- Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861822902
作品紹介・あらすじ
世界の農民と消費者を不幸にするグローバル・フードシステムの実態と全貌を明らかにし、南北を越えて世界中で絶賛された名著。
感想・レビュー・書評
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なぜこの本を読もうと思ったのかが思い出せない。
ボリュームも今の私にはありすぎた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界のフードシステムの一端をみれるこの本、普通に生きてるだけだとおそらく知らなかったであろう内容が記載されていて、1日3回出会うであろう食事について今までと違った角度でみれるようになります。というか、それ以上に深く考えさせられます。ただ、政治、法律、資本主義、農業、カロリー、思想etc、と複雑に絡んでいるこの世の中のこのシステムを紐解き、解消していくには至極大変な労力が必要になります。生産者と消費者を直接的にいかに結びつけるのか、これからの時代のテーマですね。日本でもキーワードとしてあげられてる「地産地消」、国・自治体・消費者もろもろ考えていく必要があります。
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出ました、400ページ越えの大書。タイトルだけでとりあえず予約して借りてみたが実に後悔する分量であった。
2010年代初頭にはやったフード・ビジネス、アグリビジネスの闇を暴く系の本だが、やはりこの手の本は面白い。こういう批判があったから業界全体も多少は透明性も高まって、状況も改善したのではないかと信じたい。
しかし世界的な安全保障だの復興支援だの、良いことしているようでどれだけ他国産業の衰退、自国産業のごり押しをしているかと驚かされる。
アメリカとは恐ろしい国や(確信) -
食は全ての人に関係し、それは健康状態や生き死にの、深刻な問題に直結している。日本もまた兵糧攻めを受けており、将棋で言えば詰んでいる状態なのだと思う。今からでも日本の農家に貢献することが、自分を助ける方法だと思う。
分厚いので、読み始めるまで抵抗があったが、これは是非読んでいただき、現実を直視し、己を覚醒させて方が良い。 -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000685649
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SDGs|目標2 飢餓をゼロに|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/58234 -
・フードシステム→末端の消費者と生産者の数に対して中間のサプライヤーが極端に少ない砂時計型の構造。サプライヤーは生産者からの搾取,消費者の健康状態の悪化,食の選択の実質的な強制などの負の面を抱えている.フードビジネスを牛耳る巨大多国籍企業はそれを負の側面から膨大な利益を上げている.
・しかしフードビジネスは消費者の需要を土台に成立している.いくら砂糖や脂肪にまみれた加工食品が体に良くないとわかっていても本能でそれを求めてしまう人間の性がある以上,それを覆すのは難しいだろう.
・この本はフードビジネスの負の面にとことんフォーカスしているため、鵜呑みにすると多国籍企業アレルギー、陰謀論者、過剰な厭世論者に陥る可能性があるが、今のフードビジネスがもたらした恩恵があることもしっかり意識しないといけない。
・平等・健康・公平・自由な選択などのワードを掲げて今のフードビジネスの変革を筆者は訴えるが綺麗事の域を出ないと個人的には考える.人間の本能と資本主義というエコシステムで強固に築かれた基盤を理性の啓蒙で崩せるわけがない.世界の一面について理解を深め,自分自身はそこでどうサバイブするかを考えるのみ.筆者は最後にフードシステムを変革しうる行動を提案しているが大衆が倫理観で理性的な判断を下すことを前提としたものがあり現実的ではない。
・2010年の本と少し古いが内容やメッセージは全く色褪せていると感じない.現代の食や食を支えるシステムに興味を持った人は必読.
・集約、経済コスパ、グローバルではなく分散、多面的な便益(生産者・消費者受益、環境負荷など )、グローカル
・戦後、日本の食習慣は米国の思惑に欧米化された。コメは悪いとプロパガンダされ、公費でパン職人育成させた。小麦を日本に売りつけ、その利益で日本の軍備拡張(反共産主義の砦 )構築に回した。
・私が考える今のフードシステム上でサバイブするための取り組み.
→足るを知る。
→地産(自作 )地消
→創る(栽培や調理 )楽しさを知る
→ファストフードから距離を置く
→人体の健康維持に必要な行動のための本当の知識を身につける -
世界の農民と消費者を不幸にするグローバル・フードシステムの実態と全貌を明らかにし、南北を越えて世界中で絶賛された名著。(e-honより)
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ラジ・パテル著、佐久間智子訳『肥満と飢餓――世界フード・ビジネスの不幸のシステム』(作品社/2730円)読了。
《なぜ世界で10億人が飢え、10億人が肥満に苦しむのか? 世界の農民と消費者を不幸にするグローバル・フードシステムの実態と全貌を明らかにし、南北を越えて世界中で絶賛された名著。 食料をめぐる政治、グローバル経済と社会正義、そして私たちの生き方。食べ物を通して、世界の差し迫った課題を明確に見せてくれる。――「ガーディアン」紙(アマゾンの内容紹介より)》
別途書評を書いたので、ここにはくわしい感想が書けないのだが、示唆に富む好著であった。
以下、付箋を貼った箇所をいくつか引用しておく。
《(米国では)黒人の多い地域のスーパーマーケットは、意図的に白人が多い地域よりも健康的でない食品を揃えている。そして、多くの調査が明らかにしているように、健康的な食品が手に入る地域では、果物と野菜の消費量も多いのである。》
《私たちは、今の暮らしや仕事、遊びを通じて食べ物を選んでいるのではなく、食べ物に選ばれている状態に陥っている。しかし、その事実をしっかりと受け止めるのは簡単ではない。》
《米国では、有色人種と貧困層は肥満になりやすい環境に置かれており、白人や富裕層は新鮮で栄養価が高く塩分と脂肪分の少ない食べ物を得やすい環境に住んでいる。米国全体でみると、貧困地域は、富裕地域に比べてスーパーマーケットの数が四分の一しかないうえに、酒類を提供する飲食店が三倍もある。(中略)ファストフードの店舗は、貧困地区や有色人種の居住地域に集中している。》
《つい最近までは、インドや中東、および南太平洋など、世界の多くの社会で美人の典型とされてきたのは、背が低く太った人々であった事実を思い起こして欲しい。にもかかわらず、わずか一世代のあいだに、現在の特定の美の基準だけが世界を席巻してしまったのである。》
《あなたが食品企業の重役でもないかぎり、フードシステムは、あなたのために機能してはいない。世界中で、農民と農場労働者たちは、政治家に黙殺され、市場にもてあそばれ、死の淵を漂っている。
消費者は、加工食品をたらふく食わされ、中毒にさせられている。アグリビジネスの食品とマーケティングは、食に起因する病気を爆発的に増加させ、私たちの身体を害し、世界中の子どもたちの身体に時限爆弾を仕込んでいる。》
《現代のフードシステムでは、「高収量品種」の栽培に要求される厳密な育成条件を整えるために、大量の淡水を持続不可能なレベルで消費することが必然化している。》
《今日のフードシステムを支えている、化石燃料、水、土壌はすべて危機的な状態に陥っている。》 -
図書館本 611.3-P27 (100100135975)