これからはあるくのだ

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652071878

感想・レビュー・書評

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  • 2010.12.11. とても好きな感じ。若い角田さんを感じるし、読んでてとてものびのびする。特に、名前にはひとつひとつ世界があるという話が好き。友だちとスペインに行った時、地元の人に名前の意味を聞かれて、光代は光の世界、洋子は海、と端的に答えたその友だちにとても素晴らしいセンスを感じます。

  • 「記憶の食卓」というお話では、年をとってくると人は記憶を間違ってインプットしがちである、ということが書かれていました。わしも思い当たることがものすごくあります!!
    ものっすごく趣味の悪いハンカチが必ずわしの箪笥にはいってるんです。おかんが勝手にたたんで入れてくれてるんですが、絶対にわしはこんなセンスの悪いハンカチは買いません。なのにおかん曰く「あんたが近鉄百貨店のワゴンセールで買ってきたんやろ!」と譲らない。ていうかこの10年その店でハンカチを購入したことは一度もないっつうか、そもそもそんな柄買うかっつーの!一応年頃の娘なので、持っているハンカチはバーバリーだとかそういうブランド系を持つよう心がけているのに!そんな総花柄みたいな大味なハンカチ誰が買うかいっ!でもそんな乙女の意見はおかんの強力な脳みそに届かないのです。そしてまたそのハンカチはわしの箪笥に入っているというメビウスの罠。

  • 散々怠けた子供だった如くに書いてあるが経歴見たら早稲田卒。
     なんだかイヤな感じである。

  • ぐんぐん、という形容詞がぴったりな気がする。名前の話が印象的。

  • 私は角田光代さんという作家がとても好きだ。
    とても角田光代さんらしい個性を感じられるエッセイだった。かなり変わった人だと思う。廃屋に入って行ってしまうし、大学で凧揚げをしてしまう。
    そんなかわった(作者はかわっていると言われることが嫌だそうだ)彼女の世界を垣間見ている気分になれる。


    天国というエッセイと喧嘩上等が好きだった。
    喧嘩上等では、まるで穏やかな日常に馴染むことのない激しい喧嘩が作者の穏やかな日常に現れる。その怒りを筆者は「純度の高い怒り」と表現する。純度の高い怒りの言葉遣いは限りなく幼稚で、そういうときに人というのは信用できるものだ、と感じるらしい。
    彼女の感性は浮いているようでも人間味に溢れていると感じた。

  • この人、デリカシーないな。

    「周りの痴話喧嘩に気付くも、立ち止まって聞いてるのは私1人だけ。ということがおおい。」

    そりゃそやろ。周りは気遣って見んようにしとんねん。
    図書館前で喧嘩してる内容を聞くために、
    牛歩戦術使って盗み聞きしてるところとか、光景想像すると少し気持ち悪い。


    「廃屋に入るのが好き、
    そこに居た人たちの生活が垣間見える。」

    いや止めろや。あほなん。
    エッセイのネタ拾おうと果敢にそういう場に踏み込んでんのか、
    鼻からこの人がそういうタイプなのかわからんけど。後者なら今後の作品触れ合い方も考えたい..。

    「私が通いっていた大学には、
    校門を入ったところスロープがあり、
    よく大学生の時にはよくそこを走って友達と凧を上げていた」

    だからやめろや!

    「しかし凧を上げ始めて30分もしないうちに、
    常駐している管理人が私たちを一喝した」

    そりゃそやろ

    「激昂された意味がわからず首を傾げてしまう。
    怒られたことがショックで私は涙ぐんでおり、それを友達に気づかれまいと必死だった」

    公園行けや。




    冒頭に書かれている、
    「人を喜ばせるプロフェッショナル」がとても素敵な内容だったので一気に引き込まれた。
    名作家はエッセイもやはり上手いのかと期待に胸躍ったが、

    後半からは著者の人間としてのイヤらしい部分が回見えて、読み進めるのが苦痛。
    「盗み聞く」が中でも1番最低なので、逆に未読の方は是非読んでほしい。

  • 角田さんのエッセイが好きだ。
    ゆるく読めて、わかるわーと思うのもあるし、分からんわーっていうのもある。

    でも、感覚的に好きだ。

  • 恐らく一般的な人よりマイペースな時間が流れている著者の内面が垣間見れた。著者の超人的な文章力の秘訣は自分のペースを徹して守ることにあるのかもしれない。

  • 名前の話の描写がすてき。
    この方を通してみた世界が詳しく想像できる文章とそれを想像しながら読むのが楽しい。
    今から15年前ということでお若いときのことで古い話ではあるはずなのにすんなり古くさくなく読み終えた。
    表紙も含む写真がトイカメラ風。この着こなしは今でもナチュラル系でいけると思う。

    印象的だった部分と単語おぼえがき

    バスからの風景を眺める描写
    盗み聞く(おじと姪)
    歯医者通い
    バッグの中の(バッグの中身拝見記事が好きだから)
    飛行場

  • 冒頭に忌野清志郎の「スローバラード」が好きと書いてあったので読み始めた。何かそれだけで角田光代はいいオンナに違いないと確信してしまった。初めてちゃんと聞いた「君が代」が清志郎バージョンというのには少し驚いたけど。なんとも可愛らしい人だ。一緒にお酒を飲みながら話をしてみたい。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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