しあわせのねだん

著者 :
  • 晶文社
3.48
  • (21)
  • (85)
  • (125)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 448
感想 : 91
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794966681

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 作者の角田光代さんが、過去に書いた、家計簿の内容を振り返りながら、当時どのような場面・
    考え・金額を使って何を得たかを日記みたいに書いた物語だった。

    全体的にエッセイ要素が多く、まるで作者が話しかけているような書き方でとても読みやすかった。
    本文を読んでいくにつれて、作者の角田光代さんの好き嫌い(食べ物や事柄)、また、どのような性格かというのが具体的にわかった。

    家計簿は収入や支出がわかるだけでなく、書いている人の生活環境や性格・考え、思い出が分かることを気づいた。

  • 角田先生ってやっぱりおもしろいひと笑。母親との旅行はなんだかグッときたなぁ

  • お金をいくら稼いだか、とか、貯金がいくらあるか、とかではなく、その人が何に対してお金を使ったかがその人自身を作る、という考え方がとても好きだと思った。
    物欲に負けて衝動買いしたこととか、大失敗の旅行にかかった費用も、単なる「無駄」になったんじゃなく、「経験や思い出」に変わったんだと言い切れる角田光代の潔さがうらやましいなぁ。
    このエッセイを読んでいたら、たまには欲にまかせて思いついたものを買ってみるのもいいのかも、とついつい思ってしまった。

  • 読みやすくてクスッと笑える。イライラしやすいとか共通点もあったりした。
    お金を使う時、品物と一緒に何か別のものも確実に手に入れていて、大事なのは品物よりそっちの方かもしれない。と買いてあって
    確かになぁと思った

  • しあわせのねだんにホッと癒やされる優しくて面白い本でした。表紙の絵がとても可愛い。

  • 一つの章が短いので読みやすかった。
    値段とそれを購入した経緯や理由が書いてあって面白かった。

  • 角田さんが好きで一時角田さんの小説とエッセイばかり読んでいた時期があったなぁ。
    角田さんの感覚というのかな…なんかとても楽しい方で。
    飾らずご自分の素のままのエッセイが心地良い。
    気取ってないから読んでいてものすごく楽で安心する。
    他のエッセイもまた読み直そうかな…

  • 品物の金額や食事の料金、宿泊費などのお金にまつわるエッセイ。

    待たされるとすぐにイラついてしまったり、食べ物の好き嫌いも克服するまではだいぶ多かったりする、角田さんの子どもっぽい部分が前面に出ていたように感じる。

    カメラ付携帯電話! Suica! 電子辞書!
    そういうものを手に入れて騒いでいるあたりに時代を感じた。

    明らかに人手不足の飲食店で角田さんは長々と待たされて、「昼食代を無料にします」と店長に言われる。払わせてくださいと言ったが、結局半額の支払いに収まり、怒りのエネルギーがくすぶったままだとしょんぼりした、というエピソード。
    長時間待たされてイライラする気持ちもわかる。けど、居酒屋でバイトしていた実体験を踏まえて言うなら、人手不足でうまく回らなくなった状態の店で働いているほうも相当に辛い。お互い気持ちにもう少し余裕があれば、と思わずにはいられなかった。

    ”サービスが良くなかったので無料にしてもらったり半額にしてもらったら、店員さんに怒ることはできない。正価を支払っていれば怒ってもいい”という理論はどうなのかな。そもそも、怒っていい状況とは、と考えてしまった。

    (怒らずにヘラヘラしながら生活したい、と強く願う)

  • 読んでいて気持ちのいいエッセイではなかった。特に、ある編集者さんに対する文章。何もこのような形で反論しなくても。身近な友人達にでも愚痴ればいいのに。

  • お風呂は嫌い、酒好き、たばこ好き、そして、たぶん猫好きの角田光代さんの「しあわせねだん」、2005.5発行、1967年のお生まれですから、37~8歳の時の作品です。楽しいエッセイです。面白かったです(^-^)お会いしたことはありませんが、とても「気さく」な方ではないかと思います(^-^)「食べる」と「飲む」は同一行動と思ってて、編集者の「ごはん食べましょう」との誘いにのったとき、別々の行為もあるんだと認識したそうです(^-^)角田さんの「しあわせねだん」、高いか安いかは読書が共鳴するかどうかですねw。

全91件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×