交響曲「第九」 歓びよ未来へ! 板東俘虜収容所 奇跡の物語

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  • Amazon.co.jp ・本 (46ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569787534

作品紹介・あらすじ

「第九」アジア初演の地、徳島県鳴門市板東。板東に転校してきた愛子が、「第九」の歴史や当時の人々の想いに触れ、成長していく物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「信頼、友情、寛容、感謝、自由、責任…そして、しっかり生きること。そう、人生において大切なことは、すべて『バンドー』にあった」

    1917年4月9日
    松山、丸亀、徳島の収容所から約1000人のドイツ兵俘虜がバンドーに集められた。

    松江豊寿所長(会津藩出身)
    「私は、祖国のために勇敢に戦った君たちを歓迎する」
    「彼らドイツ人たちも、国のために戦ったのだから」

    パン屋、肉屋、家具屋、写真屋、靴屋、菓子店やレストランができ、運動場が出来、2つのオーケストラが出来た。
    地元の人たちとの交流。

    信頼が信頼を生む。

    1918年6月1日
    ヘルマン・ハウゼン指揮のもと、アジアで初めて『第九』が全楽章演奏される

    その翌年、ヴェルサイユ条約により俘虜は解放される。

    〇人と人との交流の大切さ
     とはいえ、収容所が出来るような事態が起きないように、つくらないように、世界で運営されている所はバンドーのようでありますように。
    〇坂東の人々の懐の広さ。
    〇松江所長のその後も知りたい
    〇俘虜収容所のエピソードに絞って、感想は読み手に任せても、余韻が残るお話に思う。
    〇第1次世界大戦の日本のドイツ人俘虜収容所は、大らかなとこが多かった?国際社会、ハーグ条約。
    〇当時、ドイツ人俘虜から日本にもたらされた、食や音楽の文化、技術。←人道的な収容所であったからこそ

  • 第九にこんな秘密があったとは。。
    恥ずかしながら知らなかった。
    小学生の読み聞かせにも良い絵本だなぁと思いました。

  •  ずいぶん前に読んだ『ドイツさん』とか、映画『バルトの楽園』と同じ、板東俘虜収容所の物語。作者のくすのきさんは、坂東の出身。

  • 坂東俘虜収容所、この作品で初めて知りました。
    俘虜でありながら自由でいる、自由でいるために制約を自ら話し合い従う。お互い信頼しあう。多くの犠牲を出した戦争の中で、敗者をも尊重する稀有な出来事。
    音楽で繋がる人々。心の支えと喜び。第九、まさに「歓びの歌」。
    船で帰るラストシーン。絵にも味があります。

  • 日本で初めて第九が歌われた場所とその経緯を書いた本。

  • 徳島県にあった、坂東捕虜収容所、のことをご存知でしょうか?
    捕虜も人間、国のために戦った人だ、と、とても人道的に運営された、奇跡の収容所、といわれているところです。
    捕虜といってもそれまでは普通の人々なので、なかにはパン屋さんや肉屋さんや音楽家などもいたので、ドイツパン作ったりソーセージ作ったり、オーケストラ作ったりして、町の人に聴かせたり教えたりしてたそうです。
    そこで、日本ではじめて第九を歌ったので、いまでも六月になると坂東市では第九を歌う……。
    12月じゃなくてね。

    そういうわけで彼らは国に帰ったあとも日本に戻ってきて暮らした人もいたし、向こうでバンドー会なんてのを作って交流してたりして日本に対していい思い出をずっと持ってくれた……。
    ポプラ社から「響け!歓喜の歌声」という本が出てます。
    詳しいことはそちらを見てください。

    いじめれば憎しみしか生まないし、大事にすれば幸福と親愛が生まれる……。
    それがちょうど1918年、100年前なのです。

    くすのきさんが、坂東出身とは知りませんでした。
    この絵本、作ってくれてありがとうです。
    みんな、六月の読み聞かせにはこの本を読もう!

    2018/06/01 更新

  • 第一次世界大戦時、中国青島で、日本と戦って破れたドイツ兵は徳島県にある板東俘虜収容所に送られた。

    ここでは、松江所長の考えにより、ドイツ兵の人権が尊重され、閉鎖まで徴兵されるまでの職業を活かした特技で様々な活動が行われた。
    中でも音楽活動は活発で、日本初の第九の演奏が行われた。それから100年。

    第九の意味
    歓喜よ
    美しい神々の火花よ
    天上の楽園の乙女よ
    我ら情熱にあふれ、
    崇高な、あなたの、聖なるところに
    足をふみ入れる
    あなたの奇しき力は再び結び合わせ、
    あなたのやわらかい翼の
    とどまるところ、
    すべての人々は
    兄弟となる

    寛容であること
    すべての人が兄弟になること
    平和への願い

  • 今年はアジア第九初演100周年――鳴門市で記念イベント開催!【5/27(日)~・鳴門】 | PHP研究所
    https://www.php.co.jp/news/2018/05/daiku100.php

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    「第九」アジア初演の地、徳島県鳴門市板東。板東に転校してきた愛子が、「第九」の歴史や当時の人々の想いに触れ、成長していく物語。
    https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-78753-4

  •  第一次大戦でドイツ人俘虜たちが暮らした坂東俘虜収容所の物語。

     アジア初の第九が演奏されたのが、坂東だったのです。

  • WW1の頃の話。「第九」アジア初演の地、徳島県板東俘虜収容所。板東小学校に転校してきた愛子は「第九」の歴史や当時の人々の想いに触れ、成長していく。

    主人公は小3 

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著者プロフィール

児童文学作家。1961年生まれ。徳島県鳴門市在住。鳴門教育大学大学院修了。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などをへて、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を行う。絵本の主な作品に『おこだでませんように』(小学館)、『Life(ライフ)』(瑞雲舎)、『ええところ』(学研)、『ともだちやもんな、ぼくら』(えほんの杜)、『あなたの一日が世界を変える』(PHP研究所)、「いちねんせいの一年間」シリーズなど多数。2019年、新しい文学のスタイルにチャレンジした短編集『海の見える丘 あなたの未来へ贈る5つのものがたり』)(星の環会)を上梓。

「2020年 『5つの風の絵ものがたり(全5巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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