失われし一族 (下) <ヴァルデマールの風 第二部> (創元推理文庫)
- 東京創元社 (2006年1月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488577094
感想・レビュー・書評
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<b>bravo!</b>
Standing ovationです。大喝采です。
いや、名作を読むとはこういう事なのですよ。うんうんうん。
だから、読書はやめられないって強く想います。
<ヴァルデマールの風>第二部、読了いたしました。
Luckyが素晴らしいのは、全てを丁寧に解決していく手法ですね。
些細な事柄であっても、細心の表現で、とても丁寧に解きほぐしていく。
そして、chronicleというstyleを活かし、様々な事実を見せる。
それも、とても絶妙なtimingで。
だから、frustrationなんて全然感じません。
とにかく物語へ引き込まれ、ただただ夢中で読み進めていくことが出来る。
勿論、その物語は先にも書いたように、極上です。
読了後、ほぅっと一つため息をついて、余韻にどっぷりと浸かることが出来る。
これが、文学の、fictionの、そしてfantasyの力です。
忘れちゃいけないのが、seriesの訳者である山口緑さんの存在。
この人の、これまた丁寧な訳があるからこそ、この物語がここまで素敵なのですから。
きっと、原書で読んだとしても、ここまでの悦楽は無いのじゃなかろうか。
言い回しとか、表現の手法とか、きちんと日本語になっている。
この事実が、読み手をどれだけ助けているかは想像に難くないです。
やはり、母語で読むのが、感受性へ到達する一番の近道だから。
そして名著であっても、訳でぶち壊されることは往々にしてある。
だからこそ、山口さんが本seriesを訳しているという現実に、心よりの感謝を。
そして、その素晴らしい訳に、同じだけの賛美を。
ヴァルデマール年代記は、間違いなく、現代幻想文学の傑作の一つです。
刊行済みの訳が待ち遠しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読ー。
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クライマックスの、魔法での戦いのシーンはあっけなく、物足りなく感じたな。
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まあ、エルスペスもスキッフも良かったですね。ラッキーってフェミニストよね。