フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

制作 : 小林弘人 解説 
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822248376

作品紹介・あらすじ

ユーザー数が5億人を超え、会社の時価総額が2兆円を超え、グーグルを驚かす存在となった巨人、フェイスブック。同社を率いるマスコミ嫌いのCEO、マーク・ザッカーバーグからの信頼を勝ち得た元フォーチューン誌のベテラン記者が、徹底取材からフェイスブックの真実を初めて明かす。

感想・レビュー・書評

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  • #3354ー47ー177

  • 映画も面白かったけれど、その数倍よかった。ビジョンと信念を持ち、度重なる買収の話を断り続けて成長してきた姿はかっこいい。またそれ以上に後半に書かれているFacebookのビジネスや生活における意義、今後の展望、透明で開かれた個人個人がつながる世界を実現するというマーク・ザッカーバーグのビジョンなどは非常に興味深い。情報は隠すことができず、どんどんと透明性の高い社会になって行くことで、今まで色々な顔を持っていた個人のアイデンティティーは1つになっていく。この逆らいようのなトレンドに、個人のプライバシーの考え方と、今まで複数の顔があることで成り立っていた生活、社会も変わらざるをえないように思う。その恩恵として便利になることも多いだろうけれど、果たしてザッカーバーグの言うように透明になることで統治が生まれ、より公正な社会になるのかどうか。人も企業も倫理観と正しい行動が今まで以上に求められるようにはなるだろうけど、一度の失敗、間違った行動でその後の復活のチャンスが不健全な一般人に社会的に潰されてしまうような事例が既に随分出ている。透明性の高い社会が、ただ単に常に監視される社会にならないように、個人個人の情報リテラシー向上ための教育と、個人認証システムとして国家間の協議やルール作りが必要と思う。

  • 図書館で借りて読了。フェイスブックをつくったマーク・ザッカーバーグという個性的な人物がきわめて興味深い。フェイスブックは、ハーバード大学の学生同士が交流するための顔写真つきのリストからスタートした。彼はただ、自分がかっこいい(クール)だと思うものをつくってユーザーに楽しんでもらいたいと考えているだけであり、金を儲けようとはいっさい考えていない。しかし、ネットワークが大きくなるに連れて周囲が彼を放っておかない。ベンチャーキャピタル、Google、Microsoft・・・。どんなに大金を目の前に積まれても、マークの信念は微動だにしない。見見苦しく画面を占有するネット広告やバナーは大嫌い。クールでないし、ユーザーが使いにくくなってしまうからだ。フェイスブックはすでにきわめて多くの国々に受け入れられ、数億人をつなぐネットワークとなっているが、いまだ発展途上である。今後どのような方向に進んでいくかはわからないが、少なくとも、クールなものを作りつづけていきたいというマークの信念だけは、これからも変わらなそうだ、と感じた。

  • 時代をリードしてきたザッカーバーグがつくりたい未来を創造する過程が描かれています。

    個人的に一番面白かったポイントは、ザッカーバーグがこだわったフェイスブック(描く未来像)と広告の関係に一定の方向性を見出したくだりでしょうか。

    発刊が2011年ですが、最近ニュースでも話題になることも多く、今のフェイスブックをベースに読む面白さがある気がします。

  • こちらを原作としている映画『ソーシャル・ネットワーク』もかなり面白かったけど、こちらも若者が憧れる現代的なサクセスストーリーのひとつとして、とても良い。(映画よりも事実に正確で、詳細で、もっと後の話まで書いてある)

    起業家ではない私でもエンターテイメントとして読める。

    お金よりもビジョンを優先し続けて、バイアウトを一切考えない、大物にも気後れしない、CEOザッカーバーグの爽快な態度。

    ===

    67
    企業のリーダーたるものは、頭の中に決断が枝分かれのツリーになって入っていなければならない。

  • フェイスブックの立ち上げとサービスの改善、会社の資金調達についての経緯などが記載されている。
    サイトを訪問している時間を最大限に有意義なものに。
    1つに集中するのはリスクと考え他のプロダクトにもかなりの時期にまで取り組んでいた。
    作っているのは人間の電話帳。
    クールなものではなく、なくてはならないもの、公益事業とする。

