論文・プレゼンの科学: 読ませる論文・卒論、聴かせるプレゼン、伝わる英語の公式
- アドスリー (2010年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904419069
作品紹介・あらすじ
プレゼンやレポートは才能ではありません。論文やプレゼンは「文学」ではありません。語学とは努力ではありません。簡単な公理に基づいた「科学」です。
感想・レビュー・書評
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今までも何度か学会で発表したりした経験がありますが、準備にものすごい時間・エネルギーがかかったことだけは覚えています。何度かやれば慣れると言われてきましたが、少しはましになるものの、まだまだというのが実情です。
そんな状況にありながら社会人生活も20年が過ぎてしまいましたが、今までに数々の論文発表の仕方を解説した本を読んできた私のアンテナに引っかかったのがこの本です。
ストーリー(スライド間の繋がり)の重要性を強調されていましたが、パソコンに頼らずに、大きな白紙に手書きで自由に書き始める(p78)というのは参考になりました。
英語のタイトルを書く時に苦労していた私は、良いアドバイス(英語も日本語も同じ順序:p40)を得たと思います。
以下は気になったポイントです。
・論文、報告書にしても、独り言にならないように、伝えたい相手をイメージして語りかけるように書く(p15)
・レポートは基本的に「です、ます」調で書く、無理をして「である」調で書くと、余計な言葉が加わって、伝えたいメッセージが変わってしまう(p17)
・多くの観衆を前にして発表する場合、スライドに収める内容は、1枚1分が目安で、32ポイント、最大15行程度にまとめる(p27)
・科学論文において、起承転結は不要、重点先行主義(大事なことから先に書く)(p37)
・英語表現で、受動態か能動態かの選択は、何を強調したいかによって決まる、Figure.1 shows that~:図を見て欲しいとき、The relationship shows in Figure.1:関係を見て欲しいとき(p38)
・タイトルを書くときには、英語も日本語も重要な事柄から書くので、順序が同じとなる(p40)
・主語と述語だけで、ストーリーが続くようにすることがポイントで、関係代名詞は極力使用しない(p46)
・形容詞、副詞も、どの程度なのかが曖昧なので、使用しない代わりに、具体的な数値を示す(p47)
・ストーリーを考える場合には、パソコンを使用せずに、大きな白紙を用意して自由に書き始める(p78)
・アウトラインに、目的、原理等を書くだけではなく、それぞれに対して具体的な内容を書く(p81)
・発表は、スクリーンではなく聴衆を見て行うこと(p95)
・英語を聞いて理解しようとする場合には、とくに母音に意識をすること(p110)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
所在・利用状況を見る:
https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/97780 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99194607 -
レポート・プレゼン・論文は「科学」である。
その質は筆者の才能や努力、文学的素養で決まるものではなない。
正しい書き方を知れば、誰にでもうまく書けるものである。
というコンセプトの本です。
しかし、内容は論旨こそすばらしいものの、非常にネガティヴな書き方の本になっています。
基本的に「こうすると良い」ではなく「~はダメ」「~は無駄」と言った言葉を多用し、特に序盤は禁止事項を延々と述べる形で進行します。
そのため、悪い文章について知ることはできても、いい文章の書き方へは話がなかなか進まず、読んでいて回りくどい印象を受けました。
論文やプレゼンの書き方、話し方を学びたい方が手にとっても、この構成では読んでいて気持ちが萎えてしまうのではないかというのが、正直な感想です。
ページ数は少なめで、文章は簡潔、イラストや写真も豊富で読みやすいです。
しかし、上記の側面があることを踏まえた上で手に取ることをお勧めします。 -
京都女子大学図書館での請求番号は、「816.5/Ka98」です。
わかりやすい文章で、イラストもあって手軽に読めます。理系向けの本のようですが、文系にも共通する部分がたくさんあって、文系にも役立ちます。 -
請求記号 : 816.5||K
資料ID : 91093310
配架場所 : 工大ニューメディア -
一応読んだ。
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論文を書く上での心構え(誰に書くのか、何を伝えたいのか)、プレゼンをする前の事前準備の大切さなどが簡潔にまとめられています。
序論の書き方やメリハリのあるスライドの作り方など、4年生や院生の方には参考になるのではないでしょうか。また、コラムで紹介されている筆者が実践しているメモ・ノートの取り方や教授とうまくつきあうための科学も興味深いです。
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00511531