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みんなの感想・レビュー・書評
(23レビュー)
加害者の独白による「殺意」と被害者が刺されてから死ぬまでの三分間の意識の流れを綴った「鬼哭」。一つの殺人事件を二つの視点から追った異色作。
つい今まで笑い合っていた親友を躊躇なく殺す。激情に駆られたわけでもなく、殺意を抱いたのは三年前だ。なんという持続力、きっと相当の事があったに違いなく、それがこれから語られるのだろうと期待していた。が、古代からの本能までいっていしまうと・・・
私も「なぜ?」と問いたくなる。やはり分からないものは怖いから、これも本能だろう。
対して「鬼哭」の語り手である被害者は、とことん哀れだ。自身に何が起こったのか、何故殺されるのかよく分からないまま、惨めに生に縋りつこうとしている。此方の方が心理的に断然面白かったが、それも「殺意」があってこそだろう。
◆あらすじ◆
『殺意』は、加害者・真垣徹の独白で綴られている。
内なる大輪の花に魅せられ、彼は「殺人者」になる。
『鬼哭』は、被害者・的場直弘の独白で綴られている。
それは刺されてから死ぬまでの三分間の意識の流れ。
「おそらくミステリー史上、かつてない試みであろう。
……エンターテインメントの域をはるかに超え出た力業である。
と評された異色作。
くどくどくどくど描かれる心理。人間の心の中はそんなもの?ひたすら同じことを、ただ繰り返し考えているのかもしれない・・・他人からすると、それはとても飽きてきてしまうのね。そこにリアルを感じ、それが怖い。ただ、どうもこの二人好きになれないよ!
「呆れてものが言えねえよっ!」という一言を言われてから、師とも友とも兄とも思う的場を殺してしまった真垣。その真垣の独白からなる「殺意」と、刺された的場の死への三分間の漂う意識を詳細に書かれた「鬼哭」からなる。どちらにも何も救いがない。全体的にくどい。人間の意識は堂々巡りするのだからまあ、意識に忠実といえば忠実。殺人の動機を探ることの無意味さを訴えているのだろうが、結局何が「呆れてものが言えねえよっ!」なのかが分からずすっきりしない。殺される的場の薄れゆく意識のあり方はリアル。
これは変わった小説です。まず前編「殺意」が殺人を犯した加害者側から描いた作品で、後編「鬼哭」が殺された被害者が死に至るまでの数分間の内に考えた色々なことを描いた作品。
他にはない画期的な作品だと思います。
内容はちょっと暗めで、自分と照らし合わせて気が滅入る作品でもありました。
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