  • 儲ける会社を作るより、意義のある会社を作って失敗するほうがマシ。という考えは真の起業家の証なのかもしれない。
    札束で頬を叩かれたら大体が傾いてしまうものであろう。ザッカーバーグがいつそんな求道者のような心境にたつ修行を行っていたのだろうか。そこが気になった。
    たぶん、走りながらだっただろうが。

  • 大人気facebookができるまでをまとめた本。
    500ページを超える大作で、
    読むのに相当時間がかかりました。。

    それでも、スタートアップのベンチャー企業が
    どのようにして巨大企業にまで成長したのかが
    リアルに書かれています。

    ベンチャーに興味のある人にとっては、
    宝のようなヒントがたくさん詰まっている本だと思います。

    <メモ>
    ・いきなりfacebookのサービスが生まれたわけではなく、
    試行錯誤の上で色々なサービスを作っていく内に
    facebookが誕生した。

    ・facebookに似たサービスも存在したが、タイミングが悪かった。

    ・ハーバード発というお墨付きが
    当初、製品の信頼を得る上で役立っている。

    ・ベンチャーキャピタルに投資してもらう際も、
    創業者側が主導権を失わないようにルール整備を行った。
    (それらに精通した人物が近くにいた。)

    ・お金を稼ぐことに力を注ぐのではなく、
    ユーザーの体験が快適であることに注力した。

    ・情報が集まれば集まるほど、
    プライバシーの問題に気をつける必要が出てきた。
    (逆に利用者側としては、気をつけたいところ。)

    ・上場した今、広告収入のアップとこれまでの理念の追求という
    一見相反することをどこまで追い求めることができるかが
    求められている。

  • 【感想】
    久しぶりに、読んでいてやる気がでてくる本だった。自分ももっと本気で何かに取り組もう、と思えた。そしてもっと若いうちにそうすべきだった、と。
    20歳程度の”ビアポン”、Xbox、Wii好きの青年が、最後の方(といっても26歳くらい)では聖人のようになっている(描かれている)のはちょっとおかしかったが、実際にそのような素質を備えているのだろう。
    一番驚いたのは、サヴェリンはもちろん、ザッカーバーグも大学性ながらサーバー増強のために数百万円を小遣いからだせるというところだった。
    住んでいる世界の違いを感じた。

    【抜粋】
    「こうした(過渡期の)競争ではパラノイド(疑り深い人)だけが生き残るんだ」・・・アンディ・グローブ
    「非常に優れたリーダーというものは、特にスタートアップの場合、どこでノーと言うべきかを知っている。明確なビジョンを描いて全員にそれに向けて鼓舞していくことも重要だ。しかし限界を知っていなければならない。特にプロダクトについては、無謀に手を広げすぎないようにすることが重要だ。何もかも一時にやるわけにはいかない。」
    「彼は「ビジネス面」が本質だと思っていた。良いプロダクト(テクノロジー的側面)は技術者を雇って地下室に入れておけば自然にできるくらいにしか考えていなかった」
    「難しいのは機能を追加することじゃない。どんな機能を付けないか」
    「世界を変えたければまず自分が変わらねばならない」・・・マハトマ・ガンジー
    フェイスブックはユーザーからの成果物をまとめるだけで完全な翻訳版を作成した(クラウド翻訳)
    自分自身の権力を行使することに熱心な幹部にとっては、(フェイスブックは)あまり居心地の良いものではない。
    世界がますます情報を共有する方向に進むとき、それは確実にボトムアップで行われる。
    Don't be lame.

  • 驚異的な取材力で的確にSNSの今と今後をまとめた教科書のような良書です。とても参考になります。
    Facebookの戦略である『透明性とオープン』『アンビエント・インティマシー』『f8(プラットフォーム)』『贈与経済』の全てが、リアル世界では当たり前の相互信頼・認証を支えているキーワードです。これをデジタル上で実現することで、『世界市民』や『世界脳』が実現されるのかもしれません。その世界へ一番近づいているのがこのFacebookかもしれませんね。完成すれば本当に『バベルの塔』が作れるかも。
    一番印象に残ったのは、本書の随所に出てくる『成功の最大要因が創業者マークの動機が金でないこと』ということです。成功の基本ですね。その意味でも最大功労者は『ショーン・パーカー』ですね。マークのやりやすい環境を身をもって構築しましたからね。突き進むには初期の時点での本当の理解者が不可欠ですね。
    やはり、『Don't be lame!』ですね。身に染みます。

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