グース・ガール―がちょう番の娘の物語 (ベイヤーン国の物語シリーズ 第 1作)

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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894491090

感想・レビュー・書評

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  • (No.12-57) ファンタジーYAです。

    『キルデンリー王国の世継ぎの王女(アニドリィ・キラドラ・タリアンナ・イシリー姫)アニィは、鳥と話が出来る。それを教えたのは母王妃の姉。しかし王妃はそのことを快くは思っていなかった。アニィにとっては伯母なのだが他の人には子守と思われていた。伯母が故郷に帰ってからは弟や妹とも引き離され、アニィは孤独だったが、世継ぎの王女として努力していた。しかし、内気で要領の悪いアニィを王妃は世継ぎの座から突然下ろす。
    山脈に遮られているため小国のキルデンリー王国は今まで侵略を心配せずに平和だったが、隣国ベイヤーン王国の潜在脅威を防ぐため、アニィをベイヤーン王国の王子に嫁がせることになったのだ。
    アニィは侍女に付き添われ護衛団に守られながら、何ヶ月もかかる隣国までの旅に出発。その旅の途中、思ってもいなかったことに。
    アニィはグース・ガールとなって生き延びる・・・・。』

    グリム童話「がちょう番の娘の物語」を下敷きにしたファンタジーです。
    私はその童話を読んだことがなかったのですが、この本を読んでから童話を読みました。かなり忠実にポイントになるところを取り入れていることが分かりました。
    比べてみて童話と小説の分かれ目ってこういうところが書いてあるかどうかなんだなと、興味深いと思いました。

    童話の何十倍かに膨らんだ登場人物とストーリーは、とても面白かったです。

    もったいないと思ったのは、娘が自分より自分の姉との結びつきが強くなっていることに王妃がどう思ったか、それによる母と娘の葛藤などがそのまま置き去りにされたこと。童話にはない設定だったのに、活かしきれていません。活かせなかったのなら、もっと違う形の嫁入り話の方が良かったのに。

    グース・ガールとなってからのアニィの経験は、少女の成長物語になってます。仲間たちとの生活が生き生きと描かれ楽しいです。

    表紙を見て、なんとなくほんわかした話かと思って読み始めたのですが、けっこう血なまぐさい場面もありました。
    グリム童話を下敷きにしたものだから当然かも。

    これはベイヤーン国の物語というシリーズになっていて、次はアニィの仲間が主人公の話ということ。読んでみようと思います。

  • ものすごく立派な物語原型的エンタテイメントだと思う。

    世間知らずの純真な王女が、したたかな侍女に裏切られ、異国でがちょう番として、友情と社会と愛を学んでゆく。勇気と友愛で、真実と愛と王女としての資質を勝ち取ってゆく。

    おしん、とか、シンデレラ、とか、ティピカルな少女マンガ的に、優れた力技。問答無用に面白いんである。ほんの少しの魔法の要素、魅力的な世界。続編も読むぞ、と思う。

  •  読んで良かった。何というか、中盤の理不尽さが、とても空しい。何というか、
     終盤の煌びやかさが、とても嬉しい。読んで良かった。

  • 他の方のブログで紹介されていたので読んでみました。
    とてもおもしろかったです。
    グリム童話の「がちょう番の娘」を下敷きにしているお話ということで、先にグリム童話のほうを読んでから読むと、なるほど!と思えるところがたくさんありました。

    同じ作者の『プリンセス・アカデミー』も、とてもよかったです。
    しかしバベルプレスという出版社、初めて聞きました。。。

  • キルデンリー国の世継ぎの王女アニィは、自分に自信がなくいつもおどおどしていた。そんなアニィを世継ぎとしてふさわしくないとみなした母は、隣国のベイヤーン国の王子との縁談をまとめてしまう。失意のまま婚姻のための旅路についたアニィだったが、山中で侍女の裏切りに合い、王女としての身分すら奪われて森の中をさまようことに…。グリム童話の『ガチョウ番の娘』を下敷きにした長編ファンタジー。骨太なストーリーと手に汗握る緊迫した場面が魅力。

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