VOL 01

制作 : 萱野 稔人  酒井 隆史  平沢 剛  松本 潤一郎  渋谷 望  矢部 史郎  松本 麻里  田崎 英明  高祖 岩三郎 
  • 以文社
3.30
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753102471

作品紹介・あらすじ

新たな理論誌の創刊!
理論/アート/運動をラディカルに組み替える新思想誌『VOL』の誕生。酒井隆史、萱野稔人、渋谷望氏など若手思想家を編集に向かえ、新たな「思考の場所」を取り戻す!

現在の日本において、「運動」という言葉を目にすることは非常に少なくなりました。運動を実践することは批判の対象にされ、そこから距離を取るような脱・政治的な態度こそが思想的である、という風潮さえ感じます。しかし、シアトル、ジェノバでのWTO閣僚会議への抗議行動や昨年フランスで起きた暴動、あるいは南米の自由貿易協定への反対運動などを見ると、そのような日本固有の思想的、政治的現象の方がむしろ非常にローカルなものにさえ見えてきます。世界においては、オルタナティヴな共同体の創造を目指して、次々に新しい実践がなされ、それに伴い、様々な思想的、文化的実験が活発に行なわれています。そこでは、広義な意味での「運動」が、理論、思想、文化的な作業と分かち難く結びついているのです。
私たちは、『VOL』において、理論を理論として、思想を思想として、文化を文化として、芸術を芸術として、表現を表現として、実践を実践として捉えるのではなく、このような「運動」に依拠した横断的な試み出来ないかと考えています。しかしながら、これは独創的でも、画期的な発想でもなく、かつての1960年代を中心とした日本が持っていたであろう「世界性」を、もう一度獲得し直すことでもあるのです。現在性を手放さないと同時に、歴史を検証し、そこから学ぼうとするのは、逆説的に現在を問い直すことと同義だと言えるでしょう。『VOL』によって、こうした様々な作業を継続的に重ねていくことができればと思います。(VOL編集委員より)

感想・レビュー・書評

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  • http://d.hatena.ne.jp/KANAH0/20110504/1304495471

    ◆VOLUME ONE - WHAT IS THE POLITICAL
    第1特集 政治とはなにか

    ◇DISCUSSION 討議
    「政治とはなにか」白石嘉治+酒井隆史+田崎英明+萱野稔人+松本潤一郎

    ◇MONOGRAPHS 論考
     「政治についての10のテーゼ」ジャック・ランシエール/杉本隆久+松本潤一郎=訳
     「ドゥルーズと可能的なもの──政治における非主意主義について」フランソワ・ズーラビクヴィリ/大山載吉=訳
     「政治・平等・出来事──いま政治を考えるためのブックガイド」酒井隆史
     「無意識と政治──ドゥルーズ・ジジェク・バディウ」松本潤一郎
     「何も起こらない世界──延命か中断か」篠原雅武

    ◇ESSAYS エッセイ
     「埒外な彼女たち・埒外な取引」松本麻里
     「収奪とミクロ搾取──マイク・デイヴィス『スラムの惑星』について」ケン・カワシマ/比嘉徹徳=訳
     「(小さな)政治が充満する」矢部史郎
     「亡霊たちのブローバック」渋谷望

    ◇SERIAL INTERVIEW 連続特別インタビュー
    Global Activism, Global Theory 01
     「新しいアナーキズムの政治」デヴィッド・グレーバー/高祖岩三郎=聞き手
    History of Movements 01
     「運動のオートノミーをめぐって」粉川哲夫/平沢剛=聞き手


    ◆VOLUME TWO - AVANT-GARDENING
    第2特集 アヴァン・ガーデニング

    ◇MONOGRAPHS 論考
     「アヴァン・ガーデニング」ピーター・ランボーン・ウィルソン(ハキム・ベイ)/金田智之=訳
     「庭=運動〔アヴァン・ガーデニング〕以後」高祖岩三郎
     「VIVA ロイサイダ・リブレ」ビル・ワインバーグ/近藤真里子=訳
     「集客都市の暴力」原口剛

    ◇INTERVIEW インタビュー
     「大地の奪還をめざして」ラファエル・ブエノ/高祖岩三郎+酒井隆史=聞き手/比嘉徹徳=訳

    ◇ESSAYS エッセイ
     「NYコミュニティガーデン盛衰史」トシダ・ミツオ
     「台所とお化けたち」五所純子
     「世界を震撼させなかった3日間のように」究極Q太郎
     「コインランドリー・グルーヴ──生き抜くために必要なこと」RADIO MAROON
     「ゲリラ・ガーデニング N.Y.C.」アゲマツ・ユウジ

    ◆VOL/CRITIC VOL/BOOK
    巻末別帖コーナー 時評・書評

     「PSE法は階級の問題である」二木信
     「西成の〈経験〉──SHINGO☆西成というラッパーについて」村上潔
     「〈帝国〉を追いかけて 富山妙子の仕事」菊池亮
     「IRREGULAR RHYTHM ASYLUMヨリ」成田圭祐
     「文学の名において──ネオリベラリズムに抗するために」白石嘉治
     「都市空間をめぐるアート/闘争、そして活動家〔アクティヴィスト〕の理論」高祖岩三郎

    *****

  • http://d.hatena.ne.jp/KANAH0/20110504/1304495471

    ◆VOLUME ONE - WHAT IS THE POLITICAL
    第1特集 政治とはなにか

    ◇DISCUSSION 討議
    「政治とはなにか」白石嘉治+酒井隆史+田崎英明+萱野稔人+松本潤一郎

    ◇MONOGRAPHS 論考
     「政治についての10のテーゼ」ジャック・ランシエール/杉本隆久+松本潤一郎=訳
     「ドゥルーズと可能的なもの──政治における非主意主義について」フランソワ・ズーラビクヴィリ/大山載吉=訳
     「政治・平等・出来事──いま政治を考えるためのブックガイド」酒井隆史
     「無意識と政治──ドゥルーズ・ジジェク・バディウ」松本潤一郎
     「何も起こらない世界──延命か中断か」篠原雅武

    ◇ESSAYS エッセイ
     「埒外な彼女たち・埒外な取引」松本麻里
     「収奪とミクロ搾取──マイク・デイヴィス『スラムの惑星』について」ケン・カワシマ/比嘉徹徳=訳
     「(小さな)政治が充満する」矢部史郎
     「亡霊たちのブローバック」渋谷望

    ◇SERIAL INTERVIEW 連続特別インタビュー
    Global Activism, Global Theory 01
     「新しいアナーキズムの政治」デヴィッド・グレーバー/高祖岩三郎=聞き手
    History of Movements 01
     「運動のオートノミーをめぐって」粉川哲夫/平沢剛=聞き手


    ◆VOLUME TWO - AVANT-GARDENING
    第2特集 アヴァン・ガーデニング

    ◇MONOGRAPHS 論考
     「アヴァン・ガーデニング」ピーター・ランボーン・ウィルソン(ハキム・ベイ)/金田智之=訳
     「庭=運動〔アヴァン・ガーデニング〕以後」高祖岩三郎
     「VIVA ロイサイダ・リブレ」ビル・ワインバーグ/近藤真里子=訳
     「集客都市の暴力」原口剛

    ◇INTERVIEW インタビュー
     「大地の奪還をめざして」ラファエル・ブエノ/高祖岩三郎+酒井隆史=聞き手/比嘉徹徳=訳

    ◇ESSAYS エッセイ
     「NYコミュニティガーデン盛衰史」トシダ・ミツオ
     「台所とお化けたち」五所純子
     「世界を震撼させなかった3日間のように」究極Q太郎
     「コインランドリー・グルーヴ──生き抜くために必要なこと」RADIO MAROON
     「ゲリラ・ガーデニング N.Y.C.」アゲマツ・ユウジ

    ◆VOL/CRITIC VOL/BOOK
    巻末別帖コーナー 時評・書評

     「PSE法は階級の問題である」二木信
     「西成の〈経験〉──SHINGO☆西成というラッパーについて」村上潔
     「〈帝国〉を追いかけて 富山妙子の仕事」菊池亮
     「IRREGULAR RHYTHM ASYLUMヨリ」成田圭祐
     「文学の名において──ネオリベラリズムに抗するために」白石嘉治
     「都市空間をめぐるアート/闘争、そして活動家〔アクティヴィスト〕の理論」高祖岩三郎

    *****

  • 難解な部分が多い本でした。

    それでもアヴァン・ガーデニングという思考に出会えたのはよかった。

    すぐに違う本へと移るのではなく、この本にいろいろ書き込んでいって自分の思想を磨いていきたいな、と思えた。

    とりあえずまだ読む余地あり。素直に理解しきれていない部分が多いと認めよう。

  • ハキム・ベイは最高だ。この闘争する隠者、行動しないアクチュアリスト、唯物的な神秘主義者の、1999年の"Avant-Gardening"が最近創刊されたVOLに掲載されている。
    まるでスモーキーなイメージの連合弛緩の糸をたどるような文体を辿りながら思考の流れをトレースすると、刹那鋭く、彼の視線は永遠の自由主義者として焦点を結び、グローバル資本に対する闘争の牙をむく。スリリングかつクール。簡単に要約しよう。

    現在のグローバル資本経済において、あらゆるものはイメージによって置換されてしまった。人間の生命原理である食さえも、DNA管理された農作物によってその自然としての本質は剥奪されている。
    あらゆるものがイメージに置換された世界には、既に人間自身が自由にイメージを働かせられる余地は残っていない。
    全ての生命は、この経済原理の元に、全てクローン化される運命を持ち、最終的にはシステム=貨幣自体が、人間に変わる主体を持つようになる。

    それに対抗する手段として、現在考えられるもっとも有効なことは、グローバル資本のマージナルから外部に位置しようとせよ。
    自家栽培せよ!
    ガーデニングだ。ガーデニンング的快楽は、農業ではない。楽園的快楽世界に属するものだ。世界とのリアリティをそこで回復せよ。
    ナチュラル・ドラッグのガーデニングは、資本からの自立を促す。
    シャーマン的ガーデニングが、アヴァン・ガーデニングの本質である。
    それは人生に霊的意味を付与する。
    君自らの世界を育てよ。


    ダンディズムとその煙臭さにクラクラ。かつ周辺から、世界を撃つ鋭さと。

    「グローバルに考え、ローカルに行動せよ」


    ☆ハキム・ベイ以外は読む所がありません・・・ってゆうかこれと他の落差が惨すぎる。
    レディオ・マルーンくらいか。

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