企業再生プロフェッショナル

制作 : 西浦 裕二 
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532314941

作品紹介・あらすじ

企業再生プロフェッショナル(ターンアラウンド・スペシャリスト)は、経営の行き詰まった会社に乗り込み、実際に経営に参加して経営を中から立て直す再生人。けっして「コンサルタント」ではなく、外部から雇われた暫定的な大将として他のチームメンバーとともに難しい局面を乗り越えるべく実際に「闘う」ことが使命だ。厳しい戦局を読み、戦い方(解決策)を考えるだけでなく、クライアントチームと一体となって「実際に作り上げていくこと、実際に変えていくこと」が企業再生の鍵となる。本書では、「企業再生」というプロセスが、実際にはどのように進んでいくのか、そして、そうしたプロセスに「企業再生プロフェッショナル」がどのように関わっていくのかについて、具体的に紹介していく。

感想・レビュー・書評

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  • 架空の上場企業を題材に、事業再生の一連のプロセスを小説形式で展開。

    事業再生のなかでも、主にコストダウン(人件費削減や経費節減)、生産工程の改善などをおおまかに解説。

    また、子会社の売却をトピックスとしてセルサイドのM&Aや、民事再生法による再生スキームなどが進められていく。

    事業再生の大まかなイメージをつかみたい人にはお勧め。

  • 感動したかと言われれば結構感動した。
    感動したポイントは、『君たちはどう生きるか』でいうところの「人間分子の関係、網目の法則」にあたる、ビジネスのシビアな意思決定や非人間的に見えていた数字の扱いの裏に、生々しい人間の意志があったというところへの気づき。大人になるということは、世界の人間の網目が見えてくるようになってくることなのかも、と感じる。
    本書は、ターンアラウンドスペシャリストが、経営再建を迫られる企業の「傭兵」となって、収益構造を改め、不正の根を断つ物語である。業務改善、債権者との交渉、社内人間関係のもつれの解消、組織文化の改善、子会社の売却、サプライヤの削減と再選定と契約の見直し、株主の確保、債務の私的・法的整理など、するべきことは多岐に渡る。結局それは、事業の継続が結果的に利益を生むのであると、ステークホルダーに納得してもらい、事業そして企業の存続をしていくための手段である。これを達成するために、情報の出し方やタイミングを変えながら、ステークホルダーとの関係に配慮しつつも、自社の事業継続という至高命題を最もうまく達成するために現場と人間関係をコントロールしながらステークホルダーとの交渉をしていく。これにあたって、専門知識は前提でありながらも、最終的にはそういう人間関係に配慮してうまく自分にも他人にも上手い落とし所を作っていけるか、という交渉力もしくは人間力が重要になってくるのだと感じた。
    また本書では、企業再建のためには、個社の努力ではどうしようもない産業構造の問題があることも指摘している。ミクロではどうにもならないマクロの環境の問題があれば、その時は企業個社を超えた統合や連携が必要になるという話だが、これはビジネスを見るときのリテラシーになると思った。

  • 企業再生プロフェッショナルファームの亜リックスパートナーズが、再生のリアルをストーリー仕立てで描く。様々な改善が行われていくが、企業再生プロ自身へのフォーカスをもっとして欲しかったところ(同様の戦コン本との差別化という意味で)。

  • 学生時代に読んだ本であるが、直近のプロジェクトでビジネス・デューデリジェンス(BDD)にアサインされる機会があったので再読。

    具体的なストーリーをもとに記載されている。コストダウンや生産体制のターンアラウンド等は、ビジネス・デューデリジェンスの際に考えるQuick HitやUpsideでのシナリオを考える上で、各施策がディール後にどう実施されるのか、P/Lに与える影響を実感を伴って把握する上で、非常に有益であった。

    後半で登場する子会社の売却は、BDDでの関係者の役割やディールの全体像を把握する上で役に立つ。

    戦略コンサルティング会社でBDDを初めてやったアナリストが読むと学びは多いと思う。

  • 適度な説明とリアルな描写で、小説を読むようにターンアラウンドの現場で起きていることを知ることが出来る。良本。

  • アリックスパートナーズのメンバーによる物語形式でまとめられた一冊。最初、パソコンのソーテックの話なのかな?と思いつつも書中で記載されている通り複数の企業再生のエピソードをまとめているのだろうということで納得。華やかに見える企業再生の現場はその実ものすごくドロドロとしてて人間的なものであるということと、新しいことを始めること以上に多大なパワーが必要なんだなということを実感するわけで。

  • ストーリー仕立てで企業再生の実務を説明。潰れそうな会社を民事再生まで行う泥臭い話ですが、何が起こるかわからない世の中だから知っておこーっと。

  • amazonで検索して購入。著者の西浦氏は住信⇒シティ⇒ローランドベルガー⇒アリックスパートナーズ。
    感想。企業再生本はこの本のように物語仕立てが多いけど、ほかの本よりもノウハウの提供が具体的で内容も高度。特にスポンサー選定、BPRのプロセス、粉飾の発覚、購買コスト削減。業務フローがよくわかる。
    備忘録。
    ・企業再生人⇒複雑な問題を同時に解決する司令塔。
    ・人員リストラの基本は管理職と管理部門。営業に悪影響がでないようにコスト削減を実現するのが重要。
    ・競合品の分解展示(ティアダウン)⇒全く新しい見識。
    ポイント的なスキルよりも業務フローが参考になった。

    そんなとこ。

  • 2012/03/03
    この仕事、大変だけどやり遂げたときの達成感は半端ないと思う。
    そこをしっかり理解させてくれるからこの本はありがたい。
    書ききれていない課題解決とかが多々あると思うけど、
    どうやって解決していくかのノウハウは提供してくれているので
    実践に応用できるかどうかはこちらの問題かな。

    ベンチマーキングってどうやって他社情報を詳細に拾ってくるんやろう。

  • 危機の到来、企業再生の依頼、コンサルティング実行、再度の危機、法的手続き。物語形式故の臨場感がありました。各章の最後に用語の解説等がありますので、知識の吸収も可能です。

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