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- / ISBN・EAN: 4988104060181
感想・レビュー・書評
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ある企業人の矜持。何があっても会社はやめない、定年まで勤めあげる。
原作の題名は知っていたが、日航機墜落の報道現場のことかと思っていた。そちらは「クライマーズ・ハイ」(2003)だった。映画では最初「国民航空」と政府、官庁人、議員などの区別がちょっとつきずらく、見ながらウィキを検索したら、日本航空に勤めていた小倉寛太郎という人をモデルにしたものだとわかった。あくまでもモデルだと最後に字幕は出るが、ほとんど小倉氏のキャリアをなぞっている。
日本航空での労働組合運動、整備や飛行の勤務実態、また役職への出世競争、そして墜落事故、などなど企業小説といえる。実際の小倉氏に興味が湧いた。
原作:「沈まぬ太陽」山崎豊子著 1999刊
1995~1999年に「週刊新潮」に連載
2009制作
2024.1.2BS11
録画しておいたのを見たのだが、途中で「羽田で飛行機事故、乗客400名・・」と字幕。2024.1.2の夜のBS11、18:00からの放送 なのだ。これは前日の能登半島地震で救助に向かう海上自衛隊と着陸した日本航空機の事故の速報だった。なんという・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10年前に映画館で観て、また観たくなって図書館で借りてきた。最近は大人が観て満足いく作品が少ない中、貴重で重厚感あって良いと思う。
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JALがモデルの国民航空の社員の渡辺謙は、労組の委員長として
社員の待遇改善を勝ち取ったが海外僻地の支店に左遷される。
当初は2年間だけの約束だったが、延長に次ぐ延長でいつ日本に帰れるのかもわからない。
そんな中、御巣鷹山の墜落事故が勃発し、国民航空の権威は失墜。
巨大企業の歯車として働きながらも自身の信念を貫く人と、
政治家と癒着し自己利益を優先させる人の末路を描く。
国際航空の改革に意欲的と思われた首相でさえも
新社長に就けた人物を政権が危なくなると切り捨てる。
利権をめぐる大人たちの汚い欲望に憤りを覚えた。
結局、最後まで根本的な問題は解決されなかった。
それが現在のJALの姿を表しているような気がする。
御巣鷹山の事故の話は生まれる前のことで全く知らなかった。
原作を読み勉強しようと思った。 -
TVにて
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原作未読。日航ジャンボ墜落事件のパロディかな。
群馬県御巣鷹山に墜落し、510名死亡4名生存の国民航空で団体運動をしていた恩地(長)と行天(副委員長)の明暗を描く。男として団体に屈するか否かで人生の明暗を勧善懲悪的にするのは山崎豊子のおはこだろう。
映画の尺としてライバルの良さが消されていて残念だったのかな、でもこんな主人公、理不尽な父親どうなんかな時代かな -
本筋と関係ないけれど1980年代頃ってさほど昔でもない気がするのに日本社会の女性蔑視が凄くて驚いた。。。
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久々の視聴ですが、日航機墜落事故をモデルにしていることから、「半沢直樹」と「クライマーズ・ハイ」にとても印象が似ていることに驚き。悪者がとことん憎々しいところ、勧善懲悪の結末などはもろに「半沢」。つまり、この手の熱き企業小説を20年以上前に書いていたのが山崎豊子だったんですね。
激しい組合闘争と報復人事、空前の航空事故、不正会計の隠蔽と、次々と起こる嵐の渦中に身を起きながら、主人公は熱い矜持を貫いていく。「会社員残酷物語」とも言えますが、職業に対する使命感、企業への忠誠という古臭いものが、令和の今では逆に新鮮に感じるところが不思議です。 -
組合活動を積極的にやりすぎたせいで、海外へき地勤務を命じられた主人公。日本航空ジャンボ墜落では遺族対応にあたる。役員は全て私腹を肥やす人間で占められている等、
半沢直樹ばりの勧善懲悪が明確に描かれている。2010年の最近作られた映画という事に驚き。まだこんな世界が描かれているとは。