても、一人の時も、いろんな人に出会った時も。」だから、大切な思い出は必ず本と結びついている。ほの甘く、おだやかで、ちょっぴり切なくて、途方にくれたりもした少女時代。そのひそやかな輝きを永遠に閉じこめたのびやかで瑞々しいエッセイ集。」
目次
I Like Me!
Deputy Dan and the Bank Robbers
Goodnight Moon
Madeline
Yo!Yes?
Green Eggs and Ham
きつねの話「てぶくろを買いに」「きつねとぶどう」
はせがわくんきらいや
ぼっこ
シューマン
小さき者へ
ココナッツ
卒業
非色
著者等紹介
華恵[ハナエ]
1991年アメリカ生まれ。6歳から日本在住。10歳よりファッション誌でモデルとして活動。2003年の『小学生日記』(プレビジョン、のち角川文庫)で、その素直な感性と文章を高く評価される。2006年から筆名・芸名をhanae*から華恵に変更し、『本を読むわたし』を刊行
「彼女の柔らかな感性はとっても優しくとっても鋭い。出合ってきた本によって感じたことのひとつひとつが細胞になって華恵さんんという素敵な女の子を作り上げていったのだと思う。ーたくさんの思い出の傍らに本がある。でも、決して本だけがあるんじゃない。本の世界に逃げ込むのではなく、本を通していろいろな世界とちゃんと繋がって生きることが出来る強い女の子なのだと思った。」
(『小泉今日子書評集』の紹介より) -
瑞々しくて素直な文章で感動した。学校でひとりぼっちになってしまった苦い思い出や恋の話などのプライベートな内容を自意識過剰になりがちな15歳という年齢でストレートに綴っているのがすごい。
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何て素直なんだろう!
15歳の作品とは思えない。
瑞々しくて、ちょっぴり切ない。
「いつも本があった」
「大切な思い出は、必ず本と結びついている」
華恵さんに心からのありがとうを言いたい。 -
「15歳の少女が書いた珠玉のエッセー集」
所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=K24551 -
【夏の読書 6冊目】
学級文庫用に。本にまつわるエッセイ。「いつも本があった」「ずっと本が一緒だった」そう言い切る華恵さん。清々しく、格好が良い。私には眩しすぎるくらいでした。 -
Z会5年4月号で紹介されていた本。
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すごいなあ。この本を書いた時、彼女はまだ中学生くらい?こんなに素直に自分と向き合えて、感じたことを言葉にできて。色々な本との出会い、それにまつわる思い出が丁寧につづられていて、「本っていいなあ」としみじみ思えます。すごいわ。
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装画・挿絵/すがわらけいこ 装幀/吉田篤弘・吉田浩